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あなたは、例えば自分が、他の人より劣っていた時、それでいて大切な人ができた時、それを、治したい、克服したいと思いますか?
たとえ、それが一生モノだとしても?
(rtさんの口調よく分かってないので、rtさんの皮を被った人だと思って見ていただけると幸いです)
コンビニ前
rt「あ”ー…ねむ…」ふぁあ(あくび)…
rt「コンビニ寄って、なんか買うかー」
rt「、?あれ、コンビニ前で誰かなんか、……探してる?」
少し前
男性客 ドンッ(人とぶつかる)
男性客「、あ…」
ぶつかった女性客「ちょっと、どこ見て歩いてんのよ、…謝りもしないなんて、最低ね」
そういって、ぶつかった女性客はスタスタとコンビニの中に入ってしまった
……謝るべき、だっただろうか?残念ながら早口(ということにしておく)だったので、聞き取れ無かった
しかし、ぶつかった拍子に、耳に着けていたイヤホン(に見える)を落としていまい、コンビニ前であたふたする事になってしまう。
さっさと見つけて、家に帰ろ……やっぱり外に出るとろくな事にならない
rt「あのー、何探してるんですかー?」
男性「……」
俺が話しかけても、探し物をする男は、こちらを向かなかった。聞こえてなかったかな…
rt「あのー!」
今度は少し強く呼びかけてみながら、肩に手をかけようとしてみる
すると、俺が動こうとした影で近くに誰かいる事を理解したのか、やっと動きが止まりこちらを向いた
男性「あ、…え、、と…ん……」
男性「……((俯く」
スタスタ((端に寄る
rt「?あの…」
なんだ、この人…今、話そうとしてたのに…なんで端に寄ったの?……もしかして、話す価値ないって思われた?邪魔しちゃったかな……いや、違う、多分、この人、!
rt『あの、なにか探してますか?』
男性「、!」こくこくこく
あ、やっぱり、この人…耳触ってたからもしかしたらと思ったけど…聞こえてない
良かった、とりあえず手話は伝わったみたいだ。
手話なんて、中学の授業以来、やった事なんて微塵も無かったから伝わるか不安だったけど、覚えていて損は無かったな。
男性『耳の、補聴器が』
rt「あー、なるほどね、無くしたのか…」
rt『探すの手伝います、1人だと大変でしょ』
男性「え、…へ、?」
驚いた顔をしていたけど、無視して探すことにした
やっぱ、手話に慣れてる人って、早いな。半分分からなかった。多分もっと喋ってた。
それから一分もしないうちに
男性「!」
彼の探し物は探し物ではなくなったらしい
rt「お、見つかった?」
しかし、耳に付けようとしないので、汚れているのかと覗き込む
男性「……ぅ、…」
rt「、?付けないんですかー?」
rt「、っと……」
rt「え…?」
そこには一部分が欠けて、ヒビが入った補聴器が、彼の手の上に乗っていた
つけたことのない俺でも、壊れていると分かるそれはもう買い直すしかないと思うのだが…
彼は見つめたまま、動かないし声も発さない
どう声をかけてやろうかと気まずくなっていると
男性『ありがとう、ございました、すみませんでした』
そう彼が手話で話すと、徒歩で早足で帰っていってしまった。
大して引き止める理由も無かったのだが、……
また、ここに来たら会える、かな
それから、数日間、あのコンビニに行って見たのだが(元々毎日行っていたが)、あの人に会うことは一度もなく……
もう諦めようかと思っていた。
俺とて、どうしてあの日、1度会っただけの知り合いでもなんでもない人間をここまで気にするのか分からない。
ただ、あの日壊れた補聴器をただ悲しそうでも、苛立たしそうにも、ただただ無感情に見つめていた彼が気になった。
そして、あの時、気まずくて声をかけることも慰めるようにしてやる事もできなかった自分が、果てしなく情けなく思えたからだ。
それから、更に数日経った。
たぶん、あれから1週間くらい経ったと思う。
この数日、もしかしたら時間が違うのかもしれない
と思いわざと時間をズラしたり、暇な日は一日コンビニの周りを迷惑にウロチョロしたり、コンビニの周りも探したり……完全に不審者のような感じだったんだけど……
もしかしたら、彼はここであんな思いをしたのだから別の店に行くようにしたのかもしれないし、そもそもあまり外に出ない人なのかもしれないし、遠い場所の人なのかもしれないとも思った。
そうした考えになりつつ、今日も半分諦めた状態でまた来た訳だが……
あ、れ…?
コンビニ前、前に見たきり見かけなくなっていた茶髪に襟足を赤く染めて色落ちしかけた金髪に近い2色に分かれた長身の“彼”を見つけた。
今度は、アタフタなんてしていない。壁に寄りかかってスマホをイジり、もう片方の手でコンビニで買ったであろうおにぎりを一口食べたきりスマホに夢中になっていた
rt「あ、ぁあ……✨️」
やっと…見つけた、……
思わず1人で口角が上がるのが分かり、必死に押し殺そうとする。しかし、こんな喜びを隠し切れるものだろうか?いや、そんなことできっこない!すげえ嬉しい。
ここは、久しぶりですと声を掛けるべきだろうか?どう声を掛けよう…と恋をする乙女のように迷っていると、向こうがこちらに気付いてしまい、あ、という表情をした。
やべ、と多少思いつつ、ニヤニヤと笑っていたのは間違い無いのでとりあえず笑って手を振った。
…向こうは覚えているだろうか?手を振ったあと、密かに焦っていると、向こうも手を振り返してくれた。駆け寄ってもいいだろうか、と思うと彼が手招きをして、駆け寄ってくる。
かと思ったら、いきなりスマホ画面を見せられる
rt「おお、…さすが…!」
スマホは、メモアプリが開かれており、そこに文字が打ち込まれてた。
『この前、補聴器探してくれた人ですよね。ありがとうございました!』
とあって、俺もメモアプリを開いて
『いえいえ、最近見かけなかったですけど、あの後大丈夫でしたか?』
と入力して見せる。
きもかったかな。ヤバい奴って思われないかな。
これ言って良かったか? なーんて恋する乙女並にドキドキしてると、彼は、<ああ!>と納得した表情を見せ
『心配してくれてたんですね、大丈夫でした。』
『あの後すぐ、店に行っても直すのは無理だって言われたので新しく買い直したら、使い慣れなくて慣れる為に家に居たんです。』
と言ってくれたので、良かったと安堵の息をついた。
そのまま少し話をして、流れ的に名前を聞くことになった
rt『名前ですか?』
男性『はい、あ、俺は
ky
って言います』
そう言って笑ってみせた。
気持ちのいい人だと思いつつ俺も
rt『俺はrtrtって言います。rtって気軽に呼んでください』
と、返した。
すると、彼は
ky『rtさんって呼びますね』
……やっぱこの人いい人すぎる…。なんか人懐っこい大型犬みたいだ。
そうしてまた少しやり取りをしてスマホ画面を互いに見せあっていると、彼が
ky『良かったら、連絡先交換しませんか?』
…え、?いやいや、…え?wまさか、そっちからそう来るとは…。
まあ、ずっとメモアプリで見せ合い続けるのも疲れるしな、互いに画面を見て話す方が楽だ。
rt『良いですよ』
そういって連絡先を教えあい、今日の所は家に帰ることにした。
帰り際、今日も彼は、徒歩で帰って行った。
…さて、俺も今日は帰ろ…
翌日、俺は朝起きたら、少し体がだるかった。
とりあえず熱だ、熱測ろう
ピピピッ((体温計の音
うわ……まじか、
38.7
と表示された俺の体温…。
見なかった事にしようかな、……うん、、…むりだな、
頭痛くなってきた…最悪だ。
何故だ、昨日はコンビニ寄ってそのあとちょっとだけ外で友達と遊んだだけなのに…!
まあ、この気温の中(約37℃)ガリ〇リ君齧って外ほっつき歩いて汗だらだらに流して拭かずにエアコン効いた部屋に戻れば風邪の一つや二つ引くか…?
仕方ない…頭痛薬飲んで、今日は寝てよ……。
昨日買ったやつ、まだあるよな、行くはめになんなくてよかったー…
ピコッ((通知音
あれ、今日遊ぶ予定してた奴いたっけ
rt「ん…、んん、?誰、……」
ky『おはようございます、今日も頑張ろ』
rt「ん”………ふへ、っ…」
人からこんなにも嬉しいメッセージを貰ったの、いつぶりだろ…
…さーて!こうしちゃいられない!今日も頑張ないとー!!!
とは言え、…外に出られる体調じゃない…泣
さすがに、熱さ〇シートなんて常備してるわけない。マジでなんも喉通らないし、…食欲無さすぎだから、ポ〇リとゼリーくらいは買ってくるか…家でないようにしてたのに…
いつものコンビニ前
あーあ、今日はさすがに居ないかー…さっさと治そ……
マジでフラフラするぅ…
あ、れ……あそこ、kyくん…?
俺がこの光景の後目にする事になるのは、……。