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こんなにひと目で心を奪われたのは初めてだった。周りがキラキラして見えた。自分がこんな経験をするだなんて夢にも思っていなかった。
ーーー東京から少し田舎に引っ越してきて数カ月が経とうとしていた。30代に入り離婚。とにかくすべてをリセットしたい気持ちもあり東京を出た。パソコンがあれば仕事はどこでも出来たので仕事に困ることも無かった。
中学高校と友達に囲まれて過ごし、高校卒業と共に就職。元々は接客業をしていた。人と接するのが好きで楽しかった。20代半ばで結婚をした。絶対にこの人がいい!というわけでもなく、ただ「断る理由がない」というだけだった。
男性からアプローチを受けることが多く、「そんなに好きと言ってくれるなら…」という感じで付き合い始めることが多かった。
見た目と中身が違うね!はよく言われる言葉だ。
見た目はすごく女性らしいのだが性格が男っぽいらしく、自分でもこざっぱりしていると思う。
同性にはすごくウケがいいのだが、男性にしてみると吉と出るか凶とでるか。
そんな私の性格もあり最初はうまくいくものの、男性が私の気持ちを疑う。「ほんとに好き?」「なんでヤキモチやかないの?」
そして試すような行動をとってくる。
試すようなことをしたら終わりだと私は思っているのでそこでもう気持ちが冷める。
いつもこういう恋愛の終わり方をしていた。
元旦那は刑事だった為ほとんど家に帰ってこない。それがすごく楽だった。デートも連絡もほとんど取らずに済んでたので楽だった。だからこそ粗が見えなかったのもあるのだろう。私の見る目がなかっただけだ。
もう30代突入してるしバツもついたことだし恋愛なんてない私は少女漫画でトキメキを補充するのが日課。
漫画を読むのも大好きで、オシャレもメイクも相変わらず大好きだ。自分だけに時間を使えて離婚したことを後悔したことなど一度もない。
ただ一つあるとすれば、地元を離れた為に友達にすぐ会えなくなったことくらいだ。
仕事も家でやるので誰か知り合いができることもない。
買い物もネットで済ませてしまっている。
それのおかげか、配達員さんと仲良くなった。担当地区が決まっているのかほとんど同じ男性が配達に来てくれる。
背の高い男性だ。この手越さんという人は私より7つ歳上でサーフィンやスノボを趣味としているそうで、よく世間話をするようにもなった。
「東京出身?!あ!やっぱり?!(笑)」
『え!なんですかやっぱりって!(笑)』
「いやなんか違うから(笑)」
『あはは!なにそれ(笑)ここらへんって手越さん配達担当なんです??他の人見たことない…かも?』
「いや!あと何人かいますよ!」
『あ、そうなんですね!じゃあたまたまいつも手越さんなんだ〜!』
いつもこんな感じで少しお話をしていってくれる。
知り合いもいない土地だからありがたかった。
翌日インターホンがなった。午前中のこの時間はいつも荷物が届く時間だ。
『はーい!』インターホンに返事をする。
手越さんかな?
「宅配便でーす!」
あれ、いつもと声違う。インターホン画面に映る姿が帽子で顔は見えないけど違う人っぽいな。
『今いきます!』
玄関をあけた。
荷物を持った初めて見る配達員さんがいた。
「お荷物お届けにきました!!」
ニコニコと感じがよく背はあまり高くないが大きい目に鼻筋が通った整った顔にビックリした。
こんなにかっこよくて若い配達員さん初めて見たっ!!
私より10歳くらい若いのだろうか…キラキラが飛んで見えた!
すごーい!アイドルみたい!!
『ありがとうございます。』
荷物を受け取りお礼を言いドアをしめた。
それが彼との初対面だった。