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1 - 赫茈 あの夏が飽和する

♥

24

2025年05月19日

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sxfn 曲パロです


なつといるま

『あの夏が飽和する』

死ネタ、ハッピーエンド△、下手

解釈違いあるかもしれないです

1









2

















7






「よう…..な、なあ」

と不安げな声でずぶ濡れのまま言ってきたのは俺の親友の夏。

本名は、暇四 夏(ひまし なつ )

「おん、なんだ?」

急にやって来た君に驚きつつも、そう聞き返す。

「 昨日….昨日人を殺したんだ、俺」

本当に泣きそうな顔と声で言われ、驚く俺。

「えっ….」

「あ、あのな..!こ、殺したのは、と、隣の…席の…いつも虐めてきてたあの…なんだ?あの女」

「もう、もう嫌になって…肩を突き飛ばしたら….う、打ちどころが悪かったんだ 」

俺は何も言えなかった。親友が、人を殺したなんて。でもこう言えて良かったと思う。

「もう、ここには居られねぇと思うし…どっか遠いとこで死んでくるわ…笑」

そんな君に俺は言った

「お、それじゃ俺も連れてけよ」

「えっ」


「おい、夏ー必要なものは?」

と俺は聞いた

「えっと、財布とナイフと携帯とか?ゲームもも持ってこうぜ!」

先程とは打って変わって元気になった夏は浮かれてるよう。…可愛いかと思った。

「お、いいな」

「そうだ、要らないもん全部壊してこうぜ、この世に俺らがいた証拠は消そう」

俺はいいことを思いついたと言いたげな浮かれた声で聞いた。

「お、いいじゃねえか!この写真も、この日記ももう今となっちゃ要らねぇもんな!どっちがぐちゃぐちゃに出来るか勝負しようぜ」

君は俺の言ったことをすごく嬉しそうな声色でとんでもねぇことを持ち掛けてきた。

「おぉ、やるか!じゃあ俺は日記壊す!」

「じゃあ俺は写真!…って俺の方が不利じゃね!?」

ノリが凄くいい君に、俺は笑ってしまった。

「ふっ、ようやく気づいたかもう遅い!」

ガッシャーン

「うわぁぁまけたぁぁあ」

そのあと俺と夏は一黙置いて

「「あっはははは!!」」

と、俺と夏は哄笑した。

「ふぅ…..ま、まあ、こんぐらいか?」

と笑い疲れた様子の夏が言ってきた。

「そ、そうだな、いくか!」

俺も笑い疲れて呼吸が荒い。

「….ふぅ」

「人殺しとダメ人間のお前と俺の旅だ、楽しめよ」

と今までの懺悔を含めた言葉を発した。

「…おう、全力で楽しむぜ」

一瞬沈んでいた表情が直ぐに明るくなり、そう言った。

そして俺らは逃げ出した。 この狭い狭いこの世界から。

「…らんたちは、置いてきて良かったかな」

寂しげな声でそう問いかけてきた君に俺は

「いいんだよ、全部捨てていくって決めたろ? 」

「男ならシャキッとするんだよ!」

俺は鼓舞する気持ちでそう言った。

「…おう!俺はお前と二人で行くって決めたんだ!最後までやるさ! 」

其れが伝わったようで、君は明るくなった。

「遠いとこまで行こうぜ、どこまでも遠いくて誰もいないとこまで」

急に雰囲気を変えてきたもんだから、びっくりしたが俺は

「あぁ、そこで2人で死のうな 」

(もう、この世界に価値なんてねえよ)

「人殺しなんてそこらじゅう湧いとるやん」

俺は我慢できずにこの声を漏らしてしまった。

「…」

「夏は何も悪くねえよ」

と極小さい声で呟いた。

「…夏は何も悪くねえよ」

「…さっ!いこーぜ!こんな人がいっぱいいるとこ、よってきたzオロロロ」

タッタッタッタッ

君は多分、ネタで言ったんだろうが、そんなことをする君が愛おしくてたまらなかった。

「ま、待てよ!笑」

俺は戱笑した。


「…結局さ俺を心から愛してくれたのはお前だけだったよ」

そう言って君は儚く笑った。

「俺も、お前だけだった」

一瞬の沈黙のあと、

「そんなさ、嫌な共通点で俺らは仲良くなったよな…苦笑」

きっとこのときはもう心からの笑みは見られなかった。

「今じゃ大親友だがな!」

俺は励ますつもりで言った。

「…そうだな」

「…?」

なんで君が沈んでいたのか、分からないまま。

(…あ、そうだ)

ギュッ

「…!?/////」

「な、なんだよ!?////」

君は凄く照れてたな。可愛かったぞ。

「え、あ、ごめん…?」

疑問形で謝った俺に不満気な君。

「なんで疑問形なんだよ!?」

(でも、もう震えも何もなさそうだな、よかった…もう、あの女にも、らんにも、すちにも、みことにも、こさめにも縛られねぇ)

「おー!この線路なっげぇな!」

凄くはしゃいでいる様子。

「な、長ぇ…うへぇここ歩くんか」

俺と君で線路の上を歩いた。


「うーん…そろそろ金なくなってきたな…」

顔が険しいな笑

「お、じゃあやっちゃう?盗み」

「…!?…や、やるか!あいつとか金持ってそうだぜ!」

一瞬驚いた様子の君は、ノリノリである。

「じゃあ、俺が盗るから、お前も着いてこいよ」

「えっお前が盗るのか!?俺も盗りたいー!」

君は赤子のような駄々をこねた。内容が駄々じゃすまないけど。

「夏運動苦手だろ、精一杯着いてこいよ」

そう言いい、俺は駆けだした。

「あはっ、もうおれら何処でも行けるな!」

そう言って君は微笑した。俺も、君とならどこでも行けるって思ってた

「嗚呼、もう怖いものなんてない」

「…その通りだ、もうなにも怖くない」


(額の汗も…君の落ちたヘアピンももう )

「今となっちゃどうでもいいだろ!」

君は俺の思考を見透かして言った。

「あぶれ者の小さな逃避行の旅だろ? 」

「そうだな」

夜、公園にて

「いつか夢見たらんみたいな優しくて誰にでも好かれる主人公ならさ。汚くなった俺たちも見捨てずにちゃんと救ってくれるんかな」

「…!」

「そんな夢なら捨てた、だって現実見ろ、シアワセの文字はなかっただろ?今までの人生で思い知ったやん」

その答えを聞いた君は悲しそうな顔を浮かべて黙った。俺は続けて

「自分は、自分だけは悪くねぇと誰もが思ってる」

「…そうだな」


宛もなく彷徨う蝉の群れに。みずもなくなり揺れだす視界に。迫り来る鬼たちの怒号に。

{おい!待て!なつ!いるま!}

{まっ、待って!なっちゃん!いるまちゃん!}

「あー!もう死にそう!笑水ねぇとつれーな!」

「あぁ、もう何も考えれんわ!笑」

__ふと君はナイフを持った

「….入間が今までそばに居たからここまで来れたんだ」

澄んだ、澄み切った綺麗な顔で君が言う。

「え」

「….だからもういいぜ…もういいよ」

{待て!早まるな!}

スチャ

「死ぬのは俺1人でいいよ」

「……ハッなつ!待て!」



「….な…つ?」

そして、君は首を切った。何かの映画かと勘違いするほど感覚が遠い。

まるで白昼夢を見ている気がした

{いるま!もう!心配したんだよ!?どこ行ってたの!?}

{っ……な、っちゃんの後片付けすちみこ頼む}

「なつ」

{分かった}

{こさめ、入間…固まっちゃってるから運んで!車に運んで病院いこ!}

{うん!}

「嘘だ…夏そんなわけ」

君が何処にも見つからなくて。君だけは何処にも居なくて。


そしてときは過ぎた。あれから2ヶ月、俺は病院で入院している。

「入間!おはよー! 」

そういうこいつはらん。あのとき、俺たちを一番に探しに来たやつだ。

「お、はよう」

「!何処行くの?」

俺が君を探しに行くとき、いっつも聞いてくる。

「?夏を探しに行くんだよ」

「また、行くの?」

怪しげな顔で見てくるらんを見て俺にはホントに夏しかいなかったんだと再認識した。

…家族もクラスの奴らもいるのに何故か君は、君だけは何処にも居ない。

「..夏を、ずっと探してるんだ、君に言いたいことがあるんだ」

9月の終わり頃、くしゃみしてそして6月の匂いを感じる。

君の笑顔は

「いるま!!✨」

君の無邪気さは

「あっはははは!!」

「何処にいるだ、夏 」

_頭のなかを飽和している。

「はぁ、はぁ、はぁ」

「!」

そう息を切らして俺の元に来たのはらんだった

「はぁ(息吸)誰も何も悪くないよ」

真っ直ぐ俺を見つめて言うらんは、君に似た澄んだ瞳だった。

「…」

「君らは何も悪くは無いから…!」

後ろから頭が3つ出ている。スイカと灰色頭と金髪だ。

「もういいよ、なげだしてしまうおう!…って言って欲しかったんでしょう?夏に」

全てを見透かしていた、君のように俺の全てを。

「あぁ、そうだ…なあ…?夏ってもう…居ないんだよな…?」

「「「「!」」」」

「うん、そうだよ」






楽しんでいただけましたか?

感想など、下さったら幸いです。

それでは第2弾で。

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