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コメント
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うう〜やばい、、、、ホビには病んで欲しくない、、、、欲しくないけど、そんな病んだホビもかっこいいと感じてしまう
AKO ~😭 ホビが元気ない😢 アミの前では弱音吐いていいんだよ? ホビのにこっとした笑顔がみたい~😭
私は貴方のホビホビスマイルで生きてきたんです✨お願いだから病まないで…
笑顔だって疲れる。
口角を上げて楽しそうな声をあげるだけ。それだけでも疲れたと思うのは俺が本当に楽しいと思っていないから。気持ちと表情が合っていないから。それでも俺の笑顔でみんなが笑ってくれるならそれで良いのかな。安心してくれるならそれは俺にとっての幸せなのかな。感情が見えないってことは良いことなのかな。そう考えてしまう毎日だった。あの日までは。
『アイツじゃね?ジェーホープって奴、』
『えっ?ww何て?ジェーケープ?www』
『バッカ、お前、ジェーホープだってwww』
『あぁ~ごめんごめんwwそいつあんまり人気じゃないから分かんなかったわ、あれだろ?そいつ。えぇーと、そう!』
『ずっと笑っている変な奴!!』
皆にとっての俺の印象は「笑っている」ってだけ。まるで悲しいことなんて無かったかのような、簡単にアイドルになれたかのような印象。苦しさも悲しさも辛さも俺にだってちゃんとある。今までの努力も経験もまるで無かったかのような。俺のすべては笑顔だった。笑っていれば安心してもらえる。なのにどうしてだろう。俺の心には不安がいっぱいだった。でもそれが伝わらない。ずっと笑ってるから。そういうキャラが植え付けられているから。
俺は泣いちゃいけないんだって。
🐰「ホソギヒョン!!すみません……マグカップ…割っちゃいました……」
🐯「…ヒョン、すみません。この前復元してくれたダンスのデータ…また消しちゃいました…」
🐥「…ごめんなさい…ホソギヒョン…ホソギヒョンが取っといていたモンブラン…食べちゃいました…」
🐱「ホビ、すまねぇ……お前の服に珈琲の染み作っちまった……」
🐨「ホソガ、本当にごめんなさい……ホソガから借りてた本の132ページ、破ってしまいました……」
🐴「……ううん!気にしないで!」
こうやって笑えばみんな安心してくれる。本当は言いたいのに。「またぁ~?」とか「何してんだよ!」とか不満も愚痴も言いたいのに。どうして俺には言えないんだろう。怒ったら泣いたらみんなどんな顔をするんだろう。嫌われてしまうかもしれない。「あの人あんなに怖かったんだ」って距離を置かれてしまうかもしれない。ちょっと怒っただけでも皆は目を見開かせて珍しいなぁと俺の事を鑑賞物かのように見つめてくるに違いない。
笑っている自分が好きな訳じゃない。一生懸命笑顔を取り繕って笑っていないのに笑って。本当の自分じゃないみたいに皆に愛想を振り撒く。それが皆にとってのチョンホソク。でも俺にとってのチョンホソクは全く違う。本当はもっと怖くて性格は悪い方で優しさなんて微塵もない。なのに皆が「優しい」と言ってくれるのは本当の俺を知らないから。だからって自分の本当を見せるつもりはない。嫌われてしまうのが怖いから。あぁ、やっぱり俺って自分の事ばっかだ。
🐥「…ホ、ホソギヒョン……」
🐴「…ん?どうしたの?ジミナ。」
🐥「あっ、あのっ…ホソギヒョンの服、洗濯物干してたらとばされちゃって……そのぉ……ごめんなさい!!!」
あぁまただ。また嫌なことが続く。わざとじゃないのなんてとっくにわかってる。謝ったって結果はわかってるんでしょ。このヒョンは怒らないって分かってるんでしょ。なんて思っても俺に怒る勇気なんて無かった。
🐴「……いいよ!別に!気にしないで!!」
頭を下げていたジミナの体からホッと力が抜けた。にっこり笑いながら顔を上げるとジミナは俺の顔を見るとどんどん顔が青ざめていった。
🐥「すっ、すみませっ、やっぱり怒ってますよね!!」
🐴「ん?どうしたの?ジミナ。気にしないっでって、」
🐥「…ホソギヒョン、怒って、」
🐴「だから、怒ってないよって、」
🐥「だって……ホソギヒョン、顔、怖い………」
嘘だ。顔が?俺の顔が?怖い?俺は笑っているんだぞ。今までと同じように。皆の知ってるチョンホソクだよ。笑顔のチョンホソクだよ。まるで古くなったおもちゃかのような孤独感。俺には笑うことしかできないのに。俺は、俺は、
笑うことも認めてもらえない?
🐥「あ、ホソギヒョン………行っちゃた……」
悲しそうな顔で俺の背を見つめるジミナの顔が脳裏に出てくる。
よくそんな軽々しくできるよな。
俺にはできないのに。
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布団に潜ってもお気に入りの曲を聞いても大好きなモンブランを食べでも俺の気持ちが晴れることは無かった。俺の中に降り続ける雨が俺を一人にする。周りが見えなくてただ冷たい雨の中、俺の「生きる意味」を探している。「生きようと思う意味」「生きなきゃいけない意味」考えれば考えるほど俺の気持ちは重くなるばかり。笑っていなきゃ。眉を上げなきゃ。口を緩ませなきゃ。目を細めなきゃ。またあんな目で見られる。
ジミナと話した後、鏡の前で笑ってみた。目の奥が笑っていなくてどんどん口角が下がっていく。怖いと言ったジミナの気持ちがよく分かる。感情がないような顔だった。
あっ、そうか。俺にはもともと感情なんて無かったんだ。俺の笑顔に感情なんて。
眠れない夜の中をさ迷いながら俺は目を瞑る。「笑う」という俺の一番の疲労を癒す方法はもう俺の中にはどこにも無かった。
一番の疲労1 終わり