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シェアハウスに戻っても——
空気は、ずっと重かった。
「……」
誰も、あの話を切り出さない。
でも。
「……」
頭から離れない。
さっきの光景。
あの目。
あの空気。
「……ねぇ」
ぽつりと、のあさんが口を開いた。
「今のって……」
言葉が続かない。
「……」
誰も、すぐには答えない。
「……正直に言っていい?」
ヒロくんが、静かに言う。
「……怖かったです」
その一言。
「……」
空気が揺れる。
「……分かる」
ゆあんくんも、小さく頷く。
「なんか……別人みたいだった」
「……」
沈黙。
「……」
もふくんとうりは、何も言わない。
「……ねぇ」
ゆあんくんが、少し強めに言う。
「何なの?」
「何であんなことできるの?」
真っ直ぐな疑問。
「……」
もふくんは、少しだけ目を伏せる。
「……」
答えない。
答えられない。
「……」
その沈黙が——
逆に答えみたいだった。
「……」
ヒロくんが、一歩前に出る。
「……隠してますよね」
はっきりと。
「……」
「何か、あるんですよね」
その言葉。
「……」
うりが、ゆっくりと顔を上げる。
「……あったらどうする?」
低い声。
「……え?」
ゆあんくんが戸惑う。
「知って、どうすんの?」
真っ直ぐな問い。
「……」
誰もすぐに答えられない。
「……危ねぇぞ」
うりが続ける。
「今みたいなの、これからも来るかもしれねぇ」
「巻き込まれるかもしれねぇ」
静かな声。
でも重い。
「それでも知りたい?」
その問い。
「……」
沈黙。
でも。
「……知りたい」
答えたのは、ヒロくんだった。
迷いのない声。
「……」
「知らないままでいる方が、怖いです」
その言葉。
「……」
ゆあんくんも、小さく頷く。
「……俺も」
「……」
のあさんも、ゆっくりと口を開く。
「……ちゃんと知りたい」
優しい声。
でも、強い。
「……」
その言葉を聞いて。
「……」
もふくんの表情が、少しだけ揺れる。
「……」
うりは、静かにそれを見る。
「……ほらな」
小さく呟く。
「……」
もふくんは、何も言えない。
「……」
分かってる。
もう、隠しきれない。
「……」
でも。
「……まだ」
小さく言う。
「……今は、話せない」
絞り出すように。
「……」
空気が、止まる。
「……ごめん」
その一言。
「……」
誰も、何も言えなかった。
ただ。
一つだけ。
確実に変わったことがある。
それは——
「……」
“信じてる”だけの関係じゃ、なくなったこと。
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