ゆり組の日常

「Dear,」を渡辺が何度も聴いている。ネトフリのエピソード2。

国立の初日、渡辺はポロポロ泣いていた。

なぜ、自分が泣いてるのを何度も観ているのだろう。

宮舘ー翔太、何度も観てどうしたの？

渡辺ーん〜俺って泣き虫？

宮舘ーはぁ？

渡辺ーコンサートで結構泣くなぁと思って。

宮舘ー自覚ないの？

渡辺ーはぁ？

宮舘ー前にも、「あいことば」で泣いたじゃない。

渡辺ーあ〜そうだわ。

宮舘ーそれが何？

渡辺ー感受性が豊かだなぁと。

宮舘ー黙らっしゃい！

渡辺ー何？

宮舘ー圧倒的に怒る方が多いし！

ソファで寝転んで観ていた渡辺を上から、腕を組みピシッと言い放つ。

自覚があるのか、渡辺は何も言わない。

宮舘ー感極まって泣くのは多々あるけど、それを上回るほど、あなた、怒りますから。

渡辺ーばか言え、こんな穏やかな俺を捕まえて何を宣う。

宮舘ー辞書で穏やかって引いてらっしゃい。

渡辺ー引かんでも分かるわ。俺だし。

宮舘ー俺はよく、その穏やかな人の前で正座しますけど？

渡辺ーいや〜泣いてる俺は可愛いわ。

宮舘ー聞いてます？

宮舘も、泣いてる渡辺は可愛いと思っている。が、自分はよく怒られる。それだけのことをしたのだろうと言われても覚えはない。

何かが、渡辺の逆鱗に触れるのだ。

宮舘ー何が、怒る原因なんでしょう？

渡辺ー和食が好きなのに、お洒落な洋食を出してくる。

宮舘ーはぁ。

渡辺ー野菜嫌いなのに、サラダ山盛り出してくる。

宮舘ーはぁ。

渡辺ーもうやめろって言っても「可愛いから」ってしつこい。

宮舘ーはぁ。

渡辺ー何だ、その気のない返事は？

宮舘ー子供が駄々こねてる。

渡辺ー何だとぅ⁈

さて、この場合、宮舘が正論だと思うが、渡辺は起き上がり腕を組み、怒っている。

「お前、調子に乗ってないか？」と宮舘に言い放つ。

宮舘ー誰が聞いても、駄々っ子の言い分にしか・・。

渡辺ーうるさい！

宮舘ーあっ、怒っちゃった？子供って言い分通らないと癇癪起こすんだよね。

渡辺ー帰る！

宮舘ーばかおっしゃい。今日は泊まるって言ったでしょ。

渡辺ーへぇ、じゃあ俺、ソファで寝る。

宮舘ー何で？

渡辺ーあっ、お前子供に手出す気？何かする気？

宮舘ーぐっ。

渡辺ーお腹空いたよぅ。

宮舘ーすみません！美味しい焼き鳥作ります。帰らないでください！

宮舘は正座して土下座している。

ニヤリと笑う渡辺。

渡辺ーソファで寝るからな。

宮舘ーいや！一緒にベッドで寝てください！

渡辺ー「寝る」んだな？

宮舘ーいや、あの、その・・。

渡辺ー駄々っ子だからな。

宮舘ー撤回します！翔太、もう堪忍して。

渡辺ーふん。

今夜も宮舘の負け。

渡辺と、ベッドで眠れただろうか？

と、その前に愛せただろうか？

渡辺に、口で、勝つのは、無謀なことと学んだ宮舘だった。