テラーノベル
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さとみの低い声が、楽しい決起集会を凍らせた。
ポケットから落ちてきたメモの紙切れ、
[一ヶ月を、最高に]。
莉犬くんは、悟られないように、唇の端を無理やり釣り上げた。
[あーそれ、ちょっと前に書いたメモ!ドームライブの演出るの事で、ちょっと気持ちが焦っちゃってさ。】
[**この一ヶ月、ライブ準備を最高に頑張ろう ]
[って自分に言い聞かせてたお守りみたいなもんだよ!]
彼は必死に作り笑顔で誤魔化した。
しかしさとみの目が、彼の嘘を見抜いていることを知った。
[おい、莉犬目を見て話せ。]さとみくんは、メモをテーブルに置き、莉犬の両肩を掴んだ。
[お前、なんか変、本当にそれだけかッ?]
ここで真実を話せば、全てが終わる。
この暖かい空気も、明日からのリハーサルもそして何より、
**彼らが目指す未来も**
莉犬は決意を固めた。
[…ごめんさとみくんッ、]
莉犬は涙をこらえて声を絞り出した。
[実は俺]
その一言は、先ほどの静寂よりも、もっと深い刺激を部屋にたらした。
るぅとの顔から血の気が引いた
[えッ、りいぬどういうことですかッ?]
ころんさ驚きのあまり、たこ焼きを落とした。
[ちょっと〜莉犬くんその冗談きついって〜笑 ]
なーくんは静かに立ち上がった。
[莉犬くん、どうしたの?ちゃんと話そ]
莉犬は頷き、**演技**で涙を流した
[ごめん、最近体がしんどくてッ、]
[声も出ない日が増えたし、みんなの足を引っ張ってるって感じるんだ]
[だから、このドームライブを最後に、俺は引退するって決めた。]
莉犬は、病気のせいではなく
[自分の力不足]
という、メンバーにとっても最も辛い
偽りの理由を告げた。
そうすれば彼らはまだ[未来]に進むことができる。
なーくんは莉犬くんの言葉の裏に
[何かある]
と感じたが、目の前の莉犬の苦しそうな顔を見て、強く追及出来なかった。
[りいぬッそんな事言わないでよッ……]
るぅとは泣き崩れた。
[僕たち莉犬が居ないとッ…… ]
ジェルが、静かな莉犬の背中に手を置いた。
[莉犬。今まで頑張りすぎたな。ゆっくり休んでまた何時でも戻ってきたらええやん。な?]
さとみくんだけは、莉犬の瞳の奥に
[引退]
とは違って、もっと決定的な終わりをみた。
さとみはメモの[一ヶ月を最高に]という文字をもう一度見つめ、全てを理解した。
莉犬が自分たちの為に
のだと
しかし、さとみは莉犬の決意の強さを理解した。
ここで真実を暴けば、莉犬の最後の願いを壊してしまう。
[わかった……りいぬ]
さとみは、歯を食いしばり静かに言った。
[お前の決めたことなら俺たちは受け入れる]
[だからあと1週間だけ俺たちと最高のライブを作り上げようッ!]
[俺たちが支えるッ!]
この瞬間、すとぷりメンバーは誰も知らない。
[莉犬の最後のステージ]
という、残酷な事実を抱きしめた。
コメント
3件
めっちゃ感動です😭続きが気になります!!
やば、めっちゃ感動 自分もこんなええ物語作れるよう頑張るわ