テラーノベル
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「え”ッ……マジで言ってんの……?」
昔っから、俺の第六感というものは仕事をし過ぎる。
目の前に聳えるのは、御伽噺で見るような”氷の城”だ。
「い、いやいや、本気で氷の城じゃねぇかよ……ッ!?」
「しかも近付けば近付く程、寒くなるじゃねぇか!!寒ぃの嫌いなンだよ!!」
常に雪降ってるみてぇだしよぉ”……ッ!!
あ”あ”あ”もう”……ッ!!
「最ッッッ悪だぁぁぁぁぁ!!!!!」
「おや?君は……」
不意に背後から声がする。
慌てて振り返ると、さっき紹介があった2年、ルーカス・エラントが居た。
「確か、朝切 雪くんで、君もフロストハイムなんだったよね」
顎に手を当てながら、”合ってる?”と首を傾げる。
「え……あ、はい、そうっすけど……」
「それは良かった、俺も自室に戻るところなんだ。途中まで一緒にいってもいいか?」
「え……」
何?距離感バグってんじゃねぇの。
対応に困っていると、別のところから叫び声が聞こえてくる。
「この声は……魁斗……?」
意識が逸れた。
今だッ
「……あっちょっと君!?」
声の方に目がいってる内に寮の敷地へと走り出す。
幸いなことに、建物内までは追ってくる気配がない。
これで平和だ( -ω- `)
「しんど~~~……そっか、同じ寮なんだもんな、そりゃ話すよなぁ……」
あの入学式のせいで、自分の中でのグールの印象が固定されてしまっているから、先輩だろうが何だろうが、関わりたくなくなっている。
「あーあ、グールの中にモノクルイケメンとかいねぇかなぁ!!」
女グールがいないんなら、せめて、ビジュ良い奴とつるみたい。
普通にモノクル好きだからそれも追加で。
絶対無理なんだろーけどな(フラグ)
そんなことを考えながら、改めてこれから自室になる部屋へと足を向けた。
コメント
2件
本当にフラグ立てまくりじゃん ていうことは次回は磴さんとの絡みが…楽しみだ!