ゴンッと鈍い音が聞こえて起きた。つぼ浦どこだ…とぼんやりした視界の中手探りで探すがいない。起き上がると床でうずくまっているのを見つけた。
「つぼ浦!?どうした?」
「別にどうもしてない…い゛ってぇ…」
「ベッドから落ちた?お前そんなに寝相悪くないだろ。」
「俺がそんなダサい真似…いやこれもダサいか。アオセンもっかい寝ててくれ、んでこの事は忘れてくれ。」
「なにゴチャゴチャ言ってんのwほら起きな。」
「あっちょっとまっ…いっっでえぇー!!」
「は!?どこ痛い!?怪我した?」
「身体中…腰が1番痛い…」
「俺のせいじゃんごめん、ゆっくり動ける?」
トイレに行こうと立ったが急に激痛が走り膝から崩れ落ちてしまったつぼ浦。自分の情けなさに気を落としながら恥を忍んで青井に手を伸ばした。
「あー…あざす、トイレ行ってくる。」
「大丈夫?ついてこうか?」
「…本気じゃないすよね?はぁー、いてぇな…」
腰を擦りながら重い足取りで部屋を出ていく。戻ってくるとゆっくり、そろりそろりと広げて待っていた青井の腕の中に入った。
「ん、ふははっwwそんな慎重にw」
「わ、らうなっ!//」
「ごめん可愛くて我慢できなかったw」
「可愛いって言っとけば何でも許されると思ってんだろ?こんな全身痛くなるなんて聞いてねぇよ…」
「いやそんな事無いよ、ごめんて。全身痛いのは重症だな、その体勢が楽?」
「んー…たぶん。はあ゛ぁぁーこんなとこアオセンに見せたくなかった。」
「なんでよ、俺がつぼ浦に幻滅するとでも思ってる?」
「かっこ悪ぃし情けねーだろ、俺が嫌なの。」
つぼ浦の腰を擦ったり軽く叩いたりすると度々うぅ…と小さな唸り声が聞こえる。
「無理させすぎたな、ごめん。あ、マッサージする?」
「いやいっすよ、そこまでしなくて。」
「遠慮すんなって、労らせてくれ。昨日あんなに頑張ってくれたんだから。」
反対を向こうとしたのを半ば無理やりうつ伏せに寝かせて背中に跨った。
「上からやってくよ、首筋とか肩は痛い?」
「ちょっと痛いかな…うぁーきもちぃ…」
「力加減平気?痛かったら言って。つぼ浦普段は筋肉痛とかなんないよね?若いし鍛えてるし。」
「んーまぁそっすね。でも最近筋トレもしてなかったからな。」
「それもあると思うけどやっぱり無理しすぎたんだよ、仕事したのも久しぶりだったし疲れてただろ。」
「…まぁでも全部俺のワガママ聞いてもらった結果だし…い゛っ!」
「ごめん痛かった?」
「いや、痛気持ち良い…う゛ー…はぁ…」
見よう見まねでやっているが効いているようでホッとした。腕、背中、腰と時間をかけて進めていく。
「ねぇ聞いて良い?」
「なんすか?」
「昨日どうだった?」
「どう…どうって?」
「痛かったし辛かったでしょ。今も身体中ボロボロだし。もうやりたくなかったらちゃんと教えて。」
「…言ったじゃないすか、良かったって。」
「その良かったってのは本心?それとも俺に気遣って言ってる?」
「なんでそんな疑ってんの?」
「だって俺の為に無理して元気に振舞ってたのは誰よ。」
「…あーそれは…その、なんて言えばいーんだ……今もそうだけど、アオセンが俺のことすげぇ想ってくれて、大事にしてくれてんのが改めて分かって…それが1番嬉しかった…///」
だんだん声が小さくなっていき言い終わると同時に枕に顔を埋めた。息苦しくなり穏やかだった背中の膨らみが大きくなる。
「俺もつぼ浦が俺のこと想ってくれて気遣ったり頑張ってくれるの嬉しいよ。やりすぎは良くないけどね。…じゃあこれからもやってくれるって事?」
「じゃあやりすぎだと思ったら止めてくれ。…まぁきもちよか、ったし…///」
「止めてもヤダヤダ言うのがお前だろwありがと、ゆっくりやってこうな。……どう?ちょっとは楽になった?」
「うん、すげぇ身体軽くなった。あざす。」
「全身変に力入っちゃってたんだろうな。これから慣れてこう。苦しいだろ、そろそろ顔上げたら?w」
「…ヤダ、今の顔アオセンに見せたくねぇ…」
「そう言われると余計気になるんですけど?ほらこっち向いて。」
赤く染まる頬を撫でると目を逸らしながらも手にすり寄ってくる。唇を重ねてから抱き寄せた。
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