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またお母さんに扉を開けてもらった。
私はまだ自分の家の扉も開けることすら出来ないほどの背だけれど。まぁ、どうせ大人になればお母さんより背が高くなるはずだもの。
そんなことを考えている間に、ココア色のアパートに着きました。階段を上る度に金属音が響きます。
『 コンコン 』小さい手で 扉を叩きます。
円「いいよ、あがって。」扉の奥から声が聞こえました。
七「お邪魔します。」
円「よっ、七紬」
七「あれ、今日はお仕事じゃないの?」
お化粧をしていないし…。
円「今日はバイト。」
円さんは疲れた顔をしました。
七「へぇ、大人っていうのは大変なのね。」
七「ちゃんと休んでほしいのだけれど、」
円「今は七紬がいるから十分休めてる。」
七「それは良かったわ。」
七紬はベッドの上に座りました。
円「ほらよ」
円さんが何か投げました。
七「わっ、」
七「500円玉…?」
円「それで自分のおやつでも買ってこい。」
七「いいの?」
円「行ってこい。」
七「ありがとう…」
七「円さん、扉開けて」
円「まだ小さいな、七紬も」
大人になったらもっと大きくなるってば。
七「…小さくてそこまで悪いことはないわ」
ただし、馬鹿な男子に悪口を言われる以外ね。
円「そう…まぁ、行ってらっしゃい」
七「行ってくるわ。」
夏は暑くて身体が熔けそうで諦めそうだけど、スーパーはもうすぐ。早く中に入りたい。
『 〜♪♪ 』
冷たい空気が体に染み込んだ。
「ふぅ~、」なんだか気持ちがいい。
そういえばなんのお菓子を買おう、チョコレートもいいけれど…やっぱり今日は暑いのでソーダアイスにします。そこら辺の男子とは違って私は偉いので、歩いてレジに向かいます。
『 〜♪♪ 』
げ…外が暑いのを忘れていました。ジメジメした空気だし少し曇っている。すぐ雨が降るかもしれないわ、急いで帰ろう。