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いったい、己の身に何が起こっているのか。これは、何なのだろうと、思いつつ、またもや、つい、口が動いていた。
「あー、その、アソコが。アソコが……」
「はあ?アソコ、とは、どこですか?」
「いや、醜女ではなく、アソコの毛も赤いと……」
あっ、と、孔明は叫び、慌てて、詫びを入れようとしたが、女は、泡を食って、箸を落としていた。
「……それで」
「ああー、私は、アソコが気になるとか、そんなことではなくて!いや、あの、そうではなくて、ですね!!」
「……よろしいですよ。殿方と、いうものは、そもそも、そういう生き物です……しかしですね」
「申し訳ございません。実に、不快な、言葉を発してしまい……まして」
「で、孔明様、私の、髪は、黒うございます。ならば、アソコの毛は、どうなのでしょう?」
ひっ、と声を挙げ、今度は孔明が、箸を落としていた。
「成る程、あなた様の事が、良く分かりました。これは、暫く、仕官に向けて、整えなければ、なりませんわね」
「あ、あ、あの、整えると、申しますのは?」
「噂に名高い、諸葛亮孔明と、私も、多少、気になりこうして、お伺いしましたが、結局、単なる男でありましたか」
女は、袖を、口元に当て、ふふふと、笑った。
孔明は、何が起こっているのか、まだ、分からなかった。
胸の内から涌き出てくるモノが、なんなのか。同時に、何故、自分が、微笑んでいる女に、見惚れているのかと、戸惑うばかりだった。
「まあ、よろしいでしょう。そこを、うぶ、と、捉えるのか、表裏のない誠実さ、と、捉えるかは、仕官なさる先、お仕えいたす、主君が決めること……ああ、まずは、どなたにお仕え致すか。そこからですわね」
「い、いや、私は……」
「よろしいこと?このまま、夫婦《めおと》になれば、赤子《やや》、の兆しが、現れます。新しい命が芽吹くのですよ?それを、どなたが、守り、養うのですか?」