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れお(1週間猫化)
320
#ギャグ時々シリアス??
꒰ঌソラ໒꒱
10
#恋愛
もな
224
🌸「よし、誰も見てないわね……」
あの日から2日経ち、現在お昼。村の人たちが農作業や昼食など慌ただしくなってるところを誰にも見つからないようにこっそり村から抜け出した。
向かうのはあの鬼が棲む山。
彼が本当に悪い妖怪なのか確かめるため、彼の足が心配だからだ。
けれど、まだ完全に彼のことを信用している訳では無い。妖怪とはそういう存在だ。
私はいつ襲われても大丈夫なように、巫女服の中に小さな小刀を入れた。もし本性を現したら、この小刀で退治してやる!
🌸「夜よりは不気味じゃないけど、昼でも少し不思議な感じがするな…」
明るい光を照らしながら、山道を進んだ。辿り着いたは場所は崖崩れが起きた場所だ。まだ崩れた大量の土砂と巨大な岩が散乱している。
🌸「私は…ここで助けられたんだ」
改めて胸が締め付けられる。夜の時は視界が悪くて見えづらかったが、昼間の明るさで見ると凄まじさがはっきり伝わった。
ガサガサッ
岩と草が動き出す。私は瞬時に警戒態勢に入る。
🍁「あっ桜ちゃん!本当にまた来てくれた!」
現れたのは、山吹色の髪で私と同じ黒い瞳の琥珀だった。明るい場所で見ると、少し可愛らしさがあった。満面の笑みでこちらに走って近づく。
🌸「待って!まだ足が治ってないはずだから…ッ」
慌てて止めようとしたが、私は言葉を失った。琥珀の足は巨大な岩に押し潰されて出血したのだが、傷跡が消え応急処置をした所も綺麗さっぱり無くなっていた。
🌸「まだ2日しか経ってないのに、もう治ったの?」
🍁「ん?あ、あぁ!鬼は人間よりも回復量が速いんだ!桜ちゃんが手当してくれたおかげであの怪我でいつもは3日ぐらいだったのに、1日で治ったんだ! 」
そう言ってピョンピョン跳ねて証明する琥珀。本当に治っていた。
やっぱりこの子は**『鬼』**なんだと改めて実感した。力の差を見せつけられたみたいで背筋が少し凍る。
ただ1つ気になることは、それほどの力と回復があるのに襲わないことだ。琥珀の瞳は濁りのない真っ黒で綺麗な瞳だった。
🌸「…ま、まぁ治ってるなら良かったわ。あとこれ。あの時の怪我のお詫び。私の大好物の桜餅よ」
🍁「わぁぁあ!!桜餅だぁ!ありがとう桜ちゃん!」
私達は近くにあった岩に並んで座った。もちろん同じ目線で。
🍁「あっそうだ!」
すると、琥珀は何かを思い出したかのように大切そうに包まれた何かを取り出した。三色団子だった。
🍁「これ、桜ちゃんと一緒に食べよ!僕の大好物なんだぁ!」
🌸「えっ……ッ?」
琥珀は三色団子を出して、体がピクリとした。三色団子についてる棒の模様に見覚えがあった。それは間違いなく、数日前に私の村の団子屋さんから盗まれたといわれるお団子だったからだ。
小刀を出そうとする私に気付かず、琥珀は申し訳なさそうに言う。
🍁「……ごめんね。この山には食べ物があまり無くて、お腹がすいちゃって…。近くの村から、罪悪感を持ちながら団子を取っちゃったんだ。お金を置いた時に、村の人たちに見つかって叫ばれて……」
🌸「え……?叫ばれた?」
🍁「うん……。みんな鬼が出たって大騒ぎになって、真っ青になって…。僕は怖くなってそのまま逃げちゃったんだ…」
琥珀の言葉を聞いて、衝撃を受けた。
任務では『人間を恐怖のどん底に落とす凶悪な鬼が村を襲った』と聞かされていた。けれど真実は、お腹をすかせた小さな鬼が、お団子をほんの少し持っていっただけ。鬼という存在への恐怖から、村人たちが勝手に「襲われた」と勘違いしていただけだったのだ。
🌸「そう、だったんだ…。ごめん、そんな事情があったなんて…」
🍁「ううん、良いんだよ。鬼って聞いたら怖くなっちゃうのは当たり前なんだから。さぁ、早く一緒に食べよう!いただきます!」
青空の下でお互いの大好物を食べた。姿形が違ってても、美味しいと言い合うこの瞬間は普通の男の子と変わらない。
ただ傷つけたくない、お腹が空いただけ。
「正義」と「優しさ」で小刀の重みを感じながら、激しく揺れ動いた。
To be continued
コメント
3件
ああ、これめっちゃ刺さったわ…! 「襲われた」って村の噂と、実際はお腹空いてただけの琥珀くんのギャップが切なすぎる。桜ちゃんが小刀用意してるのに、団子一緒に食べちゃうところで「あ、この子もう守りたい側に傾いてるな」って分かって、こっちも胸が熱くなった。回復力の見せ方も「鬼」である現実を突きつけてきて、次が気になる終わり方だった👍