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とある国のお話

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とある国のお話

24 - 第24話 次の海へ Ⅳ

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2025年04月07日

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これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。




ご本人様には一切関係ございません




エセ関西弁、捏造注意




その他の注意書きはプロローグを参照ください








でははじまります































見慣れたドアに鍵を差し込み、そのまま開けると、いつも通りの俺の家が広がっていた。

kn「っはー!お前んち全然変わってへんなー!」

rbr「そやろか?」

kn「うん、安心感ヤバいわ」

rbr「ささ、どーぞ」

knを居間へ案内する。正直我が家の変わらなさはダントツだ。中学へあがるときに家具の配置を変えたきり。親も俺もそういうのにあまり頓着しないタイプだからだろうか。

rbr「お茶と水とジュースどれがいい?」

kn「お茶で」

rbr「はい」

冷蔵庫からペットボトルを取り出し、コップを2つ出してトクトクと注ぐ。こぼさないように気をつけながらトレーに乗せて、knがくつろいでいる机の上まで運んだ。

水を一回飲み、お互いの緊張が解けたところで、話しかける。

rbr「さて、今度こそ何があったか教えてもらおうか」

kn「言い方悪役やん」

rbr「しゃーないやん。お前がなかなか言わないんやもん。何やねん、もったいぶって」

kn「いや、俺があんまり外で話したくなかっただけ。アイツらのためにも、な」

rbr「無理はせんでな?」

kn「うん、心配ありがとな」

大きな息を一つ吐き、knは綺麗な空色の瞳をこちらにまっすぐ向けて、割れ物を触るように、ゆっくり、慎重に話し始めた。






2年前の冬、佐山を出港して次の寄港地に寄ったあとに事件は起こった。

その時通る海域は冬は風が荒れがちで、あまり航海には適していない時期だった。でも、その時いた街は、紛争に巻き込まれ始めているのが危険な状態だったため、やむを得ず出航。案の定海は恐ろしいほど風の向きや強さが不安定で天気も悪く、しょっちゅう小さな島に立ち寄る必要があったほどだった。

入ろうとしてた港に思いもよらぬ悪天候で全く辿り着けず、ある日、嵐がやってきて、船が壊されてしまった。岩にぶつかった船腹が大きく損傷し、海のど真ん中に投げ出された3人は、そのままみんな気を失って冷たい海に漂いばらばらになってしまった。

knが気を失う直前に聞いた言葉は、zmの2人を呼ぶ声。shoは目を閉じて何も答えず、knは答えようとしたが口に海水が入り、さらに体温の低下ですぐに意識がとんだ。




次に目が覚めたのは、砂浜。誰もいない。ひどい疲労を感じていたが、このままここにいては死ぬと直感したknは、島の内部へ足を進めた。

何回か野宿をすると、軍の野営地のような場所に出た。人が多く行き来しており、怪我人も多数運び込まれている。ここまで来れば、もう大丈夫だと安心した直後にまた、彼は意識を失った。



それで、目が覚めればそこはもう、W国の中。しかも総統や幹部たちなどが実際に住居として使っている大きな屋敷の一室。シンプルだが綺麗な天井の模様に、古くて立派な家具。

誰も来ないし、呼びに行く気力もないので暇をしていたが、昼頃に一人の男が入ってきた。

黒い髪に黒い目。身長はやや低く、真っ白な軍服と腰にさげている大ぶりの日本刀が目を惹く。彼は、htと名乗った。どうやらこの軍で医者をしているらしい。優しい声色で、knの容体を心配してくれた。

ht「最初見かけた時、体温も心拍も下がってて、出血もあったから。あそこ、感染症がすごくてさ。傷口からすぐに菌が入って危ないんだ。無事で、本当に、よかったよ」

kn「何で、俺を連れてきたんすか…?」

ht「それは、ここの総統、grっていうんだけど。彼、君が運び込まれてきた時ちょうど野営地にいてさ。コイツは面白そうだから持って帰りたい、とか言い出して。ごめんね」

kn「マジですか」

変な総統だなぁ、と思いつつも、ここの雰囲気は非常に良く、しかも見ず知らずの少年を戦争中に助けるところからも、信頼できる。そう判断してknはここに居候させて貰うことを決めたのだ。









rbr「ほんっまに変な総統やなぁ。てか、総統って一番偉い人やろ?そんな人がいくら前線じゃないとは言えど野営地なんかに来て良かったんか?」

kn「あー、あの後書記長に怒られたらしいで。まあそうよな」

rbr「で、そこに2年間も居ったんか」

kn「うん。shoとzmの調査をしてて。でも、2年かけても全く成果が出なかったから諦めて先に零蛇に戻ろうって決めたわけ。W国の人たち、ええ人たちやったよ。忙しい中で俺の調査手伝ってくれたりしたし。変な人たちだったけどな!」

rbr「楽しそうで何よりだわ。まあ、とりあえず一人の無事はわかったんや。俺はそれだけでも嬉しいよ」

kn「すまんなぁ、ほんとはもっと早くrbrたちに全部伝えとくんだった…。言い訳みたいになるけどあの時は気が動転してて、rbrに伝えるって選択肢が頭の中になかってん…」

rbr「まあそれが普通の反応やろ。お前は何も悪ないで」

kn「そっか、rbrは優しいんやなぁ…w」

久しぶりに見た、knの諦めたようなあの笑顔。

kn「俺がさ、ちゃんと、航路決めて安全に行けるようにせなあかんかったのに、いくら緊急事態でも、冬の航海なんて馬鹿なこと、なんでしたんやろ。俺があそこで間違えなければ、みんなに迷惑かけずに済んだのに」

rbr「大丈夫やから。絶対アイツらは生きとるよ。あんなにしぶとい奴らやもん。心配するな。それにお前は立派に、紛争から船員を守ったやないか」

kn「うん、そっか、そっか、ありがとう、rbr…(グスッ)」

背中をさすってやると、少しずつ涙が出る量が増えていく。目をこするも、それも意味のないほどの涙の量だ。俺はただ黙って撫でることしかできなかった。

結局、彼は泣き疲れたのかそのまま寝てしまった。




コイツや、他の2人の受けた辛さに比べれば、俺が今直面している問題なんて、たいしたものじゃない。

こんなことでくよくよ悩んでいる場合じゃない。きっと大丈夫。上手くいく。気づかれなければいい。わからなければいい。何食わぬ顔で、平静を心に無理やり貼り付けて、生きていればいい。






だから、お願いだから、気づかないでくれ。わからないでくれ。

俺達のことに。

































――――――――――――――――――――――――――――――

こんにちは、てってれーです。

はい、というわけで答え合わせのお時間です。

knさんの、「この旅客船も沈んだらどうしよう」というセリフが2年前に何が起きたかへのヒントでした。

「この旅客船『も』」と言っているのがそういうこと。過去に何かの船が沈んだからこんな発言をしたのでしょうね。

毎度どうでもいい解説でしたね。

というわけで、さようなら〜

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