【注意】
・☃️が今まで演じてきた役の人が混在するシナリオです
・本来のキャラとは口調や性格、職柄が少し違うかも知れませんがご了承ください
・もしかしたらネタバレを含む事になるかも知れませんので注意してご覧ください
・ご本人様とは関係ありません
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♢ side Kitazawa Tatsunosuke
とある日の事。特に仕事も無かった為、自宅でゆっくりしていた。
時刻は午後14時頃、見ていたTVを消して、ふと冷蔵庫に入っているスイーツがある事を思い出した。
「(そういや……冷蔵庫に入れてたショートケーキあったな。)」
思い出すともう止まらない。俺は大のスイーツ好きで、「早く食べたい」という衝動に駆られた俺は、ソファーから立ち上がり冷蔵庫へ向かった。
「(お、あったあった……えーっとフォークは……。)」
冷蔵庫から白い小さな箱を取り出し、それを皿に乗せる。そしてフォークを手にし、再びソファーへ座った。目の前の机にその白いケーキが乗った皿を置いて、手の平を合わせる。
「頂きます。」
そして、1口。
「ん〜……美味っ。」
甘い味が口に広がる。この味が大好きなのだ、と再び実感させられた。
そして、食べ終わった頃。
「(食べ終わったし、皿洗って筋トレでもするか……。)」
そう思いながら再び立ち上がり、キッチンへ向かおうとした時、スマホが鳴り響く。
「ん……?」
スマホの画面には「上層部」と映っていた。
「……。」
嫌な予感がした俺は、仕方無くその電話に出た。
「……もしもし。」
『もしもし、北沢か?今何処にいる?』
「今は家ですけど……。」
『仕事の依頼が入ったんだが、来れないか?他の奴らは用事やら体調不良やらで頼める奴が居ないんだ。』
「(絶対仮病だろアイツら……。)」
『頼んでも良いか?お前1人しか居ないんだが……。』
「……分かりました、何処に向かえば良いですか?」
だが仕事は真面目にこなしたい性格の俺は、オフなのにも関わらず、断る事が出来ずに了承した。
『〇〇社、分かるか?』
「……〇〇社……って、あの起業家が立ち上げた……。」
『あぁ、その起業家のボディーガードをして欲しいとの依頼だ。』
「(あんな金持ちの所のボディーガード……?嫌味とか言われそうで嫌だけど、やるしか無いか……。)」
『じゃあ、頼んだぞ北沢。』
「了解。」
そして電話を切り、溜息を1つ。黒いスーツに黒いネクタイを身にまとい、家を出た。
♢
そして数十分後、その会社へ辿り着いた。
「(こんな午後から仕事か……。)」
会社内へ入ると、屈強な男達が通る道を塞ぐ。同じ界隈で働くボディーガードか何かだろうが、外部の俺が派遣されるのに意味あるのだろうか?と思ったが、説明をして中に入れてもらおうとした。
……のだが。
『関係者以外、立ち入り禁止ですが?』
「すみません、今日派遣されて来たボディーガードを勤める「北沢」と言います。ここの社長にボディーガードをして欲しい、と頼まれここに来たのですが。」
『……そんな話聞いておりません。』
「(は?どういう事?)」
何故か話が通らずに俺は困惑した。
『お帰り願います。』
「や、だから俺は仕事で来てるんです!!」
『直ちに立ち去らないと、どうなるかお分かりで?』
「(何で話通ってねぇんだよ!!)」
心の中でそう思いつつ、また言い直そうとした時……。
『ようこそ。』
「!、」
エレベーターから、異様な雰囲気を醸し出している男が出てきた。
『社長!?』
『……俺が呼んだボディーガードだ、通せ。』
『そ、そんな話聞いておりませんが!?』
『ボディーガードなら私達が……!!』
『俺が呼んだって言ってんだろ。お前らはここでいつも通りに仕事しろ。』
『……承知、致しました……。』
部下であり、はたまたボディーガードである者達に威厳で封じ込め、俺に近付いてくる。
「(……何だこの覇気……感じた事無い。)」
『どうも、北沢さん。』
「……どうも。」
『いやーごめんごめんウチの部下達が、初対面の人にこんな失礼な態度を取ると思ってなくて。』
「……いえ、大丈夫です。」
『とりあえずさ、社長室来てよ。そこで話するから。』
「……分かりました。」
そして、社長室へ行く為にエレベーターに乗った。
♢
「(ここが社長室か……てか何階だここ?めちゃめちゃ高いし、窓の外も見えるし、高級マンションか何かかここは。)」
『改めて、ようこそ。俺はこの会社の社長をやってる「天王寺 陽」、よろしく。』
「「北沢 辰之助」です。よろしくお願い致します。」
Haru「何て呼べばいい?」
「……え、っと……何でも、大丈夫です。呼び捨てでも構わないです。」
いまいち距離感が掴めないこのハルと言う男。一応社長らしいが、全然そんな風には見えない。
Haru「じゃあ北沢、で良い?」
「はい、大丈夫です。」
Haru「北沢も俺の事は何て呼んでもいいから、好きに呼んで。」
「……じゃあ、ハルさん。」
Haru「そう堅くならなくたって良いのに笑、まぁ良いけど。今回、君にボディーガードを頼んだのは他でも無い。たった一つの理由だ。」
「(こんな金持ちの会社の事だから、色んな奴に狙われるとかだろうけど。)」
そう思っていた。だが、彼は予想の何倍もの斜め上を行く発言をした。
Haru「……ただ喋れる人が欲しかっただけ。」
「……え?」
Haru「全然ボディーガードの仕事しなくて良いから、俺の話し相手になってくんね?」
「……えっと……俺、一応ボディーガードなんですけど、」
Haru「んなの分かってんだよ笑、1人じゃ暇でさー?喋れる人居ねぇかなーって思って探してたら君の所の会社を見つけたんだ。」
「(ボディーガードを何だと思ってんだこの人は……。)」
Haru「てな訳で……しばらくよろしくねー?北沢。」
「(ここで拒否ったら殺されたりすんだろうな。)」
何というワガママな男だ。そう思いつつも断れない為、俺は了承した。
♢
そして、俺のボディーガードでは無い別の仕事が始まった。
「(その内に本業忘れそう。)」
Haru「てきとーに座っといてー。」
「……はい……。」
彼は大きなパソコンを目の前にし、そして大きい黒い椅子に腰をかけた。
そして一言。
Haru「いやーやっぱ人が居ると違うわ。君を呼んで正解だった。暇じゃなくなるし、俺の価値観とか色々話せる。」
「……部下の人達とかに、話はしないんですか?」
Haru「……アイツらは所詮他人。でも、俺の会社の事とか色々知ってっからあんまり信用出来ない。だから関わりの無い人間を探してたんだよ。」
「……そう、ですか。」
Haru「て言うか、北沢……真面目だな。」
「え?」
Haru「スーツも、シャツの第1ボタンもしっかり締めて、ネクタイも緩んでない。俺を前にして来た時より畏まってるし。」
「あぁ……。」
Haru「……余計に信頼出来そうだわ笑、こんなに真面目な奴が来るとは思ってなかったし、言っちゃ悪いけど、世の中って理不尽な事多いし犯罪多いしでつまんねぇじゃん?だから最初見た時はあんまり信頼してなかったんだよねぇ君の事。」
「……、」
Haru「だから、仲良くなれそうだわ。」
「……ありがとうございます……?」
Haru「……まぁ、北沢は俺の事まだ信頼してないみたいだけど。」
「……いやそんな事は……。」
Haru「じょーだんじょーだん!笑、でも図星だろ?大丈夫、いつもそうだから。」
「いつも……?」
Haru「俺こんなんだからさ、周りの奴振り回してばっかだし、ワガママなのも崖っぷちから這い上がるのも大好きだから。離れてくんだよ、俺から。」
「……。」
Haru「……だから、いつか北沢も俺から離れたいって思う日が来るかもな。」
「……まだ、分からないです。初日で、会ったばっかりですし。」
Haru「だな笑、まぁのんびり過ごしてくれたら良いよ。」
「……はい。」
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