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『朕の噂をしていたようですわね?』
鉄箱のスピーカーらしき部分から、男とも女とも思えるような声が聞こえる。
「うわ、なんか喋ったぜ。」
『朕が兇手牢にいることは漏らさないで欲しかったけど、あのときにそれを指定していなかったから仕方ないかしら。……嗚呼、今のは独り言ですわ。気にしないで頂戴。』
「この音声が閻魔神ですかね?」
『ええ、そうでございますわ。貴様達が犯した殺人罪への罰は、数回に分けて行いますの。今からの罰で元々の場所に帰しますわ。また時間が経ったときに、ここ……兇手牢へ送りますわね。』
「よくわかんねぇんだけd……っ!?」
ロジオの頭に、どこからともなく斧の峰側が振り降ろされた。
斧はもう一、二度ロジオの脳天にあたる。
私の方には見覚えのあるレーザーが放たれて、あっという間に左半身がなくなった。
「ぅ゙……!」
(このレーザー、マタールナと酸化銅の混合で放出されるやつじゃん。はぁ……伊勢先生を思い出すなぁ。)
ロジオの血だらけになった頭と、私の消し飛んだ左半身は、徐々に修復されていく。
『貴様達はそれぞれ2人の人間を殺害なさったでしょう?1人目の方の殺害方法を再現してみましたわ。続いて2人目の殺し方も再現したいところでございますわね。』
「私がやった2人目の殺人方法は難しいですよ?……なんせ、月の質量をくらわせてしまったんですから。」
完全に左半身が元通りにされて、私は鉄箱のスピーカーに向けてそう話した。
「俺は自首してちゃんと罪を償ったはずなんだけどよ……」
途端にロジオの額に、斧の刃があたってぶち割られた。
そして巨大な何かが視界を埋め尽くす。
全身に重いものが乗っかり、私は悲鳴をあげる暇もなく潰された。
段々と自身の感覚が戻っていき、痛みがはっきりと認識されていく。
1分半程かけて、肉体も視界も元通りに。
ロジオは、さっきまで閻魔神の音声がした鉄箱の様子をじっと見ている。
「おーい、閻魔神?スピーカーみたいな部分も消えてるぞ。」
返事がない。ただの鉄箱のようだ。
そんな鉄箱から、スピーカーみたいな部分の代わりに文字が浮き上がった。
Ваш разговор с Богом завершен. Пожалуйста, подождите немного, пока мы вернем вас в исходное местоположение.
「ロシア語ですか……全くわからない。」
「ああ、閻魔神との話しは終わったってことでいいのか……?」