テラーノベル
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目を覚ますと、いつの間にか眠っていたのか、外はもう夕陽が沈み始めていました。
そろそろ夕食の支度をしようと椅子から立ち上がると、踏みしめたのは床では無く空中で、貴方はそのまま落下してしまいました。
「きゅうっ!」と変な声が喉から出て、上を見上げると、異常なほど大きな机と椅子。
まるで不思議の国にでも迷った主人公の気分になる貴方は、ふと床に落ちた携帯の画面を見ます。
真っ暗な画面に写っていたのは、白い毛の長い耳を垂らした貴方が…
般若side
珍しく早い時間に帰路に着くことができ、俺は鼻歌混じりに〇〇が待つ家に向かう。
久しぶりにあいつの飯が食えると思うと、今日も頑張って良かったと思える。
家に着きインターフォンを鳴らしたが、〇〇がドアを開ける気配がない。
買い出しにでも行ってるのかと思い、持ってる合鍵で家に入ると、そこには小さな白うさぎが居た。
般若「…ん?〇〇のやつ、うさぎ飼いたいなんて言ってたっけ?」
俺の足に駆け寄ってしがみついてくるうさぎ。
うさぎを抱いてリビングへ行き、〇〇にこの事を聞いてみようとスマホに電話をかけると、足元で着信音が鳴る。
般若「…出掛けるのにスマホ忘れちゃあ、本末転倒だな」
探しに行こうと玄関へ向かうと、〇〇の靴があることに気づいた。
般若「…?…〇〇ー!いるのかー?!」
うさぎのぷうぷうという鳴き声以外、物音は無い。
まさか…
般若「っ!……阿形?!実は〇〇が…」
メンバーに〇〇がいなくなった事を伝え、俺は玄関を飛び出した。
まさか誘拐?俺への逆恨み?そんな事より…
般若「〇〇ー!返事してくれー!っ〇〇ー!! 」
〇〇がよく行く場所に行っても、近所の人たちに聞いてみても、〇〇が見つかるどころか、あいつの情報すら一つも掴めなかった。
気がつけば深夜になり、俺は家の鍵をかけなかったことを思い出して、一度戻ることにした。
幸い、空き巣に入られることもなかったようで、置いて行ってたうさぎも元気そうだ。
般若「ただいま…」
〇〇は帰っていなかった。
警察を頼ろうとスマホを取り出してみると、充電が切れていたもんだから、充電器を借りる。
般若「くそ、とことんついてねぇな…こんな時に限って…」
胸騒ぎで貧乏ゆすりが止まらず顔を手で覆って、初めて泣いていたことに気がついた。
意識をし始めるとそれはボロボロと頬を伝っていく。
般若「っ…うっ、〇〇……!」
零れ落ちたうちの一粒が、うさぎの白い毛に沈む。
するとうさぎの体が光り、それはどんどん人の形に姿を変えていった。
光りが落ち着くと、そこには涙目になった〇〇が立っていた。
「は、般若しゃんっ!よかっ…」そういう愛おしい人に、俺は強すぎるくらい腕に閉じ込めた。
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