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『 ちっちゃくなっても、君は君。 』
「……え、これマジ?」
佐野勇斗の目の前には、さっきまで一緒にいたはずの吉田仁人……ではなく、
ダボダボの服に埋もれた5歳児くらいの仁人が座っていた。
「はやとー、おなかすいたー!」
見た目は子供、中身も多分子供。 でも、言い方はいつもの仁人そのもの。佐野は慌ててキッチンへ走り、仁人の大好きなイチゴを用意する。
「はい、仁人。あーんして」
「あーん!……おいしい!はやと、もっと!」
キラキラした笑顔で懐いてくる仁人に、佐野の心臓はバックバクだ。普段はツンデレな仁人が、こんなに素直に甘えてくるなんて反則すぎる。
「(……ヤバい、めちゃくちゃ可愛い。このまま一生このままでもいいかも……)」
「身体洗ってあげるから、お風呂入るぞー」
「じぶんでできるもん!」
頬を膨らませて抵抗する仁人だが、ぶかぶかの服を脱がせるのは一苦労。 佐野は一生懸命、小さな体をタオルで包んでやる。
「仁人、お湯加減どう?」
「ちょうどいい!はやと、いっしょにはいろう?」
無邪気に誘われ、佐野は真っ赤になる。 「いや、俺が入ったら狭いだろ!」とツッコミつつも、おもちゃのアヒルで楽しそうに遊ぶ仁人を眺めながら、佐野の口角は上がりっぱなしだった。
お風呂上がり、佐野のパジャマを借りて(袖を5回くらい折って)、二人はベッドに潜り込む。
「はやと、お手てつないで」
「はいはい。……仁人、明日起きて元に戻ってても、今日のことは忘れるなよ?」
「ん……?はやとのこと、わすれるわけないじゃん」
仁人は佐野の腕にすり寄り、すぐにスースーと寝息を立て始めた。 佐野はその小さな頭を優しく撫で、おでこにそっとキスをする。
「早く元のうるさい仁人に戻ってほしいけど……もう少しだけ、このままでもいいかな」
翌朝、元の姿に戻って「勇斗!なんで俺、お前のベッドにいるんだよ!!」と絶叫する仁人に、佐野がニヤニヤしながら昨日の動画を見せつけるのは、また別のお話。
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