25日の夜。あと、1時間ほどで日が変わる。
「総統様、」
「…こんな夜中にどうした、外資系。」
「グルさん、喜んでへんとはよ書類やってくれますかね。」
「だ、だってだな!!久しぶりに外資系から話しかけてくれたのだぞ!?!?」
夜に何故この人たちが起きているのかは置いといて(徹夜お疲れ様です)
俺が話しかけるだけで喜んでいると言われると、何故か申し訳なく思う。
…?!気配、?
「グルッペンさんッ!!!」
「ッは、!?」
ダクトから降りてくる人。いや、降ってくると言った方が正しいだろうか。
ナイフを持って、総統様を狙って。
「ッ…だ、だいじょうぶ、ですか、」
その狙ったであろうナイフ。
それは、俺の腹部を刺していた。
「…!が、外資系ッ、!」
「で、でもダクトから出てきたヤツもショッピくんの見た目してんで…?!」
あ、逃げる…!
頼むで、!?
「おっとぉ…?どこ行くんかな?」
「俺らのショッピ刺してどこ行こうとしてん。」
「ッへ、ないす…!」
頼んでおいた。
チーノと、コネシマさんに。
コネシマさんにも、ちゃんと事情を話した。
最初は「は?」みたい感じやったけど、何とか信じてもらった。
実際、当たっていたから。
「ッくそ、くそ、くそぉぉっっっ!!!」
副隊長が叫ぶ。
その間に、トントンさんが俺の止血をする。
「なんでこんなことしてん。」
「ッッこいつが、ウザかったんだよ…!!」
「そんなんで…!」
「お前がそんなんとか言うなッ!!お前らは知らねーだろーな!!!!」
副隊長は話した。
今まであったこと、全部。
副隊長side
俺は、スパイだった‘世界線’があった。
総統──グルッペンを殺す為に来た。
作戦を立てて、何年も、何年も、時間をかけて作戦を練って、訓練をして、やっと殺せそうな時。
ショッピにバレたんだ。
今日みたいに、止められた。
そして、俺のことを殺したのは、
こいつだった。
今でもはっきりと覚えてる。
指1本1本、ゆっくりと、じわじわと…。
許せなかったんだろうな。
俺は、ちょうど一年前に戻ったんだ。
そこで俺はショッピに復讐するためにまた、計画を練った。
そこからはよく知ってるだろ?
ショッピのアリバイがない時間。
一人でいる時間を狙って、
ショッピの格好で、殺そうとした。
でも、殺したらバレる気がした。
だから、証拠だけ残して逃げたってわけだ。
もう予想ついてるだろ?
俺も未来から過去にきて、お前を悪者にし、死刑にさせた。
ちょこちょこ、過去を変えてた。
けどな、お前も過去に来たんだ。
俺もまた、ループしたよ…。
何回も同じようになって、
ショッピを殺さなきゃって必死。
何とかして痛めつけようと思ってた。
だから、新しく「いじめ」をいれて、混乱させようと思った。
俺が関わってることは全部変わってるはずさ。
日が来たんだよ。
また、この日が。
俺は未来を知ってる。
ショッピが未来を知ってるのも、知ってる。
だから、1時間だけ、はやめたんだ。
そしたら殺せる…と思って。
総統を狙ったのもわざと。
ショッピは守るだろうなと思ってやった。
でも、お前はコネシマとチーノに言ってただろ…?
お前は俺に気づいてた。
俺の、負けなんだろ。
sypside
未来から…来てた。
衝撃の事実が並びまくる。
ビリビリ、ひりひり、と痛む傷口よりも、その話を聞かなきゃいけないと思った。
「お前の話もしたらいいじゃねぇか、こいつら混乱してやがるしよ。」
今の話は、幹部全体のインカムで全員に伝わっていた。
俺も、その流れのまま話した。
今まであったこと、
なんであの5人としか話さなかったのか、
なんで生き返れたのか。
伝えたいことは、全て。
そして、謝った。
「すみませんでした。俺、また信じて貰えないんじゃないかって、怖くて…、ほぼ、関係ないあんたらにも対応を酷くしてしまった…!」
思ったこと、全部、
思ったままに…伝えた。
そして、もうひとつ、
伝えた。
死刑執行日は、
2月2日だった、という事。
2月2日は、みんなで一緒にいたい。
という事を。
次最終話。
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