コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠️本編の前にご注意下さい⚠️
前作の執着心に引き続き、
こちらは星崎視点となりますので、
R描写が含まれてます。
苦手な方はご遠慮ください。
では本編へどうぞ。
星崎視点
「ちょっと橘さんきてもらえる?」
え?
なんか凄い怒ってる?
何で?
理由がわからない。
体調不良を隠していたからだろうか。
それとも迷惑をかけたからだろうか。
怒らせてしまったのは僕のせいだろうか。
何故か一触即発で橘さんに掴みかかりそうな雰囲気を、
隠そうともしない藤澤さんが怖い。
そのまま黙って連れていかれるのを見守るしかできなかった。
本当に何で?
どうしよう?
喧嘩に発展しないかな?
僕は不安でいっぱいだった。
無意識でぎゅっとシーツを掴む。
その手は情けないほどに震えていた。
大丈夫⋯だよね?
二人がどんな話をするのか、
話が大きくならないかなど、
気になって仕方なかった。
もしも言い争いになれば、
僕が割って入った方がいいのだろうか。
(止められるかな?)
そんなことを考えていると、
話がついたのか藤澤さんが戻ってきた。
ビクッ
え?
もう戻ってきた?
時間にしてわずか数分のことだった。
それほど揉めなかったということなのだろうか。
そう言えば先ほどよりも表情が柔らかくなっていた。
それでも彼が怒った理由がわからないため、
それとなく探りを入れてみる。
「ふ⋯藤澤さん。
勝手にベッド占領してやっぱり怒ってますよね?」
藤澤さんが「何を言っているんだ?」と言わんばかりにキョトンとした。
あれ?
ベッドの件じゃないのか。
じゃあ何?
やっぱりわからないな。
ベッドでも橘さんのことも関係ないなら、
一体何だろう。
僕の問いかけに藤澤さんが反応しないこともあり、
やっぱりここに長居するのはよくない気がして、
僕はベッドから完全に降りた。
「今日はすいませんでした。
お疲れ様です」
そのまま出て行こうとしたが、
彼は慌てた様子で僕の肩を抱く。
え?
何で?
と思ったらもう彼によって唇を塞がれていた。
どうして急にそんなことをしたのだろうか。
彼がわからない。
わからなくてまるでここにいるのが、
僕の知らない藤澤さんみたいで少し怖い。
でもまたあの甘い匂いが漂う。
啄むようなキスから卑猥な水音がするほど深いキスに変わると、
僕は彼の行為を受け入れていた。
ああ、
多分あれだ。
寝つきの悪い子供を寝かしつけるためだろう。
そこに愛情や深い意味なんて含まれてなんかいない。
彼にキスをされて嬉しいはずなのに、
心は反対に虚しくなる。
(愛情のないキスは満たされないって本当なんだな)
「ふ⋯⋯ん、
んぁっ!」
キスだけなのに恥ずかしいほどの変な声が漏れる。
らしくない甲高い声がやけに響いた。
着崩れるくらい乱れた服、
涙を溜め込んだ目元、
真っ赤になった顔と耳、
貪られるその動きに答えようとする拙い舌、
快楽と恥じらいで震える体、
心は満たされずとも体は馬鹿正直に反応するような、
こんなにも格好悪いところを藤澤さんに見られるなんて、
言いようのない恥ずかしさでいっぱいだった。
その恥じらいを彼に勘付かれたくなくて、
ギュウウっと彼の肩に回した腕に力を込めた。
まさかキス一つで足がガクガクと震えるとか、
彼に出会って初めて知った。
立てなくなりそうで、
膝から崩れ落ちないにように、
しがみついているのが彼にも伝わったのか、
彼は僕に体重をかけてベッドに押し倒した。
もう僕に抵抗する力はなくされるがままだ。
その先何をされるかなんて、
いくら鈍感とばかり言われる僕でさえ想像はついた。
藤澤さんが少しずつ僕の服をはだけさけていく。
どこまでも優しい手つきと、
色気を孕んだ彼の視線に耐えかねて、
僕は顔を背けて目を合わせられなかった。
いきなり彼が首筋に吸い付く。
「あぁっ!?
や⋯なに!」
本当に自分の声か?などと疑いたくなるような嬌声と、
焦った表情で僕はおもわず縋るような視線を彼に向ける。
恋人や特別な人を見るような、
優しい微笑みを浮かべた彼と目が合う。
その目を僕だけに向けてほしい。
今この瞬間だけでいいから。
「ごめん」
あれ?
首を吸われた時は少しチリッと痛んだが、
今は何ともない。
一体彼は僕に何をしたのだろうか。
それにどうして謝られた?
彼は何も悪いことなんてしていないのに。
深瀬さん「ごめん」ってどういう意味ですか?
そんなことを考えていると、
彼がズボンに手をかけたため、
まだ続くのかと僕は震えていた。
嫌なわけではないが、
これからの行為に怯えているのは自分でも気づいた。
無理に脱がせることはしないで、
下着の中に這わせるように彼が手を入れた。
「ふっ、
藤澤さん!?」
「痛くしないから僕に委ねて?」
その言葉を大人しく信じて、
僕はコクコクと頷く。
ゆっくりと彼の中に指を入れる。
その瞬間に彼の体がビクリと反応したが、
彼の手つきはとても繊細で優しかったこともあり、
確かに痛みを感じることは全くなかった。
彼はさらに指を動かし続けた。
「や、
あ⋯あぁっ!
んっ、
く!」
僕自身の卑らしい声で驚いて、
喘ぎながら途中から手で口元を押さえて、
眉間に皺を寄せつつ、
僕はそれ以上は変な声が出ないようにおさえていた。
こんな変な声で幻滅されたくない。
藤澤さんは優しいからきっと、
直接的に「幻滅した」とは思っても言わないだろう。
「今日はここまでにしようか」
「今日、
は⋯って何?」
何でこんな中途半端にやめるの?
やっぱり僕の声が気持ち悪かったから?
それならどうして僕に触れたの?
もしかして欲求不満だから誰でもよかった?
他の人にもこんなことしてるの?
疑問だけが浮かんで、
悲しいはずなのに涙すら出てこない。
もういっそ彼のいない世界で静かな眠りにつきたいとさえ思った。
雫騎の雑談コーナー
はい!
藤澤さん→キスはその場に引き止めるためで、行為は星崎が好きで抱きたかったから。
それに対して星崎はどう受け取ったか?
星崎→キスは寝付けない相手をあやすためで、行為は欲求不満で誰でもよかったから。
と言った具合にまた鈍感コンビがそれは派手にすれ違ってしまうんですね。
こんなに大きなすれ違い方ありますか?ってくらいに全然伝わってないというね。
これもね多分「君に届くように」と同じくらいの長編になるでしょう。
なんせまだ付き合ってないですからね。
この二人は!
てことでー本編行きまっせーい!
藤澤さんの嫉妬に気づかない星崎は、
彼らのマネージャーである橘さんと、
喧嘩をしてしまうのではないかと心配するほどです。
さらに藤澤さんが怒った理由がわからずに戸惑う星崎。
そのタイミングでのキスだったために、
余計に混乱するんですね。
だからこそキスの意味を取り違えてしまう。
これがすれ違い要因の一つですね。
藤澤さんの優しさがあるから行為もすんなりと受け入れられたんです。
ただね、
藤澤さんの「ごめん」は急にこんなことして、
段階を踏まなくて悪いねって意味なんですが、
星崎はこれを「本気じゃなくてごめんね」と解釈してしまって、
さらに大きくすれ違うんです。
次回は一体どうなることやら。
お楽しみに〜♪