夜更かしをしてしまったせいで、少し仮眠をするつもりが、外はすっかり夕暮れ時になっていました。
阿形が帰ってくる前にご飯を作ろうとブランケットを捲ろうと腕を上げると、視界に映った手は白いふわふわの体毛で覆われていました。
驚いてソファから転げ落ち「ぷきゅっ」と喉から変な音が出ます。
何が何だかわからず、なんとか四つん這いで鏡の前まで行くと、そこに自信の姿が映らず、代わりに長い耳の白いうさぎが…
阿形side
阿形「〇〇ちゃんただいまぁ!」
やっと〇〇ちゃんに会えると、上機嫌で玄関を開けると、出迎えてくれたのはふわふわのかわいいうさぎ。
阿形「あれ?〇〇ちゃんうさぎ飼ったなんて言ってたっけ?」
抱っこしてみると足に怪我してたから、リビングにある薬箱から包帯を取って小さな足に巻き付ける。
阿形「よし、これで大丈夫だよ!…ところで〇〇ちゃんは…?」
玄関に靴はあったし、また夜ふかしして寝てるのかと思って寝室に入ったけど、〇〇ちゃんはいなかった。
状況がおかしいって気づいて、俺はメンバーみんなに電話をかけた。
阿形「…あ、もしもし隈ちゃん?〇〇ちゃんが…」
みんなは見つけたらすぐ連絡するって言ってくれて、俺も外に出て探しに行く。
ただ、怪我をしたうさぎを放っておけなかったから、その子も抱っこして連れて行くことにした。
阿形「〇〇ちゃーん!〇〇ちゃんどこー!」
〇〇ちゃんが好きな公園、よく行くお店、職場…いろんな場所を探し回ったけれど、〇〇ちゃんが出てくることも、メンバーからの連絡もなかった。
阿形「…あっ?!」
走ってる途中で何かに躓いて転びそうになる。
抱っこしてるうさぎが潰れないように地面に背中を向けて、頭から転んだ。
阿形「ったぁ…あ、大丈夫?!」
うさぎの方は俺が背中から転んだおかげで怪我はなかった。
ほっぺをぺろぺろされて、顔に擦り傷ができたことがわかった。
阿形「あ…心配、してくれてるの?」
「ありがとう」そんな言葉を呟くと、目からぽろぽろと涙が出てくる。
阿形「あ、あ、違う…痛いんじゃ…なくって…っ…」
両手の袖で溢れてくる涙を拭き取っても、止まるどころかどんどん袖が涙とほっぺの血でベタベタになっていく。
阿形「うっ、うぐっ…っ…〇〇ちゃあん…!」
〇〇ちゃんの名前を呟く…〇〇ちゃんにあいたいよぉ。
涙が一粒こぼれ落ちて、膝に乗ってるうさぎの額に染み込んだ。
すると、膝に覚えのある重みと温かみが乗っかっていることに気づいた。
目を開けると、そこには解けた包帯を脚に巻いた〇〇ちゃんが、心配そうに俺を見ていた。
「阿形さん、大丈夫?」そう言って涙を拭き取る〇〇ちゃんに思わず抱きついた。
阿形「う、うわぁーん!〇〇ちゃんいたぁー!」