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吸血鬼は、人に疎まれる存在である。
人に危害を加えたり、血を吸い尽くし死なせてしまう事もあるから。
吸血鬼は強い。
子供の吸血鬼でも、体格のいい人間の大人一人と互角程度に強く、
大人の吸血鬼レベルであれば人を百人相手を圧倒してしまうだろう。
けれど、俺は出来損ないだ。
極端に弱く頭が悪い。
年下の人間にでさえ劣る。
だから、人だけでなく同種族である吸血鬼にでさえ疎まれる。
ーー「人に殺される覚悟すら無いなら、人を殺すのは出来ないな。」
何処からか、誰かも分からない奴の言葉が鮮明に聞こえてくる。
確かに、殺される覚悟は無い。
けど、今までずっと、周りの奴らが目の前で死んできた。
俺は無力で、皆が悲鳴を上げながら逃げ回る中ただ、
座り込んで、目を開けたまま眠る弟を見つめてた。
弟は凄く才能に満ち溢れ、小さい頃お父さんもお母さんも、弟を称賛して居た。
街の奴らだって弟ばかりを讃えて、俺は見下される事ばかり。
でも弟は優しくて、落ちこぼれな俺にも笑いかけてくれた。
人間にも好かれるんじゃ無いかってくらい、温かくて優しい奴だった。
そんな、何の才にも好かれて居た弟は、命だけに嫌われて居た様だ。
俺は手で弟の瞼を閉じさせ、横腹あたりの傷口に弱く触れた。
もう血も出なかったが、先程まで溢れ出して居た血液が服に染み、俺の手にもしっかりと付いてしまった。
これだけでは無い。
これは、何度も見た光景だ、親も友も殺されて、俺に残ったものは何だと思う?
「呪われた出来損ない」。そんな不名誉なあだ名だけだ。
誰かがそう呼べば皆呪いだと騒ぎ立て、事実が噂になって、尾鰭を付けて一人歩きし始める。
そんなわけで、いつの間にか街を歩けば皆が今までして居た事を辞め家に逃げ帰る様になった。
前までは、、元から一人なので大した事はないが、面と向かって避けられると心にくるものがある。
そう頭の中をぐるぐるさせながら歩いていると急に足元が浮く。
物理的に。
世界にバグでも起きたのかと呆然としていると俺の体は空を見上げた。
それと同時に知らない男の顔が見えて、状況も掴めた。
誘拐され掛けているのだ。
今はいわゆるお姫様抱っこと言う形で運ばれているに違いない。
街の吸血鬼達は家に閉じ籠り見向きもしない。
それと何より、俺は恐怖で声が出ない。
助けすら求められない、求めたってきっと誰もが知らぬフリ。
死ぬのは怖かったけれど、俺は最愛の弟と両親に会えるのならと諦めて居た。
まぁ、どうしたって怖いから、出来るだけ痛くせず殺して欲しいものだ。
語り手・主人公/tg
誘拐犯?/ーー
第二話→♡100
行かなくても一週間以内には更新すると思うよ。
ばいばい。