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体を揺さぶられる感覚。鉄の臭いが蘇ってくる。

起きて、と微かな声が。

「カルパス、起きて」という声で目に光が入った。

「マヤ……うん、起きてる。」見下ろしているマヤに、そう答え体を持ち上げようとすると、支えがあり上手くできない。それもそのはず、体を縄で縛られていた。そして檻の中である。

「捕まった。」マヤを見ると、僕を縛っているものではなく、太く頑丈そうな鎖で巻かれていた。マヤの能力で逃げ出されることを考慮しているようだが、

「こちらの情報が完全に漏れている。罠があったのも、マヤの能力も、あの男も僕の能力を……って、そういえば僕が捕まったってことは、あいつ…」という独り言にマヤが反応する。

「何?」あまり表情が変わらないマヤのその言葉に圧を感じ、後ろめたさもありながら、

「俺が捕まったってことは、アベルが一人で敵と対峙している。」そうなれば確実に死ぬのは能力が実質無いアベルの方だ。

「ここから出よ、まず、」とマヤの提案。「そうするさ。」「どうする。」情報が枯渇している。考えるのはあとだということはマヤも分かっていると思うが。

「まず整理しよう。あの黒い物体に触れるとここに移動させられる。移動系の能力者がいることが確実だ。そして逃げる可能性を考慮して、今見張りが付いていないとは考えにくい。見張りも能力者だろう。そして、重力を操作するような能力者がいた。それは今考えなくても良さそうだが。」「アベルはそいつといる?」不安そうに聞いてくるマヤに「ああ。多分。」と返す。

「作戦を考えよう。まず僕の縄を斬ってくれ。」「ん。」と言いマヤは拘束されていない頭を変形させ縄をギコギコと音を立てながら斬る。

「今すぐとは言ってないが…まあいいや。ええと次は折から出なきゃな。鎖を解くから、まっててくれ。」と言っても解けそうもない。

見張りがいるのを確認し腰に鍵がついているのも見た。「おーい!来てくれ!頼む!」と、檻の中から叫ぶと「なんだ!」と言いながら檻の前へ来た見張りの腕を掴み

「ありがとう」と言ってから血の進む方向を逆にする。

見張りは反撃の余地なく倒れ、ソレから鍵を奪う。

「かーぎーかーぎー…お、これ鎖の鍵かな?」

マヤの鎖と牢屋の鍵を開け外に出る。薄汚れた配管から煙が出ていて、今にも壊れそうな音を立てている。「さっきからこの音がうるさかったのか。」

「カルパス…ここどこ?」「知らん」



パンッ!

「え…あ…痛い…な。」

撃てた。撃てた。目が閉じそうになるのを堪えて、撃てた。

隣から囁くようにこの子が言う

「撃てたじゃん。君の勝ちだ、心臓は外したが肺に穴が空いた。でも君も死ぬかな?」

死にたくない。

「そうか、でも何もできないよ。ごめんね。」

神なら…「え?」神様なら。私を助けろ。「何を身勝手な…失望したよ。」

違うだろ。私はいつだってあなたを信じてきた。従って生きてきた。尊敬して生きてきた。間違いはないと思ってた。

「だから?」今度は答えてみろよ。神様なら。

それができなきゃ…神様じゃねえだろ、ああ?

「…………………………………………………………………………はあ、バレたか。僕は神じゃない。神に何よりも近しいがね。」じゃあ何だ。行ってみろ。

「怒んなよ。君を監視してただけさ。それに邪魔なものを排除しながらね。」

「僕には、未来が見える。こんな事になることも見えていたし。君の能力も分かる。ここで終わらないことも!救われるというのかな?地獄が長くなるだけだがね。」監視…?何故そんなことを。

「君の未来を知っているからこそさ。まあ、そんなことどうだっていい。バレたのは想定外だ。やるね。僕はここらへんで消えるとしよう。」待てよ……助け「また来るよ〜」



「クラーラ…呼吸が…できない。ちょっと…治療室まで…お願い。」「分かったわ。相変わらずとろいわね。慢心よ慢心、反省しなさいダズ。」「ごめん」




信仰心には拍手と鮮血を示して

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