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秦中先生短編集

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秦中先生短編集

22 - 第22話ギダった飯綱くん

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2025年06月14日

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🎭「…」

🧣「?」

🎭「…晴明くん、犯人は?」

☀️「〆てます…凛太郎くんが…」


飯綱と学園長の間に沈黙が流れている後ろで、柳田が凛太郎に〆られていた。大体こういう犯人は柳田である。晴明のお札で妖力を封じ、縄で身体の自由を封じる


🧣「…俺今日壊してないっすよね。あとそこの神酒先生もどきとヘタレは誰です?」

🎭「…今、いくつだ」

🧣「?17っすけど…ついにボケ、」

🎭「テメェそれ以上言ったら…わかるな?」

🧣「…学園長も年に勝てなくなったんすね」


飯綱は、思い切り拳骨を落とされた


🧣「いってぇ…」


いや、正しくは17歳の秦中飯綱に



5分前



🧪「せいめーせんせー?俺の薬ーー」

☀️「没収です。危ないから」

🧪「え〜ーいーじゃないですかーまだ解毒薬できてないんですってー」

☀️「嘘っっっ!」


柳田が危険毒物を毎日のように生産しているのは知っている。昨日取り上げた薬を、わざわざ朝早くに取りに来たのだ。なんたる執念だろう。しかし、今はそれどころではない。被害拡大の前に没収することにしているが、まさか解毒薬を作っていないなんて…


☀️「あっっ!!」

🧣「!晴明!、!!!!!」


まさかの事実に動転しまくった晴明は、手を滑らせ、薬が床へ吸い寄せられていくのを見ているしかなかった。丁度職員室に戻ってきた飯綱は、晴明を庇うべく晴明を突き飛ばしたものの、自分が薬の餌食になってしまった。煙が立ち込め、煙の中から出てきたのは


🧣「ゲホッっゴホッ…んだぁ?確か学園長からにげ…ん?」

☀️「え、い、い、え?」

🍶「い、づなくん…?」


17歳の秦中飯綱だった







☀️「どーしよ…」

🍶「ここに置いておくんもなぁ」

🎭「…とりあえず、今日一日学校生活でもおくらせますか」

☀️🍶「え?」

🎭「責任取れよ、担任」

☀️「僕っっっっ?!」

🎭「付いてけないのは学業だけだろうし、お前のクラスならトラブル慣れしてて受け入れやすいだろ」

☀️「大丈夫かなぁ」

🎭🍶「飯綱くんのコミュ力なら大丈夫」

☀️「それも、そっかぁ…」


晴明達の視線の先には、ねずみ先生と話す飯綱の姿。普通、知らないところへいきなり連れて来られたら焦るだろう。いくら職員室とはいえ、そんな落ち着き払っていつも通りに話す飯綱。改めて、飯綱のコミュ力を実感したコミュ力底辺三人衆だった














☀️「ってなわけで…1日僕らのクラスメイトの秦中飯綱くんです」

🧣「ってことでよろしくな」

🫘「は、秦中?!」

🧣「?うん」

🧤「校則違反の塊じゃねーか…」


秦中先生とは似ても似つかない容姿に、驚きが隠れない参組。流石に隠すのは無理らしい


🧣「…なんでお前いるわけ?」

🧪「え?」

🧣「え、柳田だろ?」

🧪「うん」

🧣「え、お前…え?お前今日『戦争兵器展覧会』行くっつって学校休むんだろ?」

🧪「?俺はメカに興味はないが?」

🧣「…お前、木綿だったっけ?ペーパーだろ」

☀️「ああ、えっと…」


ややこしくなってきている。既に未来であることは学園長が話している。へー、すご。飯綱の感想である


🧣「あ、弟か」

🧪「知ってるのか?!」

🧣「得意げに話してた。想像通り…だな 」

🧪「想像?」

🧣「ん〜天才っぽいとことか」

🧪「おや、見どころがある」

🧣「サンキュー!…なあ、学園長室爆破しにいかね?」

🧪「よーしレッツゴー!」

🧣「ギダーー!」

☀️「ぎ、ギダ?」

🧣「?ギダる」


謎の掛け声とともに、学園長室を爆破しに行こうとする二人を止めた。元に戻った飯綱が殺される未来しか見えない











🎭「どうです、飯綱くんは」

☀️「すっかり仲良しですよ…けっっ」

🍶「分かるで〜晴明くん。ムカついてしゃあないわ」


その後、休み時間を経て飯綱は参組の生徒とかなり打ち解けていた。今は昼休み。舞塚や秋雨(+飼い主)と一緒に学食でご飯を食べるそうだ。女子とも仲良くしている。友達を作るのに苦労しかない2人は悪態を隠そうともしない。しかし、ちょっとくらいそのコミュ力分けてほしいなと思っていた


🎭「…あいつ…」

☀️「?」

🎭「あいつやり直させるか、人生」

🍶「それがええんとちゃいます?」


人生やり直し…つまり、躾直し。若干2人の剣幕に引いている晴明のスマホが、ピコンっと呑気にも通知を知らせた


☀️「…?あ、荊棘さんからだ!!」

🍶「なんで姉ちゃんの連絡先嫉妬んねん」

☀️「前教えてもらったんだ!」

🎭「なんて書いてあるんです?」

☀️「えっと…写真とって、と」

🎭「じゃあ、つなげるのできますかって返信してもらっても?」

☀️「え、はい…わ、速攻で返事が」

🍶「なんて?」

☀️「是非」

🎭🍶「やっぱか…」


秦中夫婦は、互いが互いの全肯定botと化している。新婚夫婦も、熱々できたてカップルも冷たく感じるほど、秦中夫婦は今でもお熱い。好感度もバカみたいに高いし、バカみたいに仲もいい。絵に描いたような円満夫婦なのだ。晴明は、せっかくなら、と17歳の飯綱の写真を荊棘に送っていた











※とんで放課後


🧣「晴明先生きまし…って、神酒、先生?!」

🌹「飯綱くん!!ほんまに17歳になっとる!かわえええ〜〜〜〜!!!!!!」

🧣「??????」


助けを求めるような視線を無視し、仕事に励む晴明と凛太郎。撮影会のフラッシュ音をバックに仕事を進めていった



1時間ほどしたのち、家へ帰ってしまった。飯綱は訳もわからずと言った形だったが、慣れたのか、アイドル顔負けのファンサで乗り切った。荊棘と一緒に帰れば良かったのだろうが、子供達は混乱してしまう。なので、戻るまで誰が飯綱の面倒を見るかの論争を本人の前で展開している3人


☀️「学園長、孫くらいしっかり面倒見てくださいよ!!!」

🎭「自宅まで爆破されちゃたまんねえんだよ!!」


昼休みにしっかり学園長室は爆破され、しっかり2人とも〆られた


🎭「凛太郎くんは?!貴方付き合い長いんですから!!!!!」

🍶「部屋片付いてへんもん!ボロカス言われるに決まっとる!!」

💉「じゃあ、僕が預かるよ」

🧣「ひっっ…」

☀️「た、たかはし先生?!」

💉「荊棘から面白いことになってるって聞いてね」


たかはしが登場した瞬間学園長の後ろに隠れる飯綱。学生時代からたかはし恐怖症はあったらしい


💉「ほら、おいで〜秦中くん」

🧣「えっと…、が、学園長に泊めてもらうから…」

💉「嘘はよくないなぁ〜…」

🧣「ひっく…」

🎭「…はぁ。私が預かります。なので、あまり虐めないであげてください」


たかはしと飯綱の間に挟まれ続け、学園長は折れた。本心は、やっぱり心配なのだ


💉「えぇ〜…じゃあさ、ちょぉぉ〜〜っっとだけ血頂戴」

🧣「〜〜〜?!」

🎭「明くん!! 」

その後20分にも及ぶ口論の末、学園長に預けられた飯綱。翌日、飯綱はしっかり戻った。戻ったが、学園長と全く同じ服装であった。というのも、飯綱が元に戻った時の服を考えていなかった。なので、とりあえず学園長の服を貸したそうだ。学園長が親切…!と感激し、動揺した晴明と凛太郎は学園長に制裁を喰らった。2人は、17歳の飯綱が学園長宅で何をさせられていたのかに気づいていないが、学園長が服を貸すくらいのことはさせられたということ。飯綱は飯綱で、前日の記憶がない。気づいたら、裸で学園長宅にいたのだ。人生の終わりに直面していた飯綱の気苦労を、他の3人は知らない

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