💚side
メンバーが揃って、まずはライブの打ち合わせから。
セットリストはもちろん、衣装や、グッズなど、話し合いは多岐に渡る。
俺は結構この時間が好き。
みんな、自分のいるグループが好きだから、活発に意見が交換されて、そうしているうちにだんだん本番へのイメージが湧いてきて、ワクワクする。
💜阿部ちゃん、書記お願いしていい?
ふっかに呼ばれて、俺は立ち上がった。
みんなが不思議そうな顔をしている。
あ、やば。
今俺、翔太だったっけ。
❤️翔太じゃないよ(笑)
💚(in💙)だな!あははは!
肝心の翔太は、あまり眠れなかったせいか、あろうことか居眠りをしている。
そしてみんなの注目の前でついに船を漕ぎ始めた。
翔太は康二につつかれて、やっと目を覚ましたようだ。
🩷阿部ちゃん、今朝早かったもんね。俺がやるよ
見兼ねた佐久間が代理を買って出てくれて、なんとか場が収まる。
💜あ、そっか。生放送か。何時起き?
💙(in💚)昨日はほとんど寝てないんだわ
💛しょ、阿部!
照まで巻き込んでもうむちゃくちゃだ。
🖤昨日、俺の相談乗ってもらってて寝不足なんだよね。ごめんね、阿部ちゃん
💙(in💚)お、おぅ、まあ、気にすんな
蓮が涼しい顔でフォローした。
さすが役者。
いや、あれは地かも。蓮は意外と神経太いとこあるから。それにしても翔太は仕事モードじゃないと危ういな。
俺は頼もしさと不安と両方を感じて情緒が全く落ち着かなかった。
打ち合わせを終え、休憩を挟んで、差し当たっての3日後の音楽番組の収録に向けてのダンスレッスンになった。
ところが。
🤍しょっぴー、位置、そこじゃないよ
💜阿部ちゃん、なべの歌割りだってそこ
俺たちはすっかり忘れてた。
大体の振り付けは入ってるけど、お互いの動きなんてほとんど頭に入ってないことを 。
💛翔太、阿部、ちょっと来て
照がすぐに気づいてくれて助けてくれた。
リーダーの一声で練習が中断される。
ダンスが壊滅的になった俺と翔太は別レッスンをすることになった。
こういう時、リーダーが味方なのは心強い。
状況を心配したふっかが、照に協力を申し出た。
💜俺も手伝おうか?
💛あ、いい。俺で足りる。二人、来て
💜ちぇっ、なんだよー
ふっかがへそを曲げそうになったのを、蓮が追いかけて来てカバーしてくれてるのが見えた。
🖤ふっかさん、ふっかさん、ここ教えてほしいんですけど…
別室にて。
💙(in💚)これは盲点だったな
💛特訓だ
💙(in💚)まじかよ…
💛阿部は歌もあるからな
💚(in💙)…だね
ただこなせばいいんじゃない。
お互いの癖や仕草を完璧にマスターしなければならない。
これはちょっと考えただけでも大変な作業になりそうだ。
照の号令で全体練習は早々に切り上げ、俺たちは蓮も含めて4人で居残り練習することになった。
全く次から次へと面倒な問題が山積みだ。
そんな中。
俺は帰る舘さんに、トイレで会って声を掛けられた。
❤️ねえ、翔太
💚(in💙)なに?
❤️お前、本当に翔太?
💚(in💙)え……な、何言ってんだよぉ。当たり前だろっ
咄嗟に誤魔化すが、笑い方がぎこちなかったかもしれない。
❤️ふーん。まあ、いいや。またね。居残り練習、頑張って
💚(in💙)はは。また…
ゆり組こわっ!!!!!!
本気で鳥肌が立った。
とりあえず、この件は隠しておいた方がいいよね?
みんなに心配かけちゃうし…。
ほんとに、いつまで続くんだろ…この生活。
俺は照の特訓を受けるために、足早にレッスン室へ戻った。
コメント
8件
すごーい!! 展開がおもしろい! 確かに歌にダンスに入れ替わってるから大変だ! 続き楽しみにしています🥹✨
月曜から昼間の執筆ができなくなります😞でも大体最終回に近いところまで書いてるので出せそう✨ 楽しんでいただけてるといいのですが😅執筆活動ってほんと孤独ですわ笑