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#公安
あーむ
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薄暗い通信基地の部屋。無数に並ぶモニターの青白い光が、太田梨歩の横顔を照らしていた。
キーボードを叩く彼女の指先は、いつもよりわずかに強張っている。
画面の向こう、難攻不落の要塞「シャキ城」の奥深くには、敵の別組織に囚われ、絶体絶命の危機に瀕している別班員たちがいる。その中には、彼女が誰よりも無事を願う人――黒須駿の姿があった。
「……お願い。無事でいて、黒須さん」
かつて山本に脅され、心も体も極限まで追い詰められていた自分を、暗闇から救い出してくれたのが黒須だった。別班としての冷徹な顔の裏で、自分にだけ見せてくれた不器用な優しさが、今でも彼女の凍りついた心を温め続けている。
「ブルーウォーカー、そっちのハッキング状況はどうだ?」
インカムから東条(濱田岳)の緊迫した声が飛ぶ。
「あと30秒で、城内の監視システムと対空ミサイルの制御を完全に乗っ取ります。……だから、待っていて」
太田は自身の胸元にそっと手を当てた。そこには以前、黒須が「お守りだ」と言って手渡してくれた小さな電子チップの入ったペンダントが揺れている。
彼への想いは、決して戦場では口にしてはならない禁断の感情。しかし、この冷徹なサイバー空間において、太田のタイピングを突き動かす唯一の原動力は、黒須を絶対に生きて連れ戻すという、一途な恋心だった。
「システムダウン、成功!……黒須さん、今すぐそこから脱出して!」
画面に表示された「SUCCESS」の文字を見つめながら、太田は祈るように呟いた。任務が成功し、彼がまたあの不敵な笑みを浮かべて自分の前に帰ってきてくれる、その瞬間をただひたすらに待ち望みながら。
コメント
2件
今は草
第4話、読み終わった……。 太田さんの視点で黒須さん救うための必死なハッキング作戦、すごく好きだった。 彼への想いが彼女のタイピングを動かす原動力になるっていう表現が、すごく伝わってくる感じ。「SUCCESS」って表示されてから祈り呟く場面で、黒須を不敵な笑みを浮かべて胸を考えてるペンダーを実に手で、不器用に優しさが、本当にちょうどな場面で……そこに映されて、暖かくし続けてるのが印象的だった……。