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《ヤンデレ彼氏》~ 及川徹 ~
「ねぇ、あの子は俺のものだから近づかないでくれない?」
薄汚い笑顔を向けて、俺は害虫達にいつもこうして話しかける。
あの子は俺のものなんだよ。
そう、分からせるために。
彼女の笑顔は、俺以外の他の害虫をも惹き付ける。彼女の笑顔は俺だけが知ってればいいでしょ?
「二度とあの子に近づかないでね」
毒のような笑顔を向けて、俺はその場から立ち去った。
「ねぇ?徹!」
「さっきどこ行ってたの?」
「ん?害虫駆除」
「え、虫いたの!?」
「かなりやっかいなね」
彼女とこんなやり取りをしている間にも、彼女の事をチラチラ見てる害虫がいる。
「また害虫がいっぱいいる」
「え!?どこに!?」
その無邪気な天然さが、やっかいな害虫を惹き付ける。
彼女の天然さ、泣き顔、笑顔、全部俺だけが知ってればいい。
「私、虫嫌い!」
「そうだね笑」
あーぁ、また見てる。
また “ 駆除 ” しなきゃ。
男
どんどん湧いてくる “ 害虫 ” に腹が立つ。
「ねぇ、徹!」
「どしたの?」
「明日さ、駅前のパンケーキ屋さんに行かない?」
「いいね、行こっか」
「うん!」
あー、可愛い
頭の中は彼女の事ばかり。
いっその事、俺だけしか見れないように監禁しちゃおっかな。
「ねー、岩ちゃん」
「あ?」
岩ちゃんは俺の気持ちを理解してくれてる。
岩ちゃんが彼女に興味をもっちゃったら、殺すしかないでしょ?
「いっその事、監禁しちゃおっかな」
「頭おかしいな」
「……笑」
頭おかしい。それは俺にとって最高の褒め言葉でしかない。
だって、彼女のためにここまで俺は尽くしてきたんだよ?笑
彼女のためなら、頭だっておかしくなる。
だって愛してるんだから。
「お前、〇〇に引かれねぇのかよ」
「引かれたら監禁しかないよね」
「……」
岩ちゃんは引いた目で見てるけど、俺は本気だからね。
彼女に捨てられたら、俺は生きていけない。
だって、彼女も俺の事愛してるでしょ?だから、監禁されたって嬉しいよね
「それでねー!」
最悪
教室に戻ると、彼女に近づいてる害虫がいた。
俺の彼女になにしてんの?
ほんと、腹が立つ。
いっそのこと、彼女に興味がある男、全員殺しちゃおっかな。
「ねぇ」
「あ!徹!」
その笑顔が、今では俺を苦しめる。
「この子は俺のものだから近づかないでくれない?」
「え?徹?」
彼女はびっくりしたような顔をしてるけど、これは全部〇〇のためだよ?
〇〇には俺だけで充分でしょ?笑
「ちょっとこっちきて」
俺は彼女の手を引いて、早足で空き教室まで向かった。
「徹…?」
「〇〇には俺だけだよね?」
「もう他の男と喋んないでよ」
「何で俺以外が〇〇の目に写ってんの?」
「そんなのおかしくない?」
「落ち着いて!!」
ちょっと喋りすぎたかな。
でも、〇〇を分からせるためにはこれくらい喋らないとわかってくれない。
「ねぇ、どしたの?」
「最近…徹おかしいよっ、?」
「は?」
俺がおかしい?
どこが?
俺は〇〇のために何もかも尽くしてきた。
〇〇は俺の気持ちに応えてくれないの?
「〇〇には俺だけだよね?」
「……うん」
何その間。
なに?俺以外の男と喋りたいの?
「ねぇ、他の男ともう喋んなよ」
「そ、それは無理だよ、!」
は?
なんで?
俺を愛してたらそれくらいいいでしょ?
〇〇には俺だけじゃないの?
「怖いよ、」
俺が怖い?は?なんで?
「あーぁ、俺…〇〇のために害虫駆除してたんだよ?、そんなこと言われると悲しいな」
「害虫駆除…って、…え?」
やっと意味わかった?
俺がいってる害虫は、〇〇の近くにいる男のことだよ?笑
天然で、憎くて可愛い俺の〇〇。
「おかしいよッ!」
「俺の事…愛してるんでしょ?」
「愛してる…愛してるけどッ!」
「…ほんと、〇〇は憎くて、可愛くて…殺したいほど…愛してるよ笑」
「ぇ、?」
彼女の大きな瞳から、大粒の涙が溢れる。
それさえも、俺は愛らしい。
「あーぁ、バレちゃったならしょうがないよね」
「と、とーる…ッ」
憎くて可愛い俺の〇〇。
「これからはずっと一緒だよ」
「い、いやッ」
昨日から、青葉城西高校の3年生。伊藤 〇〇さんが行方不明です。
警察は身元の確認を進めています。