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『ずっと、後ろ姿だけ見てた』
tg視点
──好きになるなんて、思ってなかったんだ。
俺が“ぷりちゃん”を初めて意識したのは、
たぶん高1の4月。
あのときはまだ、名前も顔もうろ覚えだった。
教室の窓際で、友達に囲まれて笑ってたあの人。
明るくて、ちょっと声がでかくて、笑うと目がくしゃってなる。
でも、その日、忘れられないのは──
ぷりちゃんが、泣いてるクラスメイトに気づいて、
「大丈夫か?」って、
誰よりも先に駆け寄った、その瞬間だった。
なんでもなさそうに、
でも真剣な目をしてて、
なんか、すごく…
やさしかった。
その日から、俺の“目”は勝手にぷりちゃんを追い始めた。
昼休みのたびに、視線だけがそっちに向いて。
すれ違っただけで、心臓がちょっと早くなる。
自分でも、「え、これなに?」って思いながら、
気づかないふりをずっとしてた。
文化祭のとき。
体育祭のリレー。
テスト明けの帰り道。
その全部に、いつも”ぷりちゃんの後ろ姿”がいた。
でも話すようになったのは、
たまたま班が一緒になった高2の冬。
それから少しずつ、ほんの少しずつ、距離が近づいて──
pr ちぐ、ここやばいって!マジで寝るって!
tg寝ないでください、ほんとに!ノート貸しませんよ!?
そうやって、からかわれて、笑い合って。
ドキドキしてることなんて、絶対バレちゃだめで。
ずっと、“友達みたいなふり”を続けてた。
でも、
いつからか、ちゃんとわかってた。
──これはもう、片想いなんだって。
笑ってくれるのが嬉しいのに、
笑われると、少し泣きたくなる。
近づいたはずなのに、触れられない距離がある。
それでも、バカみたいに毎日「今日も会えた」って、
それだけで心があったかくなった。
きっと、言わなきゃ終わる恋だった。
それでいいって思ってた。
卒業まで、あと1日だったから。
なのに──
「ちぐ、明日、ちょっとだけ会えへん?」
通知の画面を見たとき、
俺は息を止めた。
見間違いじゃない。名前も、アイコンも、あの声も。
返事を打とうとして、やめた。
言葉が見つからない。
終わらせたはずの想いが、一瞬で蘇ってくる。
もうどうしようもないくらい、好きがうるさい。
──なんで。
なんで、今。
既読をつけたまま、10分が経つ。
返事はまだ送れていない。
けど。
スマホを見つめていたちぐは、ふと、
1年前のことを思い出していた。
あの春。
誰にも言わなかった“あの約束”。
──ぷりちゃんは、覚えてるんだろうか。
画面の光だけが、部屋に残っていた。
そして俺の頭の中で、1年前のあの声が蘇る。
pr じゃあさ、卒業の日、また同じ場所で会おな
♡▶︎▷▶︎▷1000
みんな見れてるかなぁ?バグって見れてない人がいるようなので、頑張って修復します💦
1話見えてない人用に説明すると、ちぐさくんはぷりっつくんが好きなんだけど、引越しするって感じ!このやり取りは卒業式の前日です!
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