テラーノベル
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お久しぶりです!やっとテストが終わりましたー!!
今回はむにちゃんがリクエストしてくれていた🇮🇹×🇯🇵でございます
むにちゃんの誕生日に合わせて急いで仕上げてきましたよ!!お納めください
ほのぼのっていうリクエスト内容だったんですけど、途中で「ほのぼの」って何だっけ…とゲシュタルト崩壊してしまったので少しイメージと違っていたらごめんなさい
むにちゃん、お誕生日おめでとー!
『ピンポーン』
慣れない部屋に鳴り響くチャイムと同時に、体と心臓が飛び跳ねる。
どうやら、来てしまったみたいだ。
落ち着かない気持ちを乗せた足を、玄関まで運ぶ。
ドアの先にいるのは、恐らく…いや確実に日本。
うぅ…やっぱりあんな事言わなきゃ良かったかなぁ…
胸をくすぶるような期待感と、不意に襲ってくる不安。そのふたつが、波のように心を行き来する。
こんなことになったのは、自身の何気ない一言がきっかけだった。
「…もうどうしたらいいんねー!!」
昼休み、両腕を伸ばし食堂のテーブルに顔をうずめそう叫ぶ。
嘆きの先にいたのはドイツと日本。
「なんだ急に…大声を出すな」
隣に座り、呆れたように呟くドイツに愚痴混じりの悩みを話し始めた。
「引っ越してばっかりで、全然部屋が片付かないんねー!!」
「…イタリア、お前引っ越して一週間は経ったよな?」
「経ったけど!い、忙しくてあんまり手をつけられてないんね…!!」
「忙しいって…じゃあ、普段家に帰ってから何をしてるんだ」
「…ソファでちょっと休憩を…」
「イタリア?」
怒りを帯びた深いコバルトブルーの瞳が、圧をかけてくる。
これは…あれなんね。えっと…日本がこの前言ってたやつ。目は口ほどになんとかかんとかってやつなんね…!
「に、にほーん…!!ドイツが怖いんね…」
「わわっ…」
日本の袖を掴み、助けてと言わんばかりの目線を向ける。
日本は僕の行動に戸惑いながらも、ドイツをなだめるように目をやっている。
すると、次第にドイツの瞳の熱が抜けていき、普段の彼に戻っていた。
「はぁ……そのサボり癖、どうにかしないとな」
「因みに、お部屋はどれくらい片付いているんですか?」
「ダンボールの山がそのまんま山で、登山できちゃいそうなんね」
目の前のパスタをつつきながら、口すぼめる。
「いや登山はできないだろ」
「冷静なツッコミやめてほしいんね」
「ふふっ」
いつも通りの日常から、ふわりとほどけるような笑い声が聞こえた。
花が綻ぶように笑う日本に、心の音がひとつ強く鳴る。
心にじんわりと広がるあたたかさが心地良い。
いつしか急に静かになった僕を、彼は不思議そうに見つめていた。
その視線に気づき、慌てて話題を振ろうとする前に、馴染みのあるバリトンボイスが響く。
「そう言えば、日本は最近引っ越したんだよな。片付けのコツとかないのか?」
「んー…そうですね……。」
両手で握るコーヒー缶にじっと視線を落とし、答えを探しているようだった。
少しの沈黙が過ぎた後、苦笑いをしながら日本は口を開いた。
「私は掃除とか整理整頓が好きなので……そこまで苦労しなかったというか…」
「えっ!?すごいんね!!」
目を丸くして感心の声をあげる。
目の前の日本は恥ずかしそうにまつ毛を伏せ、口元を緩めた。
「じゃあ、もしかして、段ボールの処理もすぐなんねー?」
「えと…まぁ、ほとんど初日に……。」
「ベット周りから整えると、生活がしやすくなるんですよ。」
「ぷ、プロなんね…!!」
僕が感動したように言うと、頬を淡い桜色に染め小さく笑った。
「……良ければ、手伝いましょうか…?」
「…えっ!!?いいんね?!」
「はい、イタリアさんが困っていらっしゃるなら…」
自分でも、僕の目が輝いているのが分かる。
「めっちゃ助かるんね!!ありがとなんね!」
そんな様子を見て、ドイツは静かに笑っていた。
「…良かったな、イタリア」
「うーあの時なんでもっと考えなかったんねー…!!」
「日本と、2人っきりなんて…た、耐えられるかな…」
「イタリアさーん?いますかー?」
ドア越しにこもった声が届く。
その言葉にハッとし、すぐにドアノブへと手を移した。
玄関を開けると、日本がいつもよりもラフな格好で紙袋を抱え立っていた。
「日本!ごめんなんね!
ちょっと色々あって、すぐにドアを開けれなかったんね…!」
「こんにちは、イタリアさん。全然大丈夫ですよ、気にしないでください。」
もう夏だと言うのに、春の陽だまりのような笑顔が、僕の焦りを包み込んでくれるようだった。
「改めて、わざわざ来てくれてありがとなんね!!」
「その横に持ってる紙袋は何なんねー?」
「引っ越し祝いのジュースです。冷たいものなので、冷蔵庫をお借りしてもいいですか?」
「え!!いいんね!?今ioの冷蔵庫、ミネラルウォーターしか入ってないから嬉しいんね!」
紙袋を受け取り冷蔵庫を開けている間に、日本は靴を脱ぎ、きっちり揃えてから部屋へと上がっていた。
部屋の中は段ボールだらけで、まだまったく片付いていない。
「……段ボール、多いですね」
「うん。たぶん開けて飽きて、そのままにしたやつが半分くらいあるんね…」
「に、日本…ごめんなんね…」
「大丈夫ですよ。この方がやり甲斐がありますし、頑張って2人で終わらせましょう!」
呆れるどころか意気込み始めた日本は、
さくさくと箱を開けて、中身を整理しはじめた。
そんな中、は、はやいんね、と作法の美しさに見惚れていると、僕のペースは日本の半分以下になってしまっていた。
作業を始めて、
まだ二十分も経たないうちに――
「にほんー!!ちょっと休憩しない?」
「え、まだ三箱しか開けてないですよ?」
「この夏の季節、水分補給は大事だと思うんね!!」
腰に手を置き、ふんすと自信満々で答える。
「…確かに、室内でも水分はしっかり摂取した方がいいと聞きますからね。」
「休憩がてら、持ってきたジュースでも飲みますか?」
「飲むんねー!!」
2人でソファに座り、冷蔵庫から出したジュースを紙コップに注いで並んで飲んだ。
ぷはぁ〜、と気の緩んだ声が同時に響く。
まさか2人して同じことを言うとは思っていなくて、顔を見合わせて笑ってしまった。
「日本が持ってきてくれたこのオレンジジュース、めっちゃ当たりなんね!!」
「よかったです。すこし酸っぱいですけど、美味しいですね」
「あ〜〜癒されるんね〜!」
「ふふっ、子どもみたいです」
「えー!日本だって、同じ反応してるんね!」
そんな他愛のないやりとりをしているうちに、
窓の外がすこしずつ金色に染まり始めた。
カーテン越しの夕日が、ふたりの横顔をやわらかく照らす。
空気も、会話も、なんとなく穏やかになっていく気がした。
隣で座る日本の瞳に光が反射し、あたたかみを帯びた飴色になる。
揺れ動く長いまつ毛と相まって、
どうしようもなく
愛おしく感じてしまった。
ふと立ち上がり、紙コップを置く。
「ねえ、日本…。ちょっとだけ、いい?」
「…?どうかされました?」
「今日は、ありがとね」
そう言って、ふわっと日本を抱きしめた。
ぎゅっと、でも壊れてしまわないように優しく、日本を包み込むかのように。
「えっ、あ、あの……!?い、イタリアさんっ……!!?」
驚いた声が、ぴょこぴょこと跳ねる。
日本の体がぴくっと動いて、それでも逃げることはなかった。
互いの息遣いが聞こえる。
体温を感じる。
鼓動が早まる。
触れ合う肌と肌から、どくどくと振動を受け取る。
日本…すっごくドキドキしてる…。
多分僕も…。
だんだんと熱くなる日本の体に気づき、ゆっくりと後ろに回していた腕を元に戻した。
「……いきなりごめんなんね!!今のことは、気にしなくていいから!!」
自身の気持ちを隠すかのように、大きな声でそう告げた。
これでいいと自分に言い聞かせる。
距離を詰め過ぎてしまう…僕の悪い癖。
ハグ以上のことをしたら、きっと嫌われちゃう。
気を取り直し、立ちあがろうとした時
ぎゅっと、袖を掴まれた。
その手は震えていて、俯いていた日本が
ゆっくりと顔を上げた。
「……わ、私は、嬉しかったです…」
「…その…イタリアさんが、、ハグ、してくれて…」
「で、でも…!イタリアさんの国では普通かもしれないけど…あんまり他の人にはしない方がいいと思います…」
「…私みたいに、勘違いしてしまいますよ…?」
秘めた想いが、そっと灯るような瞳がきらきらと潤む。
気づけば、日本の顔は、夏の夕焼けの色に染まっていた。
ふたりの間に、やわらかい沈黙が流れる
……そのとき。
「おーい、忘れ物してたんよー!!」
唐突に響く大声。
聞き覚えのあるそれに、 イタリアの顔が引きつる。
「……まさか……」
バンッとドアが開いて、勝手に入ってきたのはイタリアの兄、イタリア王国だった。
「久しぶりー、忘れ物届けにきてやったぞー。あ、可愛い子いんじゃん。へぇ〜〜?笑」
一番日本に合わせたくない奴が来てしまった。
瞬時に日本を隠すかのように腕を広げる。
「な、なんでいんの!!? 住所教えてないんだけど!!?」
「…さぁ、、何でだろうね…?笑」
聞かなくたって分かる。
あのどす黒い瞳が全てを物語っているからだ。
「今すぐ帰って!!」
「はいはいーウンウンソーナンネー」
日本は、突然の乱入にどうしていいか分からずその場で目を泳がせていた。
「あ、、えと…こんにちは……?」
「き、きょうは、お日柄もよく…」
「日本!!テンパリすぎなんね!!」
「あ、その、私はイタリアさんの同僚のっ…」
「日本でしょー?初めましてなんねー!」
「あ!はい、そうです!初めましてっ!」
「……え、何で日本の名前知ってんの……?」
「…言ったことないよね……?」
「ははっ」
「…何で、だろうね…?」
「日本、そこのダンボールからピザカッター出して」
「え?はい、え???…何するんですか…?」
「……粛清だよ。粛清」
「い、いたりあさん…???」
「冗談だから、そんな怒んなよ笑」
「日本の兄と仲良いから知ってるだけー」
「あ、なるほど。陸兄さん達のご友人なんですね…!」
「そうそう!」
「……日本と話さないで。忘れ物届けにきたんでしょ?早く頂戴。」
「はいはい、相変わらずかわいくねぇー」
「ん、、じゃあ帰って。要件済んだでしょ。」
「言われなくても帰るわ。じゃあな」
「あ!!進展あったらいいなー!」
「うるさい!!!」
『ガチャ』
ドアが閉まる。 ようやく静かになった部屋で、ふたりは肩の力を抜いた。
「……ごめん、ほんっと、うちの兄ちゃんが……」
「いえ……あの、ちょっとびっくりしましたけど……でも、ちょっとだけ、面白かったです」
「面白くなんかないんね!!ほんっと自己中だし空気読めないし、性格悪いし…」
「ふふっ」
日本の幸せそうな穏やかな笑みが、胸の奥深くにじんわりと届く。
静かに咲く花のような微笑みのまま、僕を見つめ口を開いた。
「…あの…また、ここに来ても良いですか…?」
少しだけ散らかった部屋の隅に、2人だけの穏やかな時間が、ぽつんと残っている。
窓の外では、夕焼けがゆっくりと溶け込んでいく。
静かに流れる時間の中、僕の胸には小さな灯がともっていた。
それはたぶん、希望とか、期待とか——そんな名前の、まだ小さな光。
だけど、不器用な僕たちは、確かに、少しずつ距離を縮めていた。
真剣な時だけ語尾や一人称が変わるのっていいよね
改めて、むにちゃん
誕生日おめでとー!!
めちゃんこギリギリ投稿ですな
ごめんね🙏
ではまた
コメント
4件
長い、話がまとまっている、面白い、最高かよ!!
もーうありがとー!!!!😭😭 まじ幸せすぎるよ .. 🥹🫶🏻️💓 🇮🇹🇯🇵三昧で 心臓でそう 🥺🥺❤️🔥 まさかの 🇮🇹👑 乱入で笑った🤣 🇮🇹🇯🇵って 本当に 可愛い&可愛いだから 見てると癒されるんだよね 🤦🏻♀️💕 朝っぱらから 天に召されそうでした 😇🕊