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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
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「……しゅん、ありがとう」
掠れた声でそう呟くと、敦はくしゃっと笑った。
いつもの、大好きな笑顔だ。
「他にも不安なことあったら、遠慮しないで聞いていいからね」
…敦は、こんなことで怒ったりしない
殴ったりしない優しい人だった。
そう改めて思い出したというか、感じた。
だから、今の苦しみを言い出したくなったんだ。
「…あの、しゅん?実は不安っていうか…これ苦しいなってことがあって」
「なに?なんでも言って?」
敦は居住まいを正し、僕の言葉を待ってくれる。
僕は喉をゴクリと鳴らし、一呼吸置いてから口を開いた。
「えっとね…言いづらいんだけど、僕…ご飯の味が感じれないっていうか…粘土食べてるみたいに味覚おかしくなってるん、だよね」
「え」
敦は、目を見開いて驚いた。
無理もない。
ずっと「美味しいよ」と言ってくれていた恋人が「本当は味がしない」なんてカミングアウトしてるんだ。
「ごめん、黙ってて…」
「じゃあ、無理して〝美味しい〟って言ってくれてた…?今のジンギスカンとかも」
敦の声に動揺が混じる。
「ジンギスカンはちゃんと味したよ!何口かは…っ、でも、インスタントのお味噌汁とか味しない超えて不味くて…食べ慣れてるものは全部同じに感じて特に美味しさがないって感じで…」
僕は必死に弁明した。
敦の料理を否定したいわけじゃないということだけは、伝えたかった。
「そっかそっか…」
敦は静かに顎を引いて、僕の言葉を咀嚼するように繰り返す。
「せっかくしゅんが忙しい中作ってくれてるし、こんなこと言うの失礼だと思ったんだけど…今、本当におかしくて、ごめんね」
「…俺に言ったら悲しむと思った?」
「う、うん…」
「わかった。じゃあさ、ひろが食べたことないものとか長い間食べてないものとか作ればいい?」
「えっ?わざわざそんな、しゅんに負担かかりそうなことしなくても───」
これ以上、彼に手間をかけさせるわけにはいかないと思って
手を左右に振って断ろうとすると、その手をそっと掴まれた。
「負担なんて思わないよ」
途端に敦の語気が強くなった。
「俺、黙ってたことより、ひろが一人で我慢し続けてたってことの方が悲しいから、なんでも言って欲しいし、ひろが楽しく過ごせるように出来る限りサポートしたいんだ」
「……なんで?なんでそこまでしてくれるの?僕、こんなにダメダメなのに…」
心の底から沸き上がった疑問だった。
何も返せない僕に、どうしてそこまで無償の愛を注いでくれるのか。
「大切な人を支えたいって思うのは当然でしょ?」
敦の即答が胸に突き刺さるように響いた。