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その日、俺たちは正式にBランクになった。
大和ダンジョン委員会とは縁が切れている、というか、対立しているものの…
ランク認定だけは大和ダンジョン委員会の許可が必要だった。
何とも変な関係だ。
その日、俺たちはBランクの祝いに、初めてみんなで居酒屋へ向かった。
「食べ物あるの!?」
「美味しい食べ物がたーくさん、あるぞ!」
バニラに俺は言う。
「初めて行きますねぇ。
ロマネコンティはあるんでしょうか?」
ゾードのアホが言う。
「ばぁか!
居酒屋っつったら、ビールが焼酎だろ!
今日はワイン禁止!」
「えぇ!?
そんな横暴な!」
ゾードが抗議する。
そして、俺たちは8人部屋の2階の畳の部屋に上がった。
「いやぁ、やっぱり日本人は畳だよなぁ!」
「ど、どうやって座るのでありますか…!?」
ダスティは困っているようだ。
そんなこんなで、みんな1発目はビールで乾杯した。
バニラ以外ね。
「さぁ、ここまで来れたのもみんなのお陰だ!
今日は大いに飲んで騒いでくれ!
Bランク、おめでとう!」
俺は言って乾杯した。
みんな、飲んで食べて、歌って踊って、騒いでいる中、山野莉緒だけが口をつぐんでじっとグラスを見ていた。
「山野、どうしたんだ?
飲まないのか?」
「衛輔さん…
実は…
言おうかどうか迷っていたんですが…」
「ん?」
「私はコンピュータにも長けています。
自分で言うのもアレですが…
で、大和ダンジョン委員会のラボのメールをハックしたんです。
一部ですが。
それには、つまり、こう書いてありました…」
「なんて…?」
「エルフの血が実験覚醒体の安定に役立つだろう、と…」
「エルフ…!?
エルフだって…!?」
俺はバニラを膝に乗せているミアを見た。
「そうなんです。
実験覚醒体は非常に不安定です。
そこにエルフの血が入れば、かなり安定するようで…」
「そんな…
じゃあ…」
そこから先は言えなかった。
バニラも実験覚醒体なのだ。
「えぇ、おそらくバニラを安定させる為の一つの手段かと…
いえ!
でも、私はバニラの為にミアさんに犠牲になって欲しい訳では…!」
「分かってる。
分かってるよ、山野…」
俺はしかし、それしか言えなかった。
「飲んでるー?☆
イェーイ꒰ ♡´∀`♡ ꒱」
ジョーカーが俺と山野の間に乱入してくる。
「飲んでるよっ!
ちょっと向かう行け、酔っ払い!
今大事な話をだな…」
俺はジョーカーを追い払う。
「いえ、衛輔さん…
今日くらいは全てを忘れて飲みましょう。
それがいい気がします。」
山野が言い、少し考えた後、俺はにこやかに頷いた。