「今のっ! まさかっ!」
「行きましょう、箕輪くん」
大きなリュックサックを揺らして舞夜が走り出す。その背を追って、進夢も走り出した。
先ほどの声、恐らく、ゴリ先生だろう。
「でも、なんで、池の反対側に?」
うさぎ山の整備された道に、池の反対側に回るものは存在しない。獣道もないような、森の中を、木の根に足を取られながら行かなければならない。
だからこそ、信二は言ったのだ。“生ヶ池で事故が起きる可能性はない”と。
生ヶ池というのは、普通は進夢たちがいた側の岸辺のことを指すのだ。浅瀬で、岸に上がるのが子どもでも容易な、深さもだんだんと深くはなるものの、決して足の届かない深さではない、そういう池だ。
苦労して、逆側の、危険な方に回る必然性がないから、信二はその可能性を排除したのだろう。そして、より可能性が高い方、すなわち「安全な生ヶ池で人為的に起こされた殺人事件」とい*******
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