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sxfn 曲パロ
☔️、🌸
※自己肯定感低め
ハッピーエンド
短編
君が飛び降りるのなら&君が飛び降りるのならば
1
2
7
飛び降りようとした高校生の秋頃 、そのとき
「いきなり歌い始めてごめんね!」
そういって君はバタバタと機材を設置し始めた。
「な…何してるn」
「ちょっとだけそのまま聞いててね!」
らんくん…桃崎らんが作った曲だろうか。この百戦錬磨のこさめでも聞いたことがない曲だ。
「あ…ハイ…」
「本日お伝えしたいのは!」
「とっても大事な君のこと!」
元気に歌うらんくんを見て、心が染みる。
「っ…大事…」
「出会った日は覚えてないけど!何でも知ってるつもり だよ!」
「7年前の11月とうk」
「君の長所は真面目なこと!でも厨二病が酷い」
「う”っ……いたいとこ突かれた…!」
「君が飛び降りるのならば、僕は!笑って一緒に飛び降りる!!」
驚愕。その一言に尽きる。らんくんならば、こさめがいなくてもやっていけるというのに。
「…!!」
少しニヤリと笑って
「止めてくれるとでも思ったか!」
「…思ったよ」
そして大きく笑って
「僕らの絆を見くびるか!」
「! そんなこと…いってくれるんだね」
「そして手を繋いで落ちていこう!地面目掛けてピースしよう!」
こさめに、楽しそうに手を伸ばしてきた。
すごく、楽しそうだ。今をいきている。自分と違って。
「あ、でも何か忘れてるような」
急にスンッってなるじゃん
「どうしたの?」
「あぁ!そうだ!見たいテレビがあった!やっぱり飛ぶの後でにしませんか?」
君は感情が豊かだな。スッキリしたような顔ををして、恥ずかしい様な顔をして 。…目がすごく綺麗だ。澄んでいる。
「えぇ…いいよ笑」
困惑しながらも、そう返す。
次の日。
「2番だよ!着いてきてね!」
「…え、あ、はい!」
「君に出会ってからというもの全て何だか可笑しくなった!」
可愛い顔で精一杯怒った顔を作ろうとしているのが分かる。
…こんな、俺なんかの為に作ってくれた曲が、こんな歌詞でも、心に染みる。”いつか”、恩返ししたいな。
「え…すんません?」
「占いなんて信じて無かったけど」
こっちを見て少し笑い
「え”っあれ嘘だったの!?」
「たまには良いと思えた」
「あ、よかった…一方的な押しつけになってたかとひやひやしたよ」
「変な音楽に触れて変な漫画も沢山読んで」
「変って…笑」
「気づいたら僕も君のこと笑えなくなっていた!? 」
さっきも言ったが、表情がすごく豊かだ。こさめとは違う世界で生きているのがわかる。
「笑ってたの…笑」
「君が飛び降りるのならば僕は! 君よりも先に飛び降りる! 」
「…!」
モゾモゾと何かを取り出そうとしているらんくん、なんだろう?
「説得されるとでも思ったか!」
「…」コクコク
「僕の馬鹿さを甘く見るな!」
そう言って国語のテスト5点を見せてきた。
そんな君はドヤ顔。すごく可愛い。
「笑バカじゃん笑」
「へ!?」
「…あ、見て!明日新曲らしい! 」
「って、何?あの有名ボカロPが明日新曲あげるだって!?」
「うん!上がるらしい…!」
「って、なんでこんな大事なときまでTwi○ter見てんのさ!こさめは!」
プリプリ怒っている。その反応が見たかったんだよ。
「もう!俺ら明日それ見なきゃこの世界にサヨナラできないじゃん!!」
「ふふ笑そうだね笑」
「いつかさ、僕らはナニモノか分かるかな?」
「…」
強めの風が吹く。屋上だからだろうか。
なんとも返せない自分に、嫌気が差すな。
「そんな未来は来るわけはないもんね…」
やっと、絞り出した言葉だった。こさめはそのとき、死んだ目をしてたんだろうな。
「サビ前行くよ!」
「あ、うん!」
また君は慌ただしく音楽を掛けた。
「飛び降りる前の確認事項!ガスの元栓、窓の戸締り!ハードディスクは叩き割っとく!…のは勿体なくてやめたけど!」
そりゃ勿体ない笑
「サビ!行くよ! 」
「君が飛び降りるのならば僕は笑って一緒に飛び降りる!」
手を広げ、いつでも俺のすぐ側にいていいんだよと言ってくれているようだった。
「止めてくれるとでも思ったか?僕らの絆を見くびるか!! 」
「…見くびって…ないもん…(泣) 」
「次に僕らが出会う世界でもまたこんな風になれたらいいね!」
君の顔が赤くなる。らんくんも、泣きそうなのだろう。そんな君が見せてきたスマホの画面は、某夢の国に二人で行ったときの写メ。
「っ…そうだね!(泣)」
「あ、生まれ変わったら何になるか!本で占ってみようか!」
「お、いいね!」
「こさめは玉ねぎ、俺はタイヤ」
「!?嘘!?」
「やっぱり飛ぶの今度にしませんか? 」
苦笑いで君が言う。
「…本当に飛べる日目指して」
「もうちょっとだけ一緒にいませんか?」
はにかんだ笑顔で言う君を見てもう少し、生きてみようと思った。
「…うん!ずっと!一緒だよ!」
「…!そうだね!この前できたクレープ屋いk___」
社会人三年目の梅雨。
「ん、ん、んぅ⤴︎︎︎」
「?なんっで、此処にっ…てか何してッ… 」
「(息吸)いきなり歌い始めてごめんね!ちょっとだけそのまま聞いててね!」
その日、こさめ…俺は、あの日歌ってもらった歌を、少し変えて、君との思い出を思い出しながら、歌った。
「本日お伝えしたいのは!とっても大事な君のこと!」
「…」
君は、沈黙している。きっと、この歌を何処かで聞いたことあると思って、思い出しているんだろう。
「たまには喧嘩もしてきたけど!だからこそ何でも知ってんだ!」
「…あ!あ、確かに俺もこさめのことは沢山知ってるよ!」
思い出したようだ。自殺しようとしているのに!このノリと声の明るさ。そりゃ、誰も鬱になりかけなんて気づけないだろうな。
「君の長所はマジメなこと!ただ妄想癖がひどい…」
これはマジで心から思う。こさめにどんな感情抱いてんだ…(推しオタ)
「酷い!…てかちょっと違う?」
この問に対して俺はニヤッと笑って見せた。
「(息吸)君が飛び降りるならば僕は笑って一緒に飛び降りる!」
「…!」
「止めてくれるとでも思ったか!!僕らの絆を見くびるか!」
「見くびる気なんてないよ…!」
弱々しい声で返してきた君に、少し心配になる。さっきと声色違いすぎ。だいじょぶか?
「そして手を繋いで落ちていこう!地面めがけてピースしよう!」
「…でも、そういえば何かを忘れているような…?」
君がやってくれたように”演出で”、音楽を止める。
「え、何?歌詞忘れた?」
「あぁ!そうだ!見たいテレビがあった!やっぱり飛ぶの後でにしませんか!?」
「笑…仕方ないなぁ笑」
苦笑しながらもそう言ってくれた。
「2番行くよ!」
「あ…うん!」
可愛い。
「君にであってからというもの、全てとにかくおかしくなった!占いなんて信じてなかったのに気付けばのめりこんでいた」
「え…何かごめん…」
謝らなくてもいいのに。
「変な音楽ばかりすすめて変なマンガばかり押し付けて人の人生左右しといて」
「…!歌詞違う…?」
気づいたようだ。なんなら、今まで気づいてなかったのか?さっき言ってなかった?
「ふざけんな!おぼえてろ!このやろー!! 」
「!!…ふふ笑、ごめんねー笑」
笑ってくれた。棒読みだが全てを許そう。
「君が飛び降りるならば僕は!君よりも先に飛び降りる!!」
「説得されるとでも思ったか!!」
そこで、俺は君と同じように、とある回答用紙を見せた。
「僕のバカさを甘く見るな!!!ドヤァ」
「ぷっ…笑なにそれ笑国語-10点って笑なにしたの笑」
そりゃあ、俺も笑ったもん。マイナスって。俺なんか悪いことした?
「あ、そういえばさ、あのマンガの主人公____」
「えなにあのマンガの主人公が今週敵をたおしたって!?」
「なんでリズムに乗せてるの笑」
ネタバレ食らった。いたずらっ子のような笑顔?で、言ってくる君に俺は心底安心した。
「って何回いえば分かるんだよ!俺は単行本派なんだ!?」
「…あぁ次が出るのいつだっけ?」
「え?単行本ならたしか2週間後ぐらい」
キョトンとした顔で答えた君の目の中は、驚くぐらい、愛しい※目をしていた。
※読みはかなしい「せつないほどかわいい」「いじらしい」というような、相手に対する愛情や親しみを表す言葉
「それ読むまでは絶対許さないからね!」
此を言われた君は、はにかんだ顔で笑った 。
「何時か僕らは答え合わせするのかな」
君がポツンと呟いた。どう何を思ってそう答えたかは、わからない。
「そんな未来はさ、忘れるまで秘めたままがいい」
「曲掛けるよ!!」
「う、うん!」
「さあさあレディース・エン・ジェントルン!これよりお目にかけますは一世一代の大台!」
君はキラキラとした、曇った眼で俺を見てた。
「長くてもどうぞごゆっくり!」
「!」
ハッとしたような顔を一時見せると、其の次は今にも泣きそうな顔をした。…泣いてもいいのに、本当にこの人は。
「君が飛び降りるのならば僕は笑って一緒に飛び降りる!!止めてくれるとでも思ったか」
君に向けて全ての感情を、思ったことを、全てぶつけた。
「僕らの絆を見みくびるか!」
俺も泣いて仕舞いそうだ。もうほんとに勘弁してよ!!!
「次に僕らが出会える世界でもまた、こんな風になれたらいいよね! 」
「うん、うん!そうだね」
「あ、そうだ!生まれ変わったら何になるか本で占ってみよう か!」
「え?」
そら急に言われたら困惑か。一旦
「らんくんは『玉ねぎ』僕は『タイヤ』…?」
「スゥー…やっぱり飛ぶの今度にしない?」
(ホントのホントーに飛べる日目指して)
「もうちょっとだけ一緒に居ませんか?」
「…!」
糸冬了