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ぶつかったって遠慮は無用だ
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「で、柔太朗どうだった?」
もう何度目かわからない言葉を口にする。思い出すのはいつも、3年前のこと。
💙「いつもと変わらずやったで。佐野さんも明日行くんやろ?」
🩷「んー、まあ行くつもりだけど、、」
ピンポーン
💙「お、ご飯頼んでくれたんー?ごちです!!!」
受け取るや否や、いそいそと食べ始める太智。こいつ奢りだと遠慮ないよなほんと
🩷「先生、なんか言ってた?」
💙「特になんも。明日行った時聞いてみたらええよ、しばらく来てなかったんやし」
🩷「いや、太智が今日聞いたならいいよ」
💙「佐野さんさあ、もうちょい顔出してもええんちゃう?もう半年ぐらい行ってへんやろ」
🩷「いや、半年は言い過ぎだろ。それに撮影で時間なくて」
💙「でも最後に行ったのドラマ始まる前やろ?柔ちゃん怒ってるんとちゃうかなあ」
🩷「おー、でも」
💙「でも」
言葉を遮られる。顔を上げると、太智はまっすぐこっちを見ていた。いつの間にか雨が降り出したみたいで、あの日を思い出す。
💙「でも、柔ちゃん寂しいと思うで。佐野さんの気持ちもわかるけどさあ」
なにも言えない。しばらく沈黙が続く。
💙「ま、明日はちゃんと行きーや!そろそろ吉田さんに怒られんでー?!」
ごちそうさま!!ほなまたな!と言って閉められた玄関を見つめたまま、俺はしばらく動けなかった。
「___ちゃん、はやちゃん」
んー、誰だよ、まだ眠いのに
「もう、はやちゃん、早く起きなよ」
懐かしい声。
「メイク、もうすぐはやちゃんの番だよ?」
頬を突かれる感覚。
顔を背けるように寝返りをうつ。もうちょっとぐらい良いだろ、オフなんだから。
「もー、はやちゃんってば。俺もう行くからね。」
衣擦れの音がして、だんだんと意識が浮上してくる。あ、これ、夢か、
「っ、柔太朗!!!」
伸ばした手が空を切る。部屋には当たり前に自分1人で、でも頬の感覚だけは鮮明に残ってる。
目を閉じれば、柔太朗の声も、匂いも、体温も、全部思い出せるのに。
「、、、だっせ」