すると、今度はトントンと軽快な革靴の音が温室に響き渡った。
「よっ!欧華、今日は招待ありがとな」
何の理屈も無い笑顔でそう言ったのは、ブンデスレプブリーク・ドイチュラントのドール。日本では確か、ドイツのドールと言ったほうが分かりやすいでしょうね。彼女の名前は独華。見た目は男っぽいですが、れっきとした女性です。
「いえ、此方こそ来て頂き喜ばしく思いま」
私がそこまで言ったとき、独華がため息混じりの声で話し始めた。
「あのな、俺はそう言う堅苦しいのが嫌いなの。敬語が外せなくともそんな堅苦しい話し方しないで。俺の主が上司に向かって話してる時とおんなじになってんだぞ?な?」
「は、はい。以後気おつけます」
独華の勢いに押し負けた。どうして、このドールの主は礼儀正しいのに、このドールはそうでは無いのか、なんて悩んでいると、最後の招待客が来たようだ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!