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Bはその後も私を虐め続けました。

もちろん紗良も私がいじめられていることをを知っていました。

紗良は離れようとせず私のそばにいつも居てくれました。

Bにはずっと片思いしている好きな人がいました。

それが彼です。

“類は友を呼ぶ”という言葉がありますがやはり似た人間を好むのは当然なのでしょうか。

紗良が彼にキスした日から全てが壊れました。

私を助けたせいで紗良は、虐められるようになりました。

学校は紗良の強敵です。

好きでもない男に抱かれてその腹いせで虐められて。

なぜ紗良は私を恨まなかったのでしょうか。

それが一番の疑問なんです。

紗良が、私と過ごすメリットはなんだったのでしょうか。


Bの紗良への虐めは日に日にエスカレートしていきました。

最初は悪口程度ですんでいたのですが殴る、蹴る、他の男を使った性的暴行だってありました。

紗良が何をしたというのでしょうか。

私はどうやってBに復讐すればいいですか。

私はなんであの時紗良を助けれなかったのですか。

「あの!」

「中野さんのせいでは無いと思います。」

「ひとりで抱え込むのはやめましょう?」

素直に話せば心優しいあなたのような人が助けてくれたのかもしれませんね。

紗良を助けてくれたのかもしれない。

話を遮ってすいません。

Bはそれだけでは留まりませんでした。

彼はBが自分の事を好きなのを知っていました。

それなのにBを物のように扱いました。

都合のいい時にだけ呼び出して要らない時には冷たくする。

けれど紗良はいつも彼に優しくされていました。

なぜなら彼が本気で紗良に惚れ込んでいたからです。

それがBは気に入りませんでした。

Bがつけた紗良の身体の傷は高校入学の時には一箇所を覗いて消えていました。

大抵の人が知っているとは思いますが、紗良の右腕には大きな切り傷があります。

それは唯一Bが直接紗良につけた傷です。

暴力に耐え切れなくなった紗良はとある日Bに問いました。

「あんたがあいつに振り向いて貰えないのはそのひん曲がった性格とぶっさいくな顔のせいでしょう?」

「私に当たって何になんの?」

挑発的な言い方でした。

紗良がどれだけ遅くになろうとも私は必ず紗良と帰るようにしていました。

その日はいつもより遅く、紗良を探しに校舎を歩いていた時です。

トイレから鼓膜が気持ち悪い程に震える甲高い声が響いていたのです。

こっそり盗み見をしていました。

紗良がそうBに煽るとBは制服のポケットからなんだか飾りのついたカッター取り出し紗良の腕を力いっぱい切りつけました。

その時の紗良の地の底から響くような悲鳴を今でも覚えています。

Bは焦ったように取り巻きを促しトイレから出て来るのでした。

その時鉢合わせになり「黙っとけよ、言ったらただじゃおかないからな」という根拠もくそも無い脅しをしたのです。

私は急いで紗良の腕を止血しました。

ですがどう頑張っても紗良の腕からは血が流れているのです。

沢山の知識を脳内に入れるくせに大事な時に発揮できない自分を心底恨みました。

やっとのことで止血できた腕を見ると紗良の悲鳴が脳内で叫ぶのです。

それはそれは怖かった。

私は紗良の手を引き病院に連れていきました。

幸い親には連絡されずに応急処置をしてもらい数分したら腕の血は止まっていました。

医者には「よく止血できているね」と褒められましたが私は資格のある人間には叶わないことを知っていたのでその医者の言う事は軽く流すように聞いたのを今でも覚えています。

愛という名のいにしえよ

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