商品は必ず5品以上
普段商品を入荷する為には拉致や闇バイトという手で人々を惑わせては、それらを売り物にしてきました。
私達、店の関係者はこれを『果物狩り』と呼びます。この店は隠語が多く、初見では分からないような言葉が飛び交うのです。
商品カラーが済んだことを『着色』
店員が失踪、拉致された事を『足跡が海の波で消えた』
商品が脱走した事を『戸が緩くなった』
と言います。
あぁ今は狩りのことについて話していましたか、主に果物狩りを行うのは力に自信がある店員でございます。
たまには私が果物狩りへ向かうことも稀にあります、が、私は指導者という立場なので基本的に失態を犯さない為にも店に居なくてはなりません。
基本、果物狩りが行われる場所は闇市で2人以下で歩く子供や大人などを複数人で囲み、拉致します。姿、声がバレないように服の上からローブを被り、仮面を着けて行動をしております。
拉致すればこちらのもの、後は商品として入荷させてしまえばいいのです。
「捕まってしまえば二度と出れぬ鳥籠」
一体何人がそう思ったか、脱走するにさえ命を差し出す可能性があるということ。しかし、それは無駄足へと終わってしまう。大人しく檻の中で枷をぶら下げていても、待っているのは商売をかけた買取人の憎たらしい笑顔。
私はそれが嫌いなのです、えぇ何故か。
その後は素敵な素敵な奴隷生活が待っています、運良く幸せに過ごせたとしても大半が身を細くしボロボロな身体で主に従うのです。
この前、優しそうな女性のお客様に【ル・ペピエマン】に対する感情をつい口に出してしまい、慌てて笑顔で誤魔化したところ
「なんて面白いブラックジョーク」
と言われてしまいました。 人は見かけによらず、内には残酷な物を抱えているのだと、私は悟ったのです。
鍵、は管理人が持っていますからね。
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