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「部屋の中の物は勝手に使え、じゃあな」
会長は踵を返し去っていく。
あっかんべー😜してやんよ
姿勢が正しくスタスタ歩きやがって、去りゆく姿すらいけすかねぇ〜
「うしっ部屋入ってみっか」
ドアから入ろうとしたら、斜め掛けしたボストンバッグが突っかかり入れない。
「おいドア小さすぎだろコラァ」
仕方ないから手に持って縦にして室内に入った。
「うわぁ」
なんか全部高そうな家具ばっかり
扉を開けた瞬間、視界いっぱいに広がったのは、深紅に染め上げられた優美な世界だった。壁は濃いワインレッドのダマスク模様で覆われ、金のレリーフが光を受けて妖しく輝いている。
シャンデリアのクリスタルが揺れるたび、琥珀色の光が壁に散り、室内はまるで劇場のような艷やかさを帯びていた。
キングサイズのベッドは、重圧な天蓋に深紅のベルベットが垂れ下がり、まるで劇場の幕のようで、純白のリネンの対比が鮮やかだった。
ソファやチェア、ドレッサーまでも曲線を描く猫脚デザイン、この部屋にはなんとバスルームまであった。
ホテルのスイートルームみたいだ。
ボストンバックを適当に端に下ろすと真っ先にバッドへ向かった。
キングサイズのベッドに飛び込むとボフンと音が鳴り、体が沈んだ。
寝返りを打って大の字になる。
こんなに可愛い部屋オレになんか似合わないだろう
でも、こんな感じの大好きなんだ、漫画に出てきそうなお嬢様のお部屋、まじ憧れ可愛いもん♥️
やべっ、ついつい妄想しちまうところだった。妄想したら止まらなくなって、気付いたらつい時間経っちゃうんだよな。
まずは飯だ!
食堂は…何処だ? そーいや聞いてねーっ
とりあえず出て適当に歩いてれば着くだろ。
部屋に鍵掛けて
カチャ
オレがバカでした。
はいバカでした。
何処だよ食堂は、さっきから同じ道歩いているみたいで、【無限ループ】してる。何ここ異世界か!?
まさかオレは異世界転生してしまったのか
オレはそこに飛ばされた主人公に選ばれてしまったのかー、そうかそうか納得だ、それなら仕方がない。
ドンッ
「うおっ」突然衝撃が走る
「てめぇ突っ立ってんじゃねぇーよ」
振り向くと、ポケットに手をつっ込んだまま、メンチ切ってくる野郎がいた。
ついカッとなって、野郎に言い返す。
「あんコラァヤんのかてめぇ〜」
オレは、売られた喧嘩は全部買う!!
「やめてください」
鶴の一声で、拳を振り上げ今にも、殴り掛かって来そうな野郎の拳がピタリと止まった。
「お怪我はありませんか」
野郎の背後からふいに姿を現した男が、心配そうに駆け寄ってきた。
「あぁ…大丈夫」
「良かったです」
オレには胸に手を置いて瞳を閉じホッとした様子を見せつつ、
隣の野郎に向くとキッとして叱りつける。
「こちらが先にぶつかってしまったのですから、謝りなさい」
不満げな表示だったが、野郎は言う事を聞いて
「すまん」
一言謝って来た。
「べっ別にもういいって、あっそうだ聞きてぇー事あんだけどよー【食堂】どっか知らね?」
ついでに、聞いてみたら親切な人は丁寧に、説明してくれた。
「それなら右に曲った先にあります」
「右に曲った先っすね。ありがと助かったぜ、じゃっ」
「いいえお気を付けて下さいね」
ニコリと笑い、手を振って見送ってくれた。
野郎は最悪だけど親切な人は、めっちゃいいヤツじゃねぇーかと、この時は素直に思ってしまっていた。
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