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檻のなかのアイドル

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檻のなかのアイドル

1 - episode1ー開かれた檻の鍵ー

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2025年06月22日

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――Scene 01:開かれた檻の鍵
楽屋の空気が、どこかおかしい。

ライブを終えたばかりで、照明の熱と歓声の余韻がまだ身体にまとわりついてるのに、それとは違う熱が、喉の奥でじんじんしていた。


🎼☔️「……っ、まずい……」


フェロモン抑制剤――

ポーチに入れたはずの薬を探す指が、焦りで震える。

どこにもない。さっき着替えたときに、落としたかもしれない。


🎼🍍「こさめ……何してるの?」


その声を聞いた瞬間、心臓が跳ね上がった。

入り口に立っていたのは、こさめの専属マネージャー――なつくん。


🎼☔️「な、なつくん……ごめん、ちょっと……薬、忘れてきちゃって……っ」


🎼🍍「薬?」


なつくんが扉を閉め、カチリと鍵の音がした。

まるで、檻に閉じ込められた小動物みたいに、こさめは動きを止めた。


🎼☔️「なつくん……?」


🎼🍍「今日がヒートの兆しが出る日だって、わかってたよ。

でも、あえて何も言わなかった。お前がどうするか、試してたんだ」


🎼☔️「……試して……?」


🎼🍍「お前が“自分の意志で俺を求めてくるか”ってね。

でも、やっぱりΩってのは、身体のほうが正直だ」


ゆっくりと近づいてくるなつくんの視線が、熱い。

マネージャーの顔じゃない。

アイドルの管理者でもない。

獣みたいな目。


🎼☔️「やだ……だめ……ここ、楽屋だよ……?」


🎼🍍「だから?」


こさめの身体が、壁に追い詰められる。

背中がぶつかって、小さな音がした。

首筋に視線を感じて、ぞくっと震える。


🎼🍍「ここがどこだろうと関係ない。俺のものが、発情してるってだけで――十分だろ」


🎼☔️「っ……こさめは、アイドルだよ……こんなとこで、汚されちゃ……」


🎼🍍「汚さないよ。

ただ、お前が誰のものか、ちゃんと身体に覚え込ませてやるだけ」


そして、なつくんは、懐から小さな金属製の道具を取り出した。

それは、手錠だった。しかも、ただの手錠じゃない。アイドル用のブレスレットに偽装された、静音の特殊製。


🎼☔️「なっ……なに、それ……やだっ、離して……っ!」


🎼🍍「暴れると、もっと強いやつにするよ?」


言葉に冷たさはなかった。むしろ優しさすらあるのに、ぞっとするほど怖い。

気づいていたのか。こさめがずっと、なつくんの“優しさ”を少し怖いと思ってたことに。


カチリ、と音を立てて、手首に嵌められた。

左右の腕が頭の上で固定されて、身動きが取れない。


🎼☔️「……や、だ……恥ずかしいよ、こんなの……っ」


🎼🍍「うるさい」


次の瞬間、首筋に唇が触れた。

舌先が熱を探すように這って、耳の後ろまで舐めあげられる。


🎼☔️「やだぁ……やめてよぉ……っ、こんな、熱、ばれちゃう……」


🎼🍍「バレてもいいよ。

どうせ、このあとお前は、俺の家に“監禁”される予定だったし」


🎼☔️「……え……?」


🎼🍍「お前が薬を忘れたのも、ヒートが来るのも、

俺がスケジュール空けたのも……全部、計画通り。

だから、安心して堕ちて」


なつくんの手が、腰を撫でる。

熱のせいで、そこはもうぐずぐずに濡れていた。

言い訳も、恥も、全部無意味になる。


🎼☔️「お願い、こさめのこと、壊さないで……っ、アイドルなの……まだ……」


🎼🍍「お前は“俺のもの”だよ、こさめ」


そして、ヒートの匂いに包まれながら、

楽屋という檻の中で、アイドルはマフィアに飼われるΩへと、変わっていった。

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