ライトアップによって照らされる園内。全てのアトラクションが光によって輝いている。その中心に佇む人影。黄色とオレンジ色のグラデーションがかった髪の毛の男の子と、ピンク色の髪の毛の女の子。そしてその周りにはたくさんの人々の影。ピンク色の髪の毛の女の子は口を開けて、言葉を放った。
「……私にもできました!みんなを笑顔にできる魔法……!」
その言葉は震えていた。今にも泣きそうだけれど、笑っていた。
それから数分が経ち、あの2人の他にもう2人が出てきた。そしてその4人が並ぶと「ありがとうございました!」とお礼を述べた。その瞬間、盛大な拍手の音が大きく響き渡った。そう__これは、 “ ショー ” をしていたのだ。あの彼らは、ショーキャスト。さっきまで演じていたのだ。この園内の中心で。たくさんのお客に見守られながら__________。
あのショーから “ 彼ら ” は色々なところでショーをしていた。最初は海辺近くのショーステージで。次は大きな庭園で。その次は音楽堂で。その次は未来館で。でも、未来館から彼らのショーをしている姿が見えなくなった。だが数カ月後。新年の夜明け前___海辺でショーをしている彼らを見つけた。そのショーは、近くに居る人を巻き込んでやっていた。海辺のときは素敵な歌を歌う人たちだった。それから次は山へ行って、その山の頂上では素敵なダンスを踊ってくれる人たちがショーに巻き込まれていた。ああ、あの人達はアイドルらしく、配信中だった。その次はスキー場へ行って、そのときも歌を歌ってくれてた。そして最後に行ったのはショッピングモール。そのとき、事件が起きた。曲が止まってしまったのだ。なんとかアドリブで場を持たせようとするも、人が離れていく。そんな時、一人の少女が即興でピアノを弾いてくれた。それで難を逃れたのだ。
後から分かったのだが、あのときショーに巻き込まれた人たちは全員彼らの知り合いだった。
__いつか別れが来るっていうのは、分かってた。でも、そんなのまだ先だって思ってた。あたしが思ってるよりも、別れは近づいて来てるんだ。
__その時は、みんなで良かったねって笑い合いたい。
__あたし、やっぱり司くんのショーが好きだよ……。
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