錆の都の再生に一息ついた鋼谷のもとに、一人の男が現れる。白い髪に覆われた頭、黒い目隠し、そして何よりも圧倒的な存在感を放つその男。
「お前が鋼谷か。話には聞いてるが、ちょっと試してみたくなってな。」
鋼谷は冷や汗をかきながらも、視線を外さない。
「誰だ、お前は?」
その男――五条悟は軽く肩をすくめ、にやりと笑う。
「僕は五条悟。最強だ。」
五条が手を軽く振ると、鋼谷は体が動かなくなったような感覚に襲われた。足元から見えない力が巻き上がり、空間が歪んでいるのがわかる。
「これが『無下限呪術』だ。俺とお前の間に無限の距離がある。近づくことすらできない。」
鋼谷は歯を食いしばりながら、その場で何とか意識を保つ。
「なるほど…だが、俺が異能で戦うやつだからって舐めるなよ。」
鋼谷は素早く手元のナイフを構え、それを投げつけた。しかし、ナイフは五条の周囲で止まり、虚空に消える。
五条は指を鳴らしながら嘲笑するように言う。
「ほら、無理だろ?それが僕の力だ。絶望してもいいよ。」
だが、鋼谷は笑った。
「無下限呪術、ね。たしかに厄介だが…何も考えずに戦う俺だと思うか?」
鋼谷はポケットから小型装置を取り出し、それを地面に叩きつける。装置が起動し、周囲に強力な磁場が発生した。五条の眉がわずかに動く。
「何これ?」
「異能はお前の呪術を理解する道具じゃない。ただ、戦うための準備をしてきただけだ。」
五条の足元の地面が裂け、大量の鉄鎖が巻き上がる。鎖は無下限呪術の領域で一瞬止まるが、磁場干渉により突破を試み始める。
「へえ、ちょっと面白いな。」五条は笑いながらも、本気の構えに入る。
「なら、僕の『領域展開』を味わわせてやるよ。」
「させるか!」鋼谷は叫び、全力で動き出す。
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