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その“過去を司るモノ”から告げられた言葉に、すまない先生達は目を丸くした。だが、アクア達は答えた。
「うん、だろうね」
それは、まるで、どこか知っていたかのような言葉だった。
アクアだけじゃない、他の別世界からのすまないスクールメンバーも分かっていたかのような表情だった。
「僕らは本来は“ここに存在してはいけない存在”だ。そんな僕らがこの世界に留まれば、何かしらの不具合が起きる、現に今、起きてるしね」
「で、でも、記憶を消すまでしなくても・・・」
すまない先生の疑問にアクアは首を横に振る。
「ダメだよ。別世界の僕らの記憶があったら、この先の出来事に不具合が起こるかもしれない。最悪の結末を迎えてしまうかもしれない」
「・・・でも・・・!」
すまない先生達は納得の言っていない表情をした。そんなすまないに、アクアは笑う。
「・・・僕は、同じ僕には、最悪な結末を迎えて欲しくない。だから、どうかこの要求を呑んで欲しい」
そうアクアは瞳を和らげに揺らす。
アクアも、忘れたくないのだ。この楽しい日々を、この日常を。
だが、忘れなければ、すまない先生達の世界は異常を起こしてしまうかもしれない。
だから、この要求をアクア達は呑んだのだ。
この世界が異常を起こしてしまわぬように、最悪な結末を迎えてしまわぬように。
すまない先生と、すまないスクールメンバーは顔を見合せ、決心した。
「・・・分かった。その要求を呑むよ」
それにアクアは微笑んだ。その微笑みは、自分も似て、そして、
亡き母にも似ている・・・気がした。
【話はまとまったかぁ~?】
そう“過去を司るモノ”が聞いてきた。それにアクア達は頷く。
「「じゃあね、別世界の僕」」
皆、口々にそう別れを告げた。
そして、“現在を司るモノ”が立ち上がり、盾を構える。
すると、盾からキラキラ青緑色の星々が降り注ぐ。
『認証:獲得。これより“能力発動”を許可:成功しました』
そう機械音が鳴る。
そして、眩しい光が辺りを照らした。
ふと、その際、声が聞こえた。
『──さようなら、まだ歩み途中の“過去の僕”』
その声がすまない先生に聞こえた。