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#地雷系
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
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クラリス
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リリア💙🤍
207
#いじめ
名瀬口にぼし
279
ある日アンドリューはナルシソ・ホテルの二階のバルコニーの手すりにもたれて、眼下の人口プールでお祭り騒ぎをしている、観光客を楽し気に眺めていた
広大な人口砂浜には、色とりどりのビーチパラソルが開かれ、そこには百人は超えるであろう人達が水遊びを楽しんでいた
風に乗って、どこかの屋台のソーセージを焼く良い匂いも漂ってくる、水着を着た人々が屋台の食べ物を持って、あちこち歩き回っている、まさにチャックが築いた帝国は、ある意味では天国だった
その時ふとある人物を見つけた、それはあのバーボンとの会見にドンが連れて来ていた側近の一人 彗星だった
「おや?・・・あんな所に一人で何してるんだ?・・・」
たちまちアンドリューはあの金髪の殺し屋に興味が湧いた彗星は 上半身裸でド派手な金髪に、ド派手な黄色い海水ハーフパンツ姿で、砂浜の上に長々と体を横たえて波打ち際を見つめていた
ただ黙ってそこに横になっている、それだけでもソイツは美しかった、アンドリューはあるオペラ歌手がエマーソンの詩を朗読した時の事を思い出した
―美はそれ自体が立派な武器になる―
ある人間が肉体的な形状で、きわめて美しい半面、中身が伴っている人間は、ほとんどいないという詩だった
まさに彗星がそうだと思った、そしてそのアンバランスさに、アンドリューは妙に惹かれた、日差しが暖かいためアンドリューも あの砂浜に横になって居眠りをしたくなった
アンドリューはふと彗星がどこを見ているのか 視線を辿ってみた、てっきり彼は波打ち際で戯れている水着の女達を見ているのかと思ったが違った
彼はその横でアヒルのゴムボードで遊んでいる 黒髪の少年をじっと見つめていた、瞬きもせず・・・とにかくじっとその少年だけを見つめていた
アンドリューは黒髪の少年も観察した、たしかあの少年はバーテンダーでルビーのお気に入りだ、その少年と一緒に遊んでいるのは・・・・ピンクのフリルのワンピースの水着を着た少女だった
アンドリューは目を見張った、あれは・・・ドンの娘だ! そしてそこになんとルビーも来た、サングラスに大きな麦わら帽子で、若い男二人に神輿のように担がれながら、足先だけ水に漬けている
そして黒髪の少年はしばらくドンの娘とアヒルのボートで遊んでいた、少年が立ち上がろうとして ボートごとひっくり返った、ドンの娘がキャハハハと笑った、それを見た彗星がなんと!ほんの少しだけフッと笑った
―間違いない! 彗星はやっぱりあの少年を熱く見つめている―
暫くすると黒髪の少年がアイスクリームを片手に彗星のもとにトコトコやってきた、途端に彼はさっきまでこの少年に熱い視線を向けていたのに、サングラスをかけて寝ているフリをした
黒髪の少年のしゃべり声はアンドリューの所まで 聞こえた、少年は彗星のことを 「ジャスティン」と呼んだ
「アイツの名前は 「ジャスティン」というのか・・・」
アンドリューはしばらくこの二人を観察してみることにした、ジャスティンはずっと寝ているが、黒髪の少年がどうやら、ジャスティンをいじって遊ぶのが得意らしく、 最後は寝ているジャスティンを、ドンの娘と一緒に砂に埋めて遊んでいた
そこにルビー達も来て遊びに加わった、ジャスティンはただ大人しくされるがままになっていた
「ふ~ん・・・」
アンドリューは一通り彼らを観察した後、ひとこと言った
「なかなか切ねーじゃねーか、ジャスティンさんよ」
コメント
1件
リオンです。今回のエピソード、アンドリューの視点から彗星の意外な一面を覗く感じがとても良かったです。あの♡♡♡屋が髪の黒い少年にだけ向ける、一瞬の柔らかい表情――「武器になる美」という引用と相まって、彼の人間味がふと立ち現れる瞬間に胸を打たれました。アンドリューの「なかなか切ねーじゃねーか」という呟きも、観察者の距離感が絶妙で好きです。続きが気になる展開でした!