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ねぇねぇアーサー
「なんだ?」
お腹の子、結局誰なの?
「さぁな」
気にならないの? もう4ヶ月になるよ?
「あぁ4ヶ月。あと半年ちょっと隠し通せばいけるだろうよ。誰にも心配はかけねぇから」
でもいつかバレちゃうよ
「ああ」
「おはようございます。アーサーさん」
「、、、あぁおはよう」
1月の世界会議は各国の予定混入により中止になって次の月、2月の世界会議の前日菊が訪ねてきた。
「具合はどうでしょうか?」
「変わんねぇな。座っとくなら3時間が精一杯だ」
「とりあえず明日に向けて今日は無理には動かないようにしておきましょう。エドワードさんから聞きましたよ?最近ガーデンへよく行くそうですね」
「落ち着くんだそれくらい良いだろ」
「無理なさらなければそれでよろしいです」
声を荒らげることも無くたんたんと会話が弾んでいく。しかし、苦痛ではなくむしろ安心する。
「先程、ボヌフォワさんを見ました。」「は?」
「撒いてきましたが、そろそろ限界そうですね」
「き、菊それって」 何か持ってなかったか?
こういうときに来るアイツは何かしら武器を持ってくる。長い間連れ添ってくるとそう思える。
「、、、いいえ。何も持っていらしてませんでした。むしろ服装が散歩できたようなもので」
はて、という顔で悩んでいる菊と裏腹に自らの顔が青ざめていくのを感じた。きっと襲いに来る訳ではないと思うが、これは本気で問い詰めようとしてくる態度だ。スーツでくるなら誰でも警戒するが、逆にゆったりしているとゆるんでしまう。
それを利用してこちらへ向かってくる。
「菊今日泊まってけ」「え!?」「いいから!」
世界会議開始5分前
いつもは空席の多い時間帯が今日はほぼ埋まっている。ルートヴィヒも不思議そうな顔をする。
「フェリシアーノまでいるとは、今日の天気は最悪になるのではないか?」「ひどいやルーイ!」
「揃ってんのなら始めようじゃないか!」
「でも一応出席はとっておくぞ。」
1人ずつ名を呼んでいき、確認していく。
「アントーニョ・ヘルナンデス」「おるでぇ」
「フランシス・ボヌフォワ」「はぁい」
「アーサー・カークランド」「」
場内がシンと静まり返る。
「あれ?アーサーおらんの?」「アーサー?いないのか?」 ザワザワとしだす。そこに一声が通る。
「こっちの小国もいねぇある」
中国の化身、王耀がスっと応える。それを皮切りに一気にワッと会場が盛り上がる。
「嘘やぁんまじで!?アーサーあの子と、」
「菊さん、ついに手を、、、」
「し、静かに!2人にも事情があるかもしれないからそんなことは」
キィとゆっくりドアが開く。
そこからはアーサーと菊、2人がキャッキャと楽しそうに喋りながら出てくる。菊が会場内の静けさを感じ取り、黙る。それにアーサーはキョトンとしてルートヴィヒの方向に顔を向ける。
「すまない、遅れたか?」
「い、いやぴったりぐらいだ。もう始めるから席についてくれ」
「じゃあな」「はい」
トコトコと歩いてアジアの席へ向かう菊
スっと席に座り資料を読み始めるアーサー
国の化身の目線は2人にしか向かなかった
パンパンと手を叩く音がして全員が一斉に前を向く。そこにはアルフレッドがいた。
「ほらみんな!もう集まっただろ!会議始めるよ」
休憩時間
席を立とうとすると右手首を掴まれた。
フランシスだ
「なんだよ」 「どこにいくんだい」 「どこでもいいだろ」
「ほっといてくれよ」
ガッと掴む力が強くなる。
「いっ、つ」
フランスシスがスっと立ち上がり手を掴んだまま廊下へと出ていく。
「お、おい!フランス!」
ズカズカと歩きながら2人の言い合いは続く。
「なんだよ急に!」 「こうされても分からないんだ?本当に坊ちゃんになったんだね」
「なんだと?」 「、、、アーサー」
手を掴まれたまま壁に押し付けられる
「俺に隠し事してるだろ?」
「は?」
「何年も何百年もああいう関係を俺と続けておきながら?菊ちゃんとお熱いんだね」
「なに、言ってるんだお前」
「あぁそうだね、俺は、、、」
こう言い寄られたのはいつぶりだろうか
2回目なのは覚えているが1回目が思い出せない
「、、俺のなにがいけなかった?俺なんかした?」
「手を離せフランシス。」
「手を離したら君の口は開いてくれるかい?」
「、、、分からない」
「そんなに俺に秘密事したいんだ?」
「言えないだけだ」
ずっとフランシスの目を見つけて喋ることで分かった。フランシスは常に目が移ろいでいた。時折下を見たり、手が震えていたり。
「フランシス。俺は臆病だ。」
「あぁそうだね何百年も見てたら分かるよ」
「そうじゃない。喋る勇気がないんだ」
スっとフランスの力が弱くなる。それをチャンスに逆に手首を掴む。
「いつか、言うから。絶対。」
「絶対?お前が守れるか?」
「信じろよ」
沈黙が続いた時、スマホがなった。ポルトガルからだった。
「あ、アーサー!?お前どこにおるん?もうちょっとで休憩終わるで?フランシスもおらんしさぁ。」
「すまない。少し一服していて」
「______は?ちょルートヴィヒ!止めろや!」
「は?どうしたんだ?」
「今アルフレッドがお前ら探しにいった!」
「はぁ!?なんでだよ!」「知らんよ!」
電話越しでもあっちがゴタゴタしているのが伝わってくる。
「菊もオランダの野郎もおらへんねん!今日どないしたんお前ら!!!」
「いや、別に、、、」
チラっとフランシスの顔を見るとバツが悪そうにそっぽを向く。それになんとなく苛立ちを覚えてスタスタと会場へ向かう。それに急ぐようにフランシスも着いてくる。
「俺はすぐに帰る。アメリカとバッタリなんて最悪だ。」「そりゃな。1回切るで」「おう」
切ったと同時に吐き気を催し、廊下で蹲る。
「は!?どうした!?」
バレる。バレてしまう。誰か
「あ!二人とも見つけたぞ!」
明るい声がいっぱいに広がり響く。
「あ、アルフレッド」「えなにこれ」
空気が最高に悪いがアルフレッドはフランシスへ向かっていった。
「とにかく、帰るんだぞ☆」
次の瞬間、フランシスの腹に一発仕留めた。フランシスはその衝撃で吹っ飛ばされ気を失っている
「あ、あ、アルフレッド!?何してるお前!」
「いやーこうしたほうがいいと思って。ほら、君も!」
自分にも一発くるかと思い、お腹を隠した。しかし、現実は違ってアルフレッドはフランシスをおんぶしてアーサーを脇に抱える。
「は?、、、はぁ!?なにしてんの?!」
「このほうが速いだろ!」「お、お前なぁ」
吐き気をグッと我慢しながら会場へ高スピードで到着すると抱えられたまま席へ運ばれた。
気を失ったフランシスにアントーニョやポルトガルが驚愕しながら自らもはははという思いで見ているとそっと耳打ちされた。
「このあと、予定あけておいてね」
見渡していると前には今から会議を進めてくれるであろうオランダがいて資料を見ている菊がいた。2人もいつの間にか会場に戻っていた。
会議終了後
アルフレッドが物凄いスピードで近づいてきた。
「ほら!行くんだぞ!」「ちょ、アル」
「アルフレッドさん。申しわけありません」
「菊」
アルフレッドのスーツの裾を引っ張って菊が呼び寄せる。
「今日の会議遅れてしまいまして、誠に申し訳ございませんでした。」
「え?いやいやそんなこと全然気にしてないぞ!」
「実は会議後アーサーさんと予定を組んでたのです。私しばらく有給消費のため休まなくてはならなくて。」
「え?予定組んでたのかい君?」「あ、あぁ」
「また今度、アーサーさんとゆっくりお話してください。」「むぅ、分かったよ」
さっさと建物から出てきて車へ乗り込む。
「すまない、助かったよ」「いえ」
フーっと一息つくと菊があのと言い出す
「どうした?」
「、、、、いえ、なんでもありません。気にしないでください」