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イタチ視点
イタチ「カナメくん!!!大丈夫!?」
どうしよう…ていうか…あっつ!!服越しなのにこんなに熱いの?!もしかして、風邪引いてる?だとしたら早く家に連れて行こう!!
まぁ、おんぶでいっか
イタチ「軽…!?」
高1ってこんなに軽いの!?僕握力どのぐらいだっけ。片方ずつ40ぐらいあったっけ?まぁいいや。思ったより近くにいてくれたから早く家に着きそう。
イタチ「カナメくん、大丈夫?」
「はぁ…はぁ…」
寝てるのかな。けど、しんどそう。
かなめくんの前髪はいつも目の見えるようなセットをされているが、今はそのセットも崩れていて、上手く目が見えない。
家に着き、ドッタンバッタンと雑に玄関のドアを開ければ、朝「カナメがいないのかぁ…はぁぁ」
とデッカイ溜め息をつきながら出て行った兄がいた
「「イタチ誰を連れてき…た。え?カナメ?」」
イタチ「え!兄ちゃん!?何で!?」
「「あ〜…そういや言ってなかったっけ?急遽午前中で終わりになったんだよ」」
早く言え
イタチ「そんなの知らないよ!ていうか散歩してたら、カナメくん急に倒れちゃって…どうしよ!」
「「…はぁ?」」
イズミ視点
おいおいマジか…。昨日の間に何があったんだよ。
壁へともたれて座ってるカナメは、目が前髪で隠れて見えないが、頬が赤い。
「「…カナメ熱とか…あっち!」」
イタチ「僕が運んでる間もすごい熱くて…」
「「こりゃ〜ヤバいな。俺の部屋へ運ぶからイタチ、濡れたタオルとピエピタ持ってきてくれ」」
イタチ「わ、わかった」
イタチ(お姫様抱っこして運ぶんだ)
姫抱っこして気付いたが、心做しかカナメ、痩せたように感じる。体型は変わらないが軽くなったように感じる
ほんと俺のこと心配させまくる奴だ
「「ベッドに寝かすか」」
ホントに熱い。汗かいてねぇか?
念の為確認するか。
ちょっと腹を捲らせてもらうな。
…腕も首周りも、腹もすげぇ汗。
歩いてる間も汗かいたんだろう。このままにしておいたら良くねぇから…。
また俺の服着させるか。
ズボン履かすのは…顔を上向いてやるか。服着せるのは見てもいいか。
ホント腹筋すげぇけど、腹にあるこの大量の傷跡はなんなんだろうか。
きっと見ちゃいけねぇもん。そんなのは分かってる。けど、汗かいて腹冷やして欲しくない。
悪ぃな…こんなイズミで
イタチ「兄ちゃん〜持ってきたよ」
やっべ、隠さねぇと
カナメの腹を隠すために捲っていた服は元に戻し、布団をかけた。
「「おーグッドタイミング。サンキューな」」
イタチ「あれ?カナメくんの私服放り投げられてるけど。なんで?」
「「汗で濡れてたから、俺の服着させた」」
ピエピタおでこに貼らして、腕と首を濡れタオルで汗拭いとこ
イタチ「なるほど〜。じゃあ僕テスト近いから勉強してくるね。カナメくんちゃんと看病させてね!」
「「舐めんな!」」
「「……なぁ〜カナメ…。お前、何を抱えてんだ?10年でも待つからよ…教えてくれよ」」
俺はそうカナメに言いながら頭を撫でたが、寝ているから返事などない。カナメ見てると眠くなってきたな。
カナメ視点
…体しんど。久々にこんな身体中だるくて動きたくないような風邪引いたな。ていうかこれ、どこの天井?それに、何か手握られてる?
起こしたくないダルい体を起こして手握られてる方を見ると、イズミが俺の手を握って床に座って寝ていて、私服はハンガーに干されてた。
というか、なんでイズミの部屋に?…あー、そっか。俺、イタチくんの目の前で倒れたんだった。
「「…あ…?カナメ?!大丈夫か!?」」
「え…うん。ずっと看病してくれてたの?」
イズミはあの時に俺が死にかけの時のような驚いた顔をしていた。
けど、そんな顔は一瞬で、すぐにいつも通りの顔を見せてくれた。
「「ったりめぇ!イタチもいるけど、テスト勉。まぁ、そうじゃなくても俺が看病するつもりだったけどな」」
「…そっか。ありがとう」
「「治るまで泊まって行けよ?そんな体で帰す訳にはいかねぇし」」
「ほんっと、敵わないや。ありがとう」
(俺を何回心配させる気なんだか…)
「「そーいや何分寝てたっけな…。うわ、1時間程寝てたか。ピエピタ張り替えるぞ」」
「え?貼ってたの?」
「「気付かないほど乾いてたか…ごめん。寝てて」」
「いやいや。看病してくれるだけありがたい」
「「うわwめっちゃカピカピw」」
「ほんとだw」
「「…よし、貼るぞ?」」
「うん」
ペタッ…と、額に段々冷たいのが伝わってくる
「冷た…」
「「俺も貼ろっかな。暑いし」」
「え?w」
「「…冷て…!は〜気持ちいい」」
「ホントに貼ったw」
「「仲間入り〜w」」
「面白w」
体がダルいし、まだやらないといけないのがあるのに…イズミとまだ話していたい。寝たくもない。体調なんてどうでもいい、と思えるほど今が心地良い。
「「あ、そうだ。俺学校帰りにゼリー買って来てたんだよ。食うか?」」
「小腹空いてたから食べたいかも」
「「おっけー。ちょっと待っといてな」」
母さん達の葬式を終えてから、なんだか気持ちが軽くなったが、結局俺はダメダメだ。
あ〜、そういや墓出来るっけな…。
それもまた予定聞かなくちゃ…
いつもイズミに助けて貰ってばっか…情けなさすぎる。
「「おまたせー。はいこれ」」
「ありがとう…って真ん中にアイスあるの!?」
「「そーなんだよ!これを見た時カナメに食って欲しいなって思ってさ!」」
「マージ最高。いただきます」
「…美味!アイスの部分も美味い」
「「そりゃあ良かった〜!それ食って早く元気になってくれよ」」
「ありがとう」
優しいな。
ふと、イズミに手を握られてるのを思い出した。凄く暖かかった。イズミと過ごしていると、毎日のようにその温もりに触れていた。まるで俺までもその温もりにへと溶け込んでしまいそうな。
今はただその温もりを、感じ続けたい。
いつか、この温もりが苦しくなってしまう日はあるのだろうか
「ごちそうさま」
「「あいよぉ。俺も今度また買って食おっと」」
「…ね、今日何日?」
「「ん〜?7月15じゃねぇ?」」
「そっか〜」
…丁度俺のいじめが過激になった日か。
「「…」」
「「急に聞いてきてどーしたんだ?」」
「…んや!何も無いよ」
流石にいじめされた〜とか、簡単に言えるわけないし。
「「そーかー」」
「「あ、調子はどーだ?」」
「倒れる前よりはマシになってきたかな」
「「そりゃ良かった」」
「「あ、母さんから電話だわ。ちょっと部屋出るな」」
「ん。わかった」
…スマホスマホ。あ、あった。
スマホのトップ画面を見ると、LI○Eやらゲームの通知があったが、もっとも目に入ったのはあるニュースの記事。その内容の記事は
「5年前からあった新たな病気」
というタイトルだった。
母さん達が病気発覚したのは丁度5年前だった。まさかと思いながら、その記事の続きを見た。
「その病気の初期症状は不定期に起こる全身激痛。日に日に体は毎日のように全身激痛を起こし、調子が良い日でも痛みはあるということ。
酷い場合には、激痛が全身に走り、焼かれているような感じとなるという。
初めにかかったのは2人の夫婦。その2人以外にその病気はかかっていないということが分かった。日本では治療の仕方がないため、海外へと引越したが、新たな病気なため、治療薬が作れないということがあり、そのまま病院で最期を送ったという事。
実際に、そのお2人の調子が良い時にお話を聞いた所、「息子がいて、その子に辛い思いをさせた事を後悔している。治る確率は少ないが、今より調子が良い時に息子が住んでる家へ行って、1日でも暮らしたい」と言っていた。
治療薬が早く作られることを望み、この2人以外がかかっても、このような辛い思いをしないように我々は望んでいる。」
そんな事を書いていた。
完全にわかった。この記事は、母さんと父さんの事を言っている。俺の事を話していたのだろうか?あの時帰ってきたのも、調子が良かったのか…俺の成長した姿、ちゃんと見て欲しかったな…無理して帰るべきだっただろうか。
正直、ニュースの記事に載って欲しくなかった。
なぜだかは知らないけど、忘れようと頑張っても、忘れられなくて、辛さが戻ってくる。
通知が来てから5分程というのに、イイネやコメント数は100を超えていた。
あまり見たくなかったが、手はコメント欄へとスワイプしていた。
コメント欄
ゴリラマッチョ「新たな病気なのが故に症状がキツすぎる。その夫婦に産まれた息子さんは、きっと命を大事に出来ている人でしょうね。その夫婦も、息子さんも幸せが降り注ぎますように」
( ᐛ )「新たな病気ってだいたい辛い思いするのなんなんでしょうね。全ての病気が治せる世界になって欲しいな」
白桃「息子さんに幸あれ」
ナンバー6「新たな病気だとしても、どんなものでも、不可能でも可能でも治療薬を作るのが仕事だろうが」
☆「その夫婦がどんな状況でも、いつでも息子の事を考えられる夫婦、なんて優しい人だ」
驚いた。俺らの家族をこんなにも幸せを願ってくれてるなんて…でも、あまりこれは広まって欲しくない。公に誰かがしたら元も子もない。
「「お待たせ」」
「あーおかえり」
イズミが帰ってきた瞬間に、ニュースの画面を消し、ベッドに置いて、また忘れようと考えた。
「「もうすぐ母さん帰ってくるってさ」」
「そっか。また挨拶するね」
「「おう!あ、カナメのことは話してるから!大丈夫だからな!」」
「ありがとう」
「「あ、リビング行けれそうなら行かね?そうしたら母さんに挨拶出来るし」」
「そうしようかな」
「「おっけー。じゃあ俺の手掴んどけよ?」」
「はいはい」
いつもなら恥ずかしさで拒否ってしまうが、今拒否をすれば倒れる予感しかしないため、受け入れて、待っている手に俺の手を添えた。
イズミ母「ただいまぁー!」
バーンッと、リビングの扉を豪快に開けた音がした。
「「おかえり母さん」」
「またお邪魔してます」
イズミ母「あーいやいいのよ!風邪が治るまでゆっくりしてって!」
「はい」
イズミ母「にしても、新たな病気が見つかったなんて嫌なものねぇ」
「「え?」」
イズミ母「何か2人の夫婦だけかかってて…まぁ亡くなったらしいんだけどね…。初期症状も結構重い感じの病気らしいわよ」
「……そうなんですね。俺らもかからないようにしたいですね」
イズミ母「しかも息子さんもいたらしくてね〜。息子さん幸せになって欲しいものよね」
「「ふーん?新たな病気ってだいたい重いのしかないよな」」
「…… 」
イズミの母さんもあの記事見たのか…。その息子が俺ってことは気付いてないようだから一安心か。
何かフラフラする。視界もおかしくなってきた…
「「あ、母さん。今日さ寿司とかにしねぇ?」」
…?何か、腰に手添えられてるような…。
もしかしてイズミ、俺がフラついてるの分かってて…ありがたいな…。
イズミ母「あーいいわね!丁度何作ろうか悩んでた所だったから。カナメくんもそれで良い?」
「あ、はい。構いませんよ」
「「じゃー決まり。俺ら部屋戻るわ。カナメ、行こーぜ」」
「う、うん」
「「ベッドに座ってていいぞ!ごめんな?風邪ひいたばっかなのに立ちっぱにさせてしまって」」
「いやいや、イズミが手添えてくれたからありがたかったよ」
「「なら良かった!寝なくて大丈夫か?」」
「ん〜寝よっかな」
「「おっけー。じゃあ俺何かゲームとかしとくわ」」
なんか、寂しい。1人でもないし、なんなら傍にイズミがいるのに…こんな寂しさがあったら寝れない。
「…その、さ」
「「?」」
「……ひ、ひとりで寝るの…今寂しいから、添い寝してくれない?」
顔が赤くなっていくのが分かる。風邪を引いていると言っても、この顔の熱さは違う。
イズミにもバレてるって思うと恥ずかしい
(くっそ可愛い。顔赤いし…可愛いし…こんなのNOなんて言えるわけがない)
「「もちろん!!」」
「じゃあ…おやすみ」
「「おー!おやすみ」」
安心する。またイズミのこの温もりに触れられる。やっぱ暖かい。
それに…あの時のような心臓の音…。落ち着く
イズミ視点
カナメ寝るの早!
というかやばーい。心臓の音カナメに伝わらないよな!?絶対心拍数上がってる
まぁ…伝わっててもいっか。カナメの存在自体が落ち着くなぁ。でも、初めに出会ってた時より…何故か辛さか何かが混じってるように感じる。
カナメの何かのが不安定なのか…?
何かのチャンスでカナメの事聞けれないかな。
いやいや…そんな聞きたがりの俺じゃないだろ。いつでも待つって決めてんだ。
…眠くなってきたな。
やっべ、手痺れた。起きよ…1時間ほど寝てたか
多少楽になれたし。またカナメの看病するか
寝かした体を起こし、カナメの寝顔が目に入る
…カナメって寝てる顔可愛いな…。
不思議に俺のおでこをカナメのおでこに当ててしまっていたから、早く起き上がろうとしたら…