君の背骨に棲みたい

※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。

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〈File97：なるべく苦しんで、できれば地獄に落ちて〉

「君のお父さんの死因は事故ではなく、もっと前に受けた損傷による硬膜外血腫だったんだ。奥村先生は誰も殺していない」

首を縦にも横にも触れず、じっと智世の目の奥を覗いていた。

父がどこかで頭を打っていたことを、娘の私でさえ知らない。

けれど、私が心配するから父はなにも言わなかったのだと思うことができた。

智世がそういう目をしている。

「先生は事故の衝撃で気を失ったんでしょう。それがどのくらいの時間かはわかりませんが、夜間は時間の経過がわかりにくいですからね。そして頸椎の骨折を死因と思い、早とちりしてしまった」

言葉の端々は智世の手と同じほど震えていた。

座り込み、俯いた奥村先生の肩も。

「隠蔽のために、先生は遺体を自分の＊＊＊＊＊＊

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