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米『はァ゛ッ…ごめ゛んなさッ…!!!(泣』
英『お前がしっかりしてないからこうなるんだぞ』
いつもやれと言ったことをやれず、俺の決めたルールすら無視して我が道をゆく。俺が父親なのに従わないのはガキとして間違っている。父親に従わないガキは躾なければならない。
そう感じていた自分が馬鹿だった。
英「……?ここは…」
良く見覚えのある場所だ。いつもあのガキを虐げる時に使っている地下室だとすぐにわかった。気味が悪くなってすぐさまここから立ち去ろうとした…が俺の腕には上から吊り下げられている鎖がついている……誰が何のためにこんなことを…??
米「起きましたか、お父様」
英「ァッ…アメリカ…!!助けてくれないか…?」
米「何言ってるんですか。」
英「は…??」
米「ほんと、お父様は救いようがないですね笑」
ふとアメリカの手に握られているものを見た。
……鞭だ。俺がよくコイツを虐げる時に使っている鞭だった。なぜコイツが持っている。これでコイツは何をしようとしている…??なんてゴチャゴチャと考えているうちに素早く何かが振り下ろされるのが見えた。
英「〜〜ッッ…!?ィ゛ッ…!!」
刺されたような痛みが自分の腹部に刻まれる。痛い、もうずっと味わってこなかった痛み。こんな痛みを毎日味あわせていたのか、と自覚するとアメリカに対して酷い態度を取ってしまった、と後悔した。
だが俺もこの痛みを毎日味わっていた時期がある。だからこれをされるのは当たり前だと思っていた……。これが愛情、これが躾、これがコイツの未来にいつか役に立つ時が来る。そう、俺も躾られてきたからだ…
米「ねぇ、お父様」
英「な、なんだ……」
米「僕…ずっとお父様にこうしたかった…!!」
バチンとまた高い音が鳴ったあと、俺の腹部が痛む。俺は酷いことをした。俺は自分のお父様にやられたくなかったことを自身の子どもにしてしまった。なんて酷い親だ、と自覚した。
俺はこの時間がどれほど辛かったことだろう、と考えながら時が過ぎるのをひたすら待った。
どのくらい経ったのだろう。俺の身体はボロボロで、赤く痛いくらいに腫れ上がっている場所もあれば、血が流れているところもある。
英「はァッ…はぁ……」
米「お父様…酷いことをしてしまってごめんなさい…」
突然息子の口から飛び出た謝罪の言葉に耳を疑う。なぜ突然その言葉が出たのかは分からないが……許されたのか…?
……いや、コイツはそんなにすぐ折れるような男じゃない。俺は知っている。コイツの中にあるメンタルの強さだとか、人を引っ張れる能力があることを。大切な息子だからこそ知っている。
米「ねぇ、お父様」
英「……なんだ」
米「お父様もコレされてた時あるんですよね?」
英「……!?なんで知って、」
俺は知られたくなかった。情けない1面を息子に見せたくなかった。どんなに優しい父親でも、どんなに酷い父親でもきっとそう思うだろう。
米「お父様の叔父に聞いたのです。叔父はお父様は昔からずっと弱い子で、躾なければイケナイと言っていました。」
英「……ッああそうだよ、ずっと昔から言われてきた。『俺とは違って、お前は弱い。』と……でもその予言は大きく外れた。俺は広い土地を支配し、周りの国々よりずば抜けた力を持っている…」
米「まさか、叔父がやった躾って…」
英「そうだ、俺が今までお前にやってきたことだ。」
英「俺が今までお前にやってきたことだ。」
僕はこれ以上ないくらいに驚いた。お父様は昔、叔父……いや、イングランドってやつに僕と同じように躾られてた?愛情、躾、僕のため……そんなものがこの鞭に込められていたとでも言うのか。
お父様が小さな怪我をした可哀想な小鳥のように思えてくる。叔父の呪いが身体にまとわりついて、一生離れることのない後悔を僕が植え付けて。
英「好きなだけ笑え。俺が全て悪いからな、」
やっぱりお父様は馬鹿だなァ…頭が使えず挙句の果てには叔父の呪縛と僕からの後悔のプレゼント。なんて可愛そうで愛おしいんだろう、そう思ってしまった。
世間的には息子が父親に恋をするなんて気色が悪いと言われるだろう。弱っている父親が好きだなんて、狂っていると言われるだろう。だが、好きになったことには変わりはない…
僕は決めた。この手でお父様を堕とすと。
END