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置土産

3 - 復讐の炎はそう簡単には消えやしない

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2025年03月26日

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「…………」

「…………」

沈黙が続く。話を出した方が良いがなにから話せばいいのか2人は分からない。居心地が悪いので武道は何とか声を振り絞った

「その……何で過去に来たんだろうね」

「……僕も分かりません。ビルから落下したと思いきや目を覚ましたら此処過去でしたので…」

そう。武道がビルから落ちて自殺をしようとした所、今目の前に居る警察官に止められた。しかし警察官も死んでしまったのだ

「……あの時、押されたんだよね?」

「はい。背中から勢いよく…誰に押されたかは暗くて顔が見えませんでした。もしかしたら、その人によって過去に戻ってしまったっていう可能性がありますね」

「うん……そうだね」

それを考えたい所だがその前に、警察官に聴きたいことが武道にはあった。何故、俺を知っているのかだ。武道は彼に見覚えはないのだ

「あの……あのさ、何で僕のこト(((」

「覚えてないんですか?」

武道の声食い込むように警察官は言った。その声と目はさっきと打って変わって光が無い。静かに怒っているようだった

「あの時…落ちようとしている君の手を掴んだ時、君は『誰?』と言いました。何故覚えてないんですか?僕の方が質問したい」

1つ間を開けた後……

「彼奴らですか?…いえそうですね。彼奴らしかいません。僕の大切な人を奪った挙句こんな仕打ちをするなんて………」ダン!

警察官が机を力強く叩く。武道は驚き過去に戻る前の事を思い出した。彼奴ら、多分彼等の事だろう…正直武道も彼等が怖かった。殴ってきたら急に泣いて俺を抱く……怖かった。分からなかった。彼等の心情が

「………あっすいません…取り乱してしまいました」

「大丈夫……つまり、俺が忘れてるだけで俺と貴方は会った事あるって事だよね?」

「はい。よく会って話していました」

「何で会ってたの?習い事とかで?」

「いえ、姉の事で会っていました」

「姉……日向って言う子?」

「そうです」

「え?俺その子とどう言う関係なの?」

本当に何も覚えてないんですね…警察官はほぼ絶望した顔をしていた

「単刀直入に言います。君と姉さんは恋人同士でした」

「………………え?」

「それで姉さんが僕に君を紹介させてそこから仲良くなったって言う感じですね」

「ちょっと待ってちょっマジ…待って…え?俺あの子と付き合ってたの?」

「そうですよ?」

「何で?…え待ってマジで思い出して俺。何で何も覚えてないの?」

「それはその通りです。何処まで覚えてないんですか?」

武道は深く考える。自分の覚えてる中で最古の記憶は何だ?考える程頭は痛くなるが何とか蘇った記憶はとある事だった

「……最初…首にチクって痛みが来て…そこから急に頭が痛くなったんだっけ?それで…痛みがひいた時はぼんやりしてた」

「チクっ…注射ですかね?」

「そうかも…うっ出てこない……」

「あぁそこまで無理しなくて良いです。また1つ、分かって来ましたし」

警察官は今までの言葉を整理してまた1つ間を開けてから口を開いた

「つまり、君は注射をされてそれまでの記憶が全て無くなってしまったと…まぁ他にもストレスによる記憶喪失もありますし……」

「……戻るかな?記憶」

「戻りますよ。きっと、今度は僕が君を救ってみます」

今度?今度とは何だ?俺は貴方に何をしたんだ?武道は分からなかった

「とりあえず…改めて自己紹介をします。僕の名前覚えてないですよね?」

「…ごめん」

「良いです。君のせいでは無いです」

またもう1つ間を空けて口を開いた

「僕は橘直人。改めましてよろしくお願いします」

「…うん、よろしく」

「ってあ、もうこんな時間ですか。そろそろおいとまします。また話ましょう」

「うん。途中まで送っていくよ」

「あっありがとうございます」






「大分暗いね」

「もう6時半ですし…ここあまり街灯もないですよね」

他愛の無い話をしているともう直人の家の近くだった

「ではこれで。ありがとうございました」

「うん」




「ふぁ〜…今日色々とあったなぁ」

タイムリープした初日から沢山の事がありその分疲れた。明日はバイトがあるそうなので今日はすぐ寝よう。課題は無かったはずだ

バキッボキ…

暗い狭い路地がから聴いてはいけない音を聴く。すぐここから離れなければと思うが人間、気になってしまってはもう戻れない。武道はちょこっと見るだけだと思いながら路地に踏み入れた



ぎゃはは!はっはっw!

不愉快な声が遠くで聴こえる。その声に腹が立ち直ぐにでも殴ってやろうかと思うが体が思うように動かない。何時もより重力が重く感じるようだ。

「はっ喧嘩売ってきたくせに弱いな」

「しかも今ヤバいとこの副隊長だぜ此奴」

「見る目ないんじゃねぇ?しかも何処?そのヤバいとこって」

うるさいうるさい黙れ。その言葉は聞き捨てにならない言葉だ。俺も知ってるしわかってる、こんな弱い奴が何で副隊長になってるかなんて、足を引っ張ってる事だって分かってる。だから強くなろうとお前らに喧嘩降ってるんだよ

男2人は伸びている男を嘲笑いその場を後にする。しかし、目の前には人の影があった。何だと思い近付こうとするが……

バキッバタン…

「…………は?」

隣の男が倒れたのである。理解しようと周りを見た瞬間ー

ダン!「ごフッ!?」

お腹に猛烈な痛みを感じる。反撃をしようとするが今度は頬を殴ってきた。

男は為す術なくやられる。次に起きるまでに見た最後の景色は

男の冷たい顔と突き出される拳だった。


今目の前に見た事は夢なのか。そう思う松野千冬の前に自分を伸ばした男達を一瞬で倒した男が立つ。その顔はさっきより明るい顔をしていたが何かをなくしたような顔をしていた

「大丈夫?君…」

「……大丈夫ッス」

そうと言い千冬の顔についた汚れをハンカチで拭き取る

「……あの、名前…なんて言うんス?」

「……花垣武道」

「…何でそんなに喧嘩強いんすか?」

「そう?…強い?」

どうやら本人は自覚していないようだ。

「その…俺……」

「ごめんだけど、時間が無い。また会えたら話そう…」

「………ッス」

そうして武道はその場から離れた。その姿を千冬は目に焼き付ける。そして言う

「あの人の…弟子になりたい」

彼を見て千冬の心には火がついたのだった

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