あれから笑えなくなった。
優が居なくなって、私の生きる理由が無くなった。
あれから私は大学に行き、検事になる為に努力している。
でも何のために生きているのか分からなかった。
もういっそ、優の所に行こうかな。
「おにいちゃんだいじょうぶ?」
私 「えっ?」
そこにはぬいぐるみを大事そうに持っている一人の少年が来た。
5歳くらいの子だったかな。
少年 「おにいちゃんないてるの?」
私 「あっ…いや…これは…」
知らぬ間に涙が溢れていた。
何でかな、君はあの子にそっくりだな…
あの子もぬいぐるみが好きだった。
私がプレゼントとしてあげた物を喜んでくれた。
ずっと大事そうに持っていてくれた。
葬式の時も、あの子と一緒に火葬した。
また涙が溢れてくる。
少年 「おにいちゃん、なかないで」
あぁ、みっともないなぁ。
子供の前で泣くなんて。
私 「ありがとう、君は優しいね」
少年 「えへへ(о´∀`о)」
私 「私は魅上だ、君の名前は?」
烏丸 「からすま!よろしくね!みかみおにいちゃん!」
烏丸は公園で遊びに来たらしい。
保育園ではいじめを受けて、何処にも居場所がないらしい。
家族には心配をかけたくなくて言わないでいるらしい。
私 「そうか、辛かったな」
烏丸 「いいの、よわいぼくがいけないから」
私 「…!」
そんな事ない、傷ついたんだから、苦しい思いをしたんだから、
君が悪い訳ない。
優もそうだった。
障害があるからっていじめられた。
でも優は決まってこう言った。
優 「ぼくがわるいからいいんだよ!だいじょうぶ!」
優はずっと優しかった。
誰かに何かを言われても、絶対にその人を責めなかった。
それくらい優しい子だった。
君はやっぱり優とそっくりだ。
私が助けないと、助けてもらったなら、出来ることを全力でする。
私 「烏丸くん、私が君を助けるよ」
烏丸 「えっ?」
母 「〇〇!」
烏丸 「あっ!ママ!」
母 「お兄さんと何話してたの?」
烏丸 「おにいちゃんがないてたからおはなしきいてたの」
私 「助けてくれてありがとうございます。実は不覚にも泣いてしまって…」
母 「そうでしたか、〇〇、ありがとね」
私 「お母さん、実は烏丸くんは…」
私は彼の母にいじめの事を全て話した。
母 「…そうだったの…ごめんね。気づいてあげられなくて…」
烏丸 「ううんいいの、おにいちゃんがぼくのおはなしきいてくれたんだよ」
母 「本当に…ありがとうございました!貴方のおかげで、気づく事が出来ました!」
私 「いえ、私が最初に助けてもらったんです。ありがとう。またね」
烏丸 「うん!またね!おにいちゃん!」
あれから烏丸に会うことはないと思った。
でも私はあの子を苦しませてしまう。
ごめんね。結局私は…
コメント
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まさかのバットエンド!?魅上さんがお空へ行ったあと烏丸くんも来ちゃったとか、?気になりすぎる〜!!🤨