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わぁぁ!感動的なすぎません!ジミナ色見えてたし!もうめっちゃ最高です!これから頑張ってください!!
テヒョン .. 耳 ........😭 今回も最高です、神確ですね。 これからも頑張ってください💪
ジミン色見えた!? めっちゃ最高です!続きが楽しみ♪
仲良くなるのにそこまで時間はかからなかった。
笑顔で話を聞いてくれるソクジンさんが眩しくて僕は目を合わせる事が出来なかった。途切れ途切れの僕の話はきっと聞きにくいはずなのに楽しそうに頷いてくれるソクジンさんは天使にしか見えなかった。
ていうか、テヒョナの兄と言えば優しくて可愛くて面倒見が良いのってこの人だったのかぁと納得してしまうほど美しい人だった。
きっと僕も自慢しちゃうんだろうなぁ。こんな人が兄だったら、友達だったら、
恋人だったら________
自分の頭に浮かんだ言葉は自分も恥ずかしくなってしまうほど率直な言葉だった。顔がボッと赤くなるのが分かる。初対面なのにこんな感情を抱いてしまった自分に僕は混乱してしまった。綺麗すぎでしょ、なんて言う勇気もない言葉が浮かんでは恥ずかしくなって掻き消す。
🐹「…話すの好きなんだね。」
ふっと笑った彼に僕は首をかしげた。テヒョナは「話すの嫌い?」と問いかけてきたけどソクジンさんはその逆。なんとも対立している二人が面白くって僕は口元を緩めた。兄弟でもそういう所は違うんだなぁ。そういえば、テヒョナとソクジンさんの顔もそこまで似てないし。両方綺麗ではあるんだけど、綺麗のジャンルが何処と無く違う気がした。
僕はテヒョナと真逆のことを言っているとは伝えず、「そうですかね?」と疑問形の返事をしておいた。そんなことより、聞きたいことがあったんだった。
🐥「…テヒョナはどうして病院に…?」
僕が投げ掛けた質問は彼にとっては凄く重いものだったみたいだ。
先程まで凛々しかった眉毛がハの字に曲がり綺麗な光が指す瞳が僕を見つめた。そんな彼の瞳に見とれてから約一秒後、僕は我に返って自分がどれだけ失礼なことをしたのかに気が付いた。
どうして病院にいるのなんて答えることはきっと苦しいだろう。弟が何らかの症状で苦しいんで悲しんで病院に来たのにこんなにのうのうと事情を聴くなんて無礼過ぎる。僕は勢いよく頭を下げ「すみませんっ、すみません!!」と謝罪した。
🐹「いやいやっ、謝らなくていいよ!お隣さんだし、そりゃ気になるよね!!」
きっと彼も傷ついたのだろう。自分だって答えるのだって苦しいはずなのに相手のことを尊重して笑ってくれる貴方のせいで僕の心臓はドクッと脈を打った。
🐹「…テヒョナはね、聴力障害なんだ、」
聴力障害
綺麗なお口から放たれた言葉はあまりに信じがたいものだった。嘘としか思えなかった。本当ですか?と確認したかったが、彼の真っ直ぐとした強い眼差しを疑うことは僕には出来なかった。
🐹「……信じてない?」
悲しそうな声で問いかけられたもんだから僕は首がもげるぐらい激しく顔を横に振った。違うんだ。そんな顔、させたい訳じゃない。信じてない訳じゃないんだ。きっと先程浮かんだ疑問が顔に出ていたんだろう。
🐥「信じてない訳じゃないです……ただ、テヒョナとは普通に話せました…すんなりと、だから聴力と聞いて、驚いてっ、」
🐹「…信じてないじゃん。」
🐥「うぇっ!?違いますっ!本当に!!」
「嘘だよっ、嘘!」と笑う貴方の顔を見るからして本気と言うわけではなくからかっているだけだと言うことが分かった。この人も充分、分かりやすいなぁと心の中で思っているとソクジンさんは話を続けた。
🐹「うん…びっくりするよね…僕もお医者さんから聞いたときはびっくりした。」
🐹「あんなに楽しそうに人の話を聞くテヒョナが難聴だなんて……本当、彼奴には驚かされてばかりだよ、」
夜空に向かって笑いかける貴方はどこか儚げな顔をしていた。大切な弟が病気なんて辛いんだろうと僕は身に染みて感じた。あれ、何でだろう。家族なんて仲間なんて居たことなんか無かったのに、何だろう、この懐かしい感情は。
僕は胸を縛り付ける感情を無理矢理引き剥がし彼の話に集中した。
🐹「…お医者さんが言う限り、テヒョナは日に日に聞こえる言葉を失うらしいんだ…今はまだ、大丈夫みたいなんだけどさ……言葉が聞こえない世界ってちょっと気になっちゃうよね!」
彼はまた先程と同じような笑顔を見せた。無理してることぐらい初対面の僕でも分かりますよ。言いたかった言葉は冷たい風と一緒にどこか遠くへ流れ込んでいった。
僕はかける言葉を失った。そっか、テヒョナも僕が色を失うように音を失うんだ。音と言うのは凄く大切で掛け概の無い物なのに。色なんかよりも音の方が断然、重要なのに。僕より重症なのに怖がりもせず笑うテヒョナは凄いと思った。
🐥「…テヒョナって、凄いですね。悲しい顔1つせず生きて…本当に強い奴なんだなぁって思います。」
僕が笑い混じりに声を出すとソクジンさんの目が大きく見開いた。でも「どうかしました?」と声を掛けると何でもないよと、首を振られてしまった。この人はテヒョナみたいな馬鹿正直とは違って素直じゃない人だなぁと思った。貴方だって辛いんだったら言えばいいのに。なんて、僕に言われたくないか、と笑うと貴方は何も知らないくせに自分のことのように楽しそうに笑った。
二人の夜も悪くないな________
口から溢れていた言葉は貴方の耳にも届いたのか「ふふっ、素直じゃないなぁ~!!」と笑う貴方の顔が僕の世界にまたパッと色を与えた。一瞬だけれどそれは明確に見えた。もう一度と試みてみるけれど意図的にできるもののようではないようで。僕は諦めて言い返した。
🐥「ソクジンさんに言われたくないです!!」
参話 儚空と素顔