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ロイス「ハァハァ……何かあったか?」
ナリア「うーん……何も無いわね」
ケール「もう疲れた……あとお願い」
ロイス「うぉ!!バカ野郎!!急に離すな!!」
手分けして瓦礫の下を探した。大きい瓦礫は重く1人では持ち上げられないので男3人で瓦礫を持ち上げその間にナリアが見て探していた
だが、何度も重い瓦礫を持ち上げるのは大変だ。腰や腕に疲労が溜まる
そしてケールがいきなり瓦礫を離したため俺とロイスの2人に重さが集中する
バカ!!手を離すな!!!落とすだろうが!!
カズヤ「ナリア!!早くどいて!!」
ナリア「え?わ、わかったわ」
俺は瓦礫の下にいるナリアにものすごい剣幕で言った
ナリアが俺の雰囲気に押されるように瓦礫から退く
ナリアがいなくなったのを確認してから瓦礫を戻した
瓦礫が激しい衝突音を立てて地面に落ちる
カズヤ「ケール!!急に離すな!!!落とすでしょうが!!」
ロイス「カズヤの言う通りだ!!危なかったぞ!!」
ケール「ごめん……疲れちゃって」
疲れてんのは俺もだー!!!!!!!!!!!!
もっと別の方法無いかなぁ。これじゃマジで一世紀かかる
瓦礫を全部どかせたらいいけど、そんなこと不可能だしな……
せめて重い瓦礫が粉々になってくれたら探しやすいんだけど
ロイス「疲れてんのは俺もだ」
カズヤ「右に同じく」
ナリア「これじゃあ100年かかるわよ」
ケール「さすがに無いって」
カズヤ・ナリア・ロイス「「「マジでかかる」」」
俺とナリア、ロイスの真顔にケールもやっと事の重大さに気づいた表情を見せる
天然だなぁ。ボケてんじゃねぇのかってレベルの天然だ
業者を呼びたいな。俺たちだけじゃ無理があるよ
カンちゃん「仕方ない」パサパサ
カズヤ「ん?カンちゃん?」
カンちゃんは吐き捨てるように言うと空高く飛んでいった
あんな空高くに行って何する気だろ?
カンちゃん「神格魔法・最光度爆発」
カズヤ「ん?……ヤバい!!逃げろ!!死ぬ!!!!!!」
ロイス「あ?……本当じゃねぇか!!?ヤバいぞ!!!!逃げろ!!!!」
カンちゃんが何をするのだろうと天を見つめていたら急に空が光出した
あの光!!俺を起こすために脅してきたやつだ!!
何で今使うんだよ!!?使うなら使うって言えよ!!!!!!
死ぬだろうがぁぁ!!!!!!
俺たちは必死に遠くに逃げた。どれくらいの範囲があるのかは分からないけど、とにかく遠くに行くしか無い
近くにいたら死ぬ。全滅だ
下っ端A「え?何で逃げてる……?」
俺たちが逃げていると災いの騎士の下っ端たちが目に入った
でもあいつらにかまってる暇はない。今は逃げなければ!!
俺たちは下っ端たちに目もくれず通り過ぎた
下っ端B「これはチャンスだぞ。今なら城跡で漁れる。異世界について書かれてる本が見つかるかもしれないぞ」
下っ端A「そうだな。今のうちに探しに行くか」
下っ端たちはカズヤたちが消えた今がチャンスだと思い、城跡で異世界について書かれている本を探し始めた
彼らが上空の光に気づいたのはカンちゃんが魔法を放った後だった
下っ端A「ねぇな。本当にあんのかよ?異世界についての本なんか」
下っ端B「探せって言われたんだからあるだろ」
下っ端A「めんどくせぇな。早くしないとあいつらが戻ってくるって言うのによ」
下っ端B「口じゃなくて手を動かせよ」
下っ端たちは瓦礫をひっくり返したりして本を探している
早く見つけなければカズヤたちが戻ってくると思っている彼らは急ピッチで探す
下っ端A「ん?なんか暖かくねぇか?」
下っ端B「言われてみればそうだな。そんな晴れてた……か?」
下っ端A「お、お、おい……あれ何だよ?」
下っ端B「し、知らねぇよ……」
急激に温度が上がり下っ端たちは汗をかきはじめる
下っ端たちが天気を確認するため空を見上げるとまばゆい光がどんどん近づいてきていた
状況をすぐに理解した下っ端たちの額から冷や汗が流れる
下っ端A「に、逃げた方がいいのか……?」
下っ端B「そ、そりゃ……そうだろ」
下っ端A「で、でもよ、間に合うか」
下っ端B「間に合わせるんだよ!!!!!!!」
下っ端たちの顔は絶望に支配されていたが下っ端Bが希望を取り戻し走り始める
下っ端Aも下っ端Bに続いて走り始める
だが、絶望の光は手を伸ばせば届く距離まで来ていた
下っ端A・B「「アァァァァァァァァァ!!!!!!!!」」
彼らの悲鳴を光の激しい衝突音がかき消した
彼らの体は一瞬で灰となった
光が衝突した後の地面の色は焦げた黒がさらに濃くなり真っ黒になった
わずかに残っていた建物は破壊され、城は跡形もなく消え更地になった。正真正銘、城跡になった
瓦礫も粉々になり砂利程度の大きさになった。捜索がしやすくなったと言える
ケール「うわぁ……」
ロイス「マジか……」
ナリア「夢見てるみたい……」
だいぶ遠くまで来た頃城の方を振り返ると、とてつもない規模の爆発が起きていた
ロイス・ケール・ナリアの3人は爆発を見て表情を失っている。俺も失ってる
これは何も無くなったな。本、絶対残ってないじゃん。跡形もなく消し飛んだよ
あいつらも死んだだろうな。殺さなくても死ぬことになるとは……可哀想に
どうすんだよ!!何かあったかもしれないのに!!
ナリア「戻る?」
ロイス「あれじゃ、何も残ってないだろ」
ケール「戻っても、って話じゃない?」
カズヤ「とりあえず戻ろう。拠点の居場所だって城跡から真っ直ぐって話じゃん。ここからじゃどう行けばいいのか分からないよ」
ロイス「じゃあ戻ってみるか」
ケール「そうだね」
拠点の居場所は城跡から真っ直ぐという話だった
がむしゃらに逃げてきたからここがどこかも分からないし、どっちの方向に行けば拠点に行けるのかも分からない
とりあえず戻った方が良い。カンちゃんも城跡にいるし(あいつには一言言いたい)
俺の話にロイスとケールが納得してくれた
俺たちは来た道を戻り城跡に向かった
――――――
ケール「ひどいね……」
ナリア「丸焦げね」
ロイス「とんでもねぇ威力だな」
城跡に戻ってくると丸焦げの瓦礫がそこら中に転がっていた
前までも更地だったけど今回ので焼け野原になってる
加減を知らないのか?神といい神の眷属といい
加減しないと世界が滅ぶだろうが
カズヤ「あ、いた」
カンちゃん「大きい瓦礫は全部粉々になった。探しやすい」
カンちゃんの言う通り大きい瓦礫が粉々になって探しやすくはなったけれども……
よく見ろ!!!!こんな有様で目当ての本が残るわけないだろ!!
カズヤ「確かに探しやすい……じゃなくて!!これじゃあ探してる本が灰になるでしょうが!!!」
カンちゃん「灰にはなってない。加減した」
どこが?
この惨状のどこに加減したと言えるポイントがあるのか
はっきりと説明してほしい
カズヤ「どこが加減しただよ。焼け野原になってるじゃねぇかよ!」
カンちゃん「本は瓦礫に埋もれてるから無事」
カズヤ「嘘つけ!!瓦礫が粉々になってるのに本が無事なわけないでしょうが!!!!」
瓦礫が丸焦げで粉々になってるのに埋もれてるから無事??
そんなわけないだろ!!!!瓦礫ごと焼かれてるわ!!
何の根拠もない説明だった……
こんな中、捜索する意味なんかあるのか?
カンちゃん「無事」
カズヤ「嘘をつくなぁ!!」
カンちゃん「探してみろ。ある」
カズヤ「言ったな?無かったらどうする?」
カンちゃん「無いわけ無い。ある」
カズヤ「そんな自信があるなら探してやるよ。無かったら1人で拠点潰せよ」
カンちゃん「知るか」
よーし、こうなったら意地だ。何も無くなってるってことを見せつけてカンちゃん一匹で拠点潰してもらおう
言ったことに責任持ってもらわないとな。神の眷属なら尚更だ
俺は目を血眼にして本の捜索を始めた。絶対に何もない
ケール「カズヤ、ムキになってない?」
ロイス「そりゃなるだろ。今の会話の様子だと」
ナリア「私たちも手伝いましょう」
ナリアたちも手伝ってくれ、作業は順調に進んだ
大きい瓦礫も無くなっているため手分けして探すことが出来た
カズヤ「……嘘だ」
ケール「本、あったね」
ナリア「ちゃんと無事ね。焦げてもないし」
ロイス「カンちゃんの言う通りだったな」
しばらく探していると本が何冊も出てきた
嘘だァァ!!!!!!!!
なんで無事なんだよぉぉ!!
でも、この本が俺たちも求めてる現実世界に戻る本じゃない可能性もある
カズヤ「なんて書いてある?」
ナリア「えっーと、【異世界とは常軌を逸した人々が住む世界で……】この本には現実世界に戻る方法は書かれてないわね」
ケール「こっちには【異世界から人を呼び出す際、気を付けなければならないのは……】こっちにも書いてないや」
俺たちが見つけた本を全部見てみるが現実世界に戻る方法が書かれた本は一冊も無かった
目当ての本は無かったか。全部の範囲を探したわけじゃないから、もしかしたらまだ探してないところにあるかもしれない
カンちゃん「あった。お前たちで拠点潰せ」
カズヤ「クソ……なんで無事なんだ」
ナリア「ここに有益なものは無さそうね」
ロイス「じゃあ拠点に行くしか無いな」
ケール「仕方ないね」
その後もしばらく探したのだが目当ての本を見つけることは出来なかった
ここには何も無いな。拠点に行くしか無いか
本が無事じゃなかったらなぁ。俺たちで拠点を潰すってことにならないのに
ナリア「もうだいぶ時間が経ったわ。今日は休んで明日向かいましょう」
ロイス「そうだな」
捜索に没頭していると既に日は沈んでいた
この時間になってから動くのは危険だ。今日は休んで明日拠点に向かおう
――――――
ナリア「準備出来た?」
ケール「バッチリだよ」
ロイス「万端だ」
カズヤ「大丈夫。準備出来てる」
次の日を迎え太陽が眩しく俺たちを照らしている
昨日の怪我もだいぶ良くなった
これなら激しい戦闘もいける
ナリア「拠点の方向はこっちね」
カズヤ「警戒しながら進もう。いつ出てくるか分からないから」
ロイス「おうよ」
ケール「おっけー」
俺たちは下っ端たちの行っていた方角に向かって歩き始める
いつ災いの騎士が現れるか分からないからな
注意しながら進もう
ナリア「あれが拠点?でも誰か来てる?」
ロイス「本当だ。前から来てるな」
しばらく歩いていると前に城を思わせるような形をした建物がうっすらと見えてくる
あれが災いの騎士の拠点か?豪華な拠点だな
ナリアが歩みを止め前の方を凝視するので俺たちも前を見てみると誰かが前から来ていた
見る感じは1人か。誰だ?
カズヤ「拠点の近くまで来てるから災いの騎士かもしれない」
ナリア「もう来てる!?」
俺が話している最中にナリアが大きな声を出すのでビックリした
ナリアが声を上げた先を見ると白髮で左手にタトゥー、同じタトゥーが入ったイヤリングを右耳にしている男が立っていた
男は右の腰に携えている剣に手をかけている。戦う気満々かよ
こいつが前から来てたやつか。タトゥーが2つってことでいいだよな
また幹部のおでましか
バディン「冒険者?なぜこんなところに?」
カズヤ「幹部が出てくるってことはこの先の建物が拠点ってことで良さそうだな」
バディン「我々の拠点の場所を知っているか。どこでその情報を手に入れた?」
カズヤ「下っ端に聞いたらご丁寧に教えてくれたよ」
バディン「そうか……部下への教育が足りていないみたいだ。それはそれとしてお前たちをここから先に進ませるわけにはいかない」
カズヤ「なら倒すしかないね」
白髪の男は剣を抜いた。刀身が太陽の光を受けてギラギラと光っている
なんとなく分かる死闘の予感……
でも、こんなところで負けるわけにはいかない
俺たちの目的は拠点だ。こいつに構うことじゃない
必ず倒して俺たちは前に進む!